390 / 690
うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
猛牛の料理人。
しおりを挟む
「牛ノ庄、猛牛のウルリアン・ナグリ。お迎えに上がりました」
次の日の朝、迎えに来たのは牛ノ庄出身だという隠密騎士ウルリアン・ナグリ。
しかし夕べは夜遅くまで酒宴だったのだ。
獅子ノ庄の男達は悉く二日酔いに倒れていた。
父やハンス卿、アルトガルやエヴァン修道士は程々に呑んでいたようで平気そうである。私とグレイも然り。
ただ、カールはしこたま飲まされたようである。
ウルリアンには申し訳ないが、事情を話して皆が動けるようになるまで待ってもらう事に。
「何と、山猫娘が鶏蛇竜と!? そう言う事ならば仕方があるまい。おめでとう、二人共」
「ありがとうございますー。うぅ……流石にここまでお酒を呑んだのは初めてかなー」
「私の分まで呑まなくても良かったのに。ウルリアン、ありがとう。貴方も疲れているでしょうからゆっくりして行って頂戴」
「ああ、そうさせて貰おう」
時間が出来た私はグレイ、父サイモン、ハンス卿に職人達を巻き込んで、蒸気機関車と鉄道レール、反射炉の図面を描く事にした。
精神感応で元の図面を共有し、手分けして描いていくのである。流石人海戦術、午前中いっぱいで何とか仕上がった。
今後は獅子ノ庄でミニ蒸気機関車の開発が行われ、ダージリン領で猿ノ庄の鍛冶師や技術者の協力の下、大型反射炉が作られる事になるだろう。
獅子ノ庄を出立したのは昼過ぎだった。
次の牛ノ庄へは少し遠まわりに川沿いに下って迂回する形になる。
ちなみに城へ戻る父と途中までは一緒だ。
父達一行と別れる二つの川の合流地点での休憩時間。
私はヴァッガー家の動向を探るべく、精神統一をして透視能力を使った。
***
しまった。ヴァッガー家の当主の名が分からない。能力を切るのも面倒なので、一先ず城に何らかのコンタクトがあるのかどうかを探ってみる事に。
すると、
『……聖女様がいらっしゃらない!? では、せめてキャンディ伯爵閣下にはお目通り叶いましょうか』
丁度、訪問者の一団の姿を見た。
代表者して執事に問いかけているのはどことなく金太に似ているナイスミドルのおじ様である。更に精神感応を使うと、執事には偽名を名乗っていたが、ヴァッガー家当主――名はアントン――である事が分かった。息子を人質に取られている事に流石に焦って息子と同じように単身乗り込んで来たようだ。
執事が慇懃に礼を取る。
『申し訳ございません。旦那様は後数日程で戻られるはずでございます。聖女マリアージュ様は二週間程かかるかと』
『そんな……』
『旦那様にはヴァッガー家の方がいらしたら丁重にもてなすように仰せつかっております。当家にてどうかゆるりとお過ごし下さいませ』
『あの、坊ちゃまがこちらでお世話になっているとお聞きしましたが……会わせて頂けるのでしょうか?』
『ええ、勿論でございます。ただ、警備には重々気を付けておりますが、豪商ヴァッガー家のご子息でいらっしゃいますので、万が一があっては、と屋敷内でお過ごし頂いております』
執事の言葉の真意を悟ったのだろう、
『……いえ、無事で過ごしておるのならば良いのです。私めは城下に宿を取っておりますし、このような立派なお城は私には身分不相応にございますので、また後日出直そうかと……』
『いえいえ、そんな。既にディックゴルト様が滞在されていらっしゃるのです。ヴァッガー家からの使いの方であれば尚更、万が一があっては私が旦那様に叱られてしまいます』
