408 / 671
うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(58)
しおりを挟む
アーダム皇子が兄妹水入らずで話をしたいと願うと、「ごゆっくりどうぞ」と礼儀正しく挨拶をして去って行くアルバート王子。
部屋にはアーダム皇子と側近のダンカンが残される。
ダンカンとも再会の挨拶を交わすと、アーダム皇子はエリーザベトを見据えた。
「『……妹よ、アルバート第一王子のことは気に入らなかったか?』」
「『いいえ、気に入る気に入らないではなく、当たり前の礼儀としてご挨拶しただけですわ。お会いしたばかりではしたなくは振る舞えませんもの。
それに、お忘れですかアーダム兄上様。私にはレアンドロ様という方がいらっしゃるということを――』」
言外に責めるエリーザベトに、アーダム皇子は面白くなさそうに鼻を鳴らす。
「『勿論知っているとも、婚約者候補に過ぎぬことをな。ふん、別に気に入らなくとも構わぬが、お前にはこの兄の為、あの王子に取り入って貰いたいのだ』」
「『……どういうおつもりですの?』」
「『聖女だ。私が皇帝になる為には、聖女が必要なのだ』」
「『聖女様……?』」
訝しんだエリーザベトは鸚鵡返しに問い返す。
兄が皇帝になる為に聖女を必要としていることと、自分がアルバート王子に取り入ることと何の関係があるのか。
そう問いかけると、ダンカンが経緯を話し始めた。
「『兄上様がアルバート王子の監視から抜け出す為の囮、それが叶わずとも将来トラス王国の王妃となることで伯爵夫人でもある聖女様に命令を……何と大それたこと』」
しかし皇女として、国の為にやらねばならない。
アレマニア皇女歓迎の夜会――エリーザベトは広げた扇の内側で溜息を吐いた。
ダンカンの言う通り、確かに神聖アレマニア帝国は不寛容派が強い。前教皇亡き後に就任した寛容派の教皇をどうにかしようとしていた矢先、現れた聖女。
聖女が本物であれば、その後ろ盾になっている教皇を始め、寛容派は勢いづいてしまう。
気が逸ったのか、偽物だと聖女に無礼を働いた不寛容派筆頭のアブラーモ大司教が聖地で獄に繋がれてしまった。不寛容派教皇を排除した後に教皇となるべく送り込まれた男が人質として捕まってしまったのだ。
その場に居合わせた聖職者や信者達はこぞって聖女の奇跡を見たと諸国に喧伝する。捕まった大司教は他ならぬ神聖アレマニア帝国人。
神の娘たる聖女に無礼を働いたとして、不寛容派勢力ひいては代々不寛容派の教皇に戴冠されてきた皇帝は人々の批判に晒された。
更には皇帝選挙を数年後に控えた神聖アレマニア帝国は揺れている。
不寛容派皇帝の息子であるアーダム皇子は次の皇位に相応しくない、と活動する貴族もいる。
――国の分裂、崩壊の危機でございますぞ。
厳めしい表情でダンカンはそう告げた。
「エリーザベト殿下、トラス王国の食事はお口に合いますか?」
「ええ、お気遣いありがとうございますアルバート殿下。とても美味しゅうございますわ」
「アルバート殿、宜しければ妹をダンスに誘って頂けませんか。アレマニアの皇宮は窮屈で人の目がある。皇女が誰かと踊っただけであれこれと言われるのです。だが、他国の宮殿であれば、余人の目を気にせず純粋に楽しめると思うのですが?」
「あら、アーダム皇子殿下。他国だからこそ気を付けないとなりませんわ。エリーザベト殿下はエスパーニャ王国のレアンドロ第一王子殿下と想いを交わしていらっしゃると聞いておりますもの。
アルバート殿下と皇女殿下の間に妙な噂が立てば、エスパーニャ王国との外交問題にもなりかねないのではございませんこと?」
エリーザベトをダンスに誘わせようとするアーダム皇子に、それまで黙っていた貴婦人――ガリア王国からの客人であるというメテオーラ・ピロス公爵令嬢が笑顔を崩さぬまま口を挟む。侍女ヘルミーネが言うには、メテオーラは聖女の友人であるとのこと。
アーダム皇子はメテオーラの言葉に肩を竦めた。
「大袈裟では? エスパーニャ王国のレアンドロ殿下はあくまでも妹の婚約者候補の一人に過ぎません。この程度のことで目くじらを立てるような男ではないと思いますが? ガリア王国の方であるメテオーラ・ピロス公爵令嬢が気になさることでもありますまい」
「差し出口でしたかしら? 私は一般論を申し上げただけですわ。エリーザベト殿下はお美しい方ですもの、人々の注目を集める故に様々な噂をされやすいかと存じます」
こちらに顔を向けて微笑むメテオーラ。エリーザベトは内心、彼女の方がすらりとしているし洗練されたドレスも相まって美しいと感じていたので困惑を覚える。
「まあ、メテオーラ様。そのような……」
「確かにそうですね。神聖アレマニア帝国の美しい姫と踊りたがっている者もここには大勢いることでしょう」
そう言ってアルバート第一王子はしばらく思案気にした後、傍に控えていた侍従に耳打ちする。侍従は頷き、楽団の方へ向かった。
アルバート王子は立ち上がると、エリーザベトの前に立った。左手を胸に、右手をこちらに差し出してくる。顔を上げると、にこりと微笑まれた。
「メヌエットを頼みました。美しい神聖アレマニア帝国の姫、私と一曲踊って頂けますか?」
「喜んで」
エリーザベトは内心安堵する。次々に相手を変えていくダンスという訳だ。
ダンスが終わった頃には、エリーザベトはすっかりへとへとになっていた。何人と踊ったのかは途中で数えるのを放棄したし、何を話したのかもあまり覚えていない。
侍女のヘルミーネ渡してくれた飲み物を片手に休息をとる。アルバート第一王子を探して視線を巡らせると、ガリアの公爵令嬢メテオーラと共に貴族達とにこやかに挨拶を交わしているのが見えた。
それを見てエリーザベトは先刻のメテオーラの言葉の意味を知る。自分は牽制されていたのだと悟った。
聖女を生み出したトラス王国と寛容派の聖地を擁するガリア王国。
アーダム皇子のいうことを訊くならば、メテオーラをアルバート王子から引き剝がさねばならない。
それが出来ずともアルバート王子の傍に自分も張り付いておくべきだろう。
エリーザベトが重い腰を上げかけたその時、貴族達が騒めいた。
部屋にはアーダム皇子と側近のダンカンが残される。
ダンカンとも再会の挨拶を交わすと、アーダム皇子はエリーザベトを見据えた。
「『……妹よ、アルバート第一王子のことは気に入らなかったか?』」
「『いいえ、気に入る気に入らないではなく、当たり前の礼儀としてご挨拶しただけですわ。お会いしたばかりではしたなくは振る舞えませんもの。
それに、お忘れですかアーダム兄上様。私にはレアンドロ様という方がいらっしゃるということを――』」
言外に責めるエリーザベトに、アーダム皇子は面白くなさそうに鼻を鳴らす。
「『勿論知っているとも、婚約者候補に過ぎぬことをな。ふん、別に気に入らなくとも構わぬが、お前にはこの兄の為、あの王子に取り入って貰いたいのだ』」
「『……どういうおつもりですの?』」
「『聖女だ。私が皇帝になる為には、聖女が必要なのだ』」
「『聖女様……?』」
訝しんだエリーザベトは鸚鵡返しに問い返す。
兄が皇帝になる為に聖女を必要としていることと、自分がアルバート王子に取り入ることと何の関係があるのか。
そう問いかけると、ダンカンが経緯を話し始めた。
「『兄上様がアルバート王子の監視から抜け出す為の囮、それが叶わずとも将来トラス王国の王妃となることで伯爵夫人でもある聖女様に命令を……何と大それたこと』」
しかし皇女として、国の為にやらねばならない。
アレマニア皇女歓迎の夜会――エリーザベトは広げた扇の内側で溜息を吐いた。
ダンカンの言う通り、確かに神聖アレマニア帝国は不寛容派が強い。前教皇亡き後に就任した寛容派の教皇をどうにかしようとしていた矢先、現れた聖女。
聖女が本物であれば、その後ろ盾になっている教皇を始め、寛容派は勢いづいてしまう。
気が逸ったのか、偽物だと聖女に無礼を働いた不寛容派筆頭のアブラーモ大司教が聖地で獄に繋がれてしまった。不寛容派教皇を排除した後に教皇となるべく送り込まれた男が人質として捕まってしまったのだ。