言って、パンパンと手を叩く執事。
『お客様をご案内して差し上げて下さい』
侍女が待ち構えていたとばかりにわらわらと出て来て、ヴァッガー家当主一行を取り囲む。
隠密騎士達も遠巻きにして逃がさないように見張っていた。
アントン・ヴァッガーは観念したらしく、力無く礼を述べると連行されるように連れて行かれてしまったのだった。
***
「……という光景が見えたんだけど。父、私が戻るまで宜しくね」
「ふふふ、当主が自ら来たとは。任せておくが良い。では、ここでお別れだな。気を付けて行くが良い」
父サイモンと別れた後、私達は東へと流れる川を下り、一路牛ノ庄を目指した。
夜には蛍を楽しみつつ、牛ノ庄には獅子ノ庄から出発して三日目に辿り着く。
牛ノ庄は大きな湖の傍にある素朴な田舎町だった。ウルリアン曰く、文字通り牛を飼って暮らしているという。牛乳でチーズやヨーグルトを、牛肉で干し肉や腸詰を作ったりしているそうだ。その他、湖の水を頼りにした大規模の畑があったり。
そう言えば牛の糞はいい堆肥になる。その有効活用なのだろう。
馬の脚共によれば、馬ノ庄で飼っている牛も元を辿れば牛ノ庄から融通して貰ったものだという。
晩餐では牛肉ステーキ、牛乳で作られたチーズ、ヨーグルトが出た。何故か料理を運んで来たのは侍女ではなくウルリアンである。
牛肉ステーキの焼き加減が絶妙で滅茶苦茶美味しかったので褒めると、牛ノ庄当主ウルリッヒ・ナグリ卿が嬉しそうにステーキの焼き方には一家言あるのです、と言う。
そこへ「お気に召したのなら、」とウルリアンがダージリン伯爵家の料理人に立候補してきた。彼は庭師が肌に合わないそうで、料理好きらしい。
私が齎したレシピに感動していたそうで、出来る事なら料理人になりたいそうだ。
「実はこのステーキもウルリアンが焼いたのです」とウルリッヒ卿も推薦したので、その場で採用が決定。
新たな牛肉料理があるかと訊かれたので、しばし思案する。
そう言えばこの世界には薄切り肉がない。牛肉の薄切り肉があればすき焼きが出来る。
薄切り肉は、肉を凍らせてスライサーで削り取るやり方で出来る。
考え始めるとどうしてもすき焼きが食べたくなったので、レシピと共に伝えると、冬に作らせてみましょうと言ってくれた。寒く晴れた冬の日を選んで凍らせた薄切り牛肉を王都の屋敷にも早馬で送ってくれるそうだ。
ふと思いついて、牛タンは食べないのかと訊くと、何故か言葉を濁された。グレイがそれは貧しい人が食べる安い肉だよと教えてくれる。
シチューとかにすると美味しいのに、と言うと次の日に作って貰えた。我儘を聞いてくれて感謝である。
次の日の朝、迎えに来たのは牛ノ庄出身だという隠密騎士ウルリアン・ナグリ。
しかし夕べは夜遅くまで酒宴だったのだ。
獅子ノ庄の男達は悉く二日酔いに倒れていた。
父やハンス卿、アルトガルやエヴァン修道士は程々に呑んでいたようで平気そうである。私とグレイも然り。
ただ、カールはしこたま飲まされたようである。
ウルリアンには申し訳ないが、事情を話して皆が動けるようになるまで待ってもらう事に。
「何と、山猫娘が鶏蛇竜と!? そう言う事ならば仕方があるまい。おめでとう、二人共」
「ありがとうございますー。うぅ……流石にここまでお酒を呑んだのは初めてかなー」
「私の分まで呑まなくても良かったのに。ウルリアン、ありがとう。貴方も疲れているでしょうからゆっくりして行って頂戴」
「ああ、そうさせて貰おう」
時間が出来た私はグレイ、父サイモン、ハンス卿に職人達を巻き込んで、蒸気機関車と鉄道レール、反射炉の図面を描く事にした。
精神感応で元の図面を共有し、手分けして描いていくのである。流石人海戦術、午前中いっぱいで何とか仕上がった。
今後は獅子ノ庄でミニ蒸気機関車の開発が行われ、ダージリン領で猿ノ庄の鍛冶師や技術者の協力の下、大型反射炉が作られる事になるだろう。
獅子ノ庄を出立したのは昼過ぎだった。
次の牛ノ庄へは少し遠まわりに川沿いに下って迂回する形になる。
ちなみに城へ戻る父と途中までは一緒だ。
父達一行と別れる二つの川の合流地点での休憩時間。
私はヴァッガー家の動向を探るべく、精神統一をして透視能力を使った。
***
しまった。ヴァッガー家の当主の名が分からない。能力を切るのも面倒なので、一先ず城に何らかのコンタクトがあるのかどうかを探ってみる事に。
すると、
『……聖女様がいらっしゃらない!? では、せめてキャンディ伯爵閣下にはお目通り叶いましょうか』
丁度、訪問者の一団の姿を見た。
代表者して執事に問いかけているのはどことなく金太に似ているナイスミドルのおじ様である。更に精神感応を使うと、執事には偽名を名乗っていたが、ヴァッガー家当主――名はアントン――である事が分かった。息子を人質に取られている事に流石に焦って息子と同じように単身乗り込んで来たようだ。
執事が慇懃に礼を取る。
『申し訳ございません。旦那様は後数日程で戻られるはずでございます。聖女マリアージュ様は二週間程かかるかと』
『そんな……』
『旦那様にはヴァッガー家の方がいらしたら丁重にもてなすように仰せつかっております。当家にてどうかゆるりとお過ごし下さいませ』
『あの、坊ちゃまがこちらでお世話になっているとお聞きしましたが……会わせて頂けるのでしょうか?』
『ええ、勿論でございます。ただ、警備には重々気を付けておりますが、豪商ヴァッガー家のご子息でいらっしゃいますので、万が一があっては、と屋敷内でお過ごし頂いております』
執事の言葉の真意を悟ったのだろう、
『……いえ、無事で過ごしておるのならば良いのです。私めは城下に宿を取っておりますし、このような立派なお城は私には身分不相応にございますので、また後日出直そうかと……』
『いえいえ、そんな。既にディックゴルト様が滞在されていらっしゃるのです。ヴァッガー家からの使いの方であれば尚更、万が一があっては私が旦那様に叱られてしまいます』
言って、パンパンと手を叩く執事。
『お客様をご案内して差し上げて下さい』
侍女が待ち構えていたとばかりにわらわらと出て来て、ヴァッガー家当主一行を取り囲む。
隠密騎士達も遠巻きにして逃がさないように見張っていた。
アントン・ヴァッガーは観念したらしく、力無く礼を述べると連行されるように連れて行かれてしまったのだった。
***
「……という光景が見えたんだけど。父、私が戻るまで宜しくね」
「ふふふ、当主が自ら来たとは。任せておくが良い。では、ここでお別れだな。気を付けて行くが良い」
父サイモンと別れた後、私達は東へと流れる川を下り、一路牛ノ庄を目指した。
夜には蛍を楽しみつつ、牛ノ庄には獅子ノ庄から出発して三日目に辿り着く。
牛ノ庄は大きな湖の傍にある素朴な田舎町だった。ウルリアン曰く、文字通り牛を飼って暮らしているという。牛乳でチーズやヨーグルトを、牛肉で干し肉や腸詰を作ったりしているそうだ。その他、湖の水を頼りにした大規模の畑があったり。
そう言えば牛の糞はいい堆肥になる。その有効活用なのだろう。
馬の脚共によれば、馬ノ庄で飼っている牛も元を辿れば牛ノ庄から融通して貰ったものだという。
晩餐では牛肉ステーキ