その場に居合わせた聖職者や信者達はこぞって聖女の奇跡を見たと諸国に喧伝する。捕まった大司教は他ならぬ神聖アレマニア帝国人。
神の娘たる聖女に無礼を働いたとして、不寛容派勢力ひいては代々不寛容派の教皇に戴冠されてきた皇帝は人々の批判に晒された。
更には皇帝選挙を数年後に控えた神聖アレマニア帝国は揺れている。
不寛容派皇帝の息子であるアーダム皇子は次の皇位に相応しくない、と活動する貴族もいる。
――国の分裂、崩壊の危機でございますぞ。
厳めしい表情でダンカンはそう告げた。
「エリーザベト殿下、トラス王国の食事はお口に合いますか?」
「ええ、お気遣いありがとうございますアルバート殿下。とても美味しゅうございますわ」
「アルバート殿、宜しければ妹をダンスに誘って頂けませんか。アレマニアの皇宮は窮屈で人の目がある。皇女が誰かと踊っただけであれこれと言われるのです。だが、他国の宮殿であれば、余人の目を気にせず純粋に楽しめると思うのですが?」
「あら、アーダム皇子殿下。他国だからこそ気を付けないとなりませんわ。エリーザベト殿下はエスパーニャ王国のレアンドロ第一王子殿下と想いを交わしていらっしゃると聞いておりますもの。
アルバート殿下と皇女殿下の間に妙な噂が立てば、エスパーニャ王国との外交問題にもなりかねないのではございませんこと?」
エリーザベトをダンスに誘わせようとするアーダム皇子に、それまで黙っていた貴婦人――ガリア王国からの客人であるというメテオーラ・ピロス公爵令嬢が笑顔を崩さぬまま口を挟む。侍女ヘルミーネが言うには、メテオーラは聖女の友人であるとのこと。
アーダム皇子はメテオーラの言葉に肩を竦めた。
「大袈裟では? エスパーニャ王国のレアンドロ殿下はあくまでも妹の婚約者候補の一人に過ぎません。この程度のことで目くじらを立てるような男ではないと思いますが? ガリア王国の方であるメテオーラ・ピロス公爵令嬢が気になさることでもありますまい」
「差し出口でしたかしら? 私は一般論を申し上げただけですわ。エリーザベト殿下はお美しい方ですもの、人々の注目を集める故に様々な噂をされやすいかと存じます」
こちらに顔を向けて微笑むメテオーラ。エリーザベトは内心、彼女の方がすらりとしているし洗練されたドレスも相まって美しいと感じていたので困惑を覚える。
「まあ、メテオーラ様。そのような……」
「確かにそうですね。神聖アレマニア帝国の美しい姫と踊りたがっている者もここには大勢いることでしょう」
そう言ってアルバート第一王子はしばらく思案気にした後、傍に控えていた侍従に耳打ちする。侍従は頷き、楽団の方へ向かった。
アルバート王子は立ち上がると、エリーザベトの前に立った。左手を胸に、右手をこちらに差し出してくる。顔を上げると、にこりと微笑まれた。
「メヌエットを頼みました。美しい神聖アレマニア帝国の姫、私と一曲踊って頂けますか?」
「喜んで」
エリーザベトは内心安堵する。次々に相手を変えていくダンスという訳だ。
ダンスが終わった頃には、エリーザベトはすっかりへとへとになっていた。何人と踊ったのかは途中で数えるのを放棄したし、何を話したのかもあまり覚えていない。
侍女のヘルミーネ渡してくれた飲み物を片手に休息をとる。アルバート第一王子を探して視線を巡らせると、ガリアの公爵令嬢メテオーラと共に貴族達とにこやかに挨拶を交わしているのが見えた。
それを見てエリーザベトは先刻のメテオーラの言葉の意味を知る。自分は牽制されていたのだと悟った。
聖女を生み出したトラス王国と寛容派の聖地を擁するガリア王国。
アーダム皇子のいうことを訊くならば、メテオーラをアルバート王子から引き剝がさねばならない。
それが出来ずともアルバート王子の傍に自分も張り付いておくべきだろう。
エリーザベトが重い腰を上げかけたその時、貴族達が騒めいた。
57
お気に入りに追加
4,794
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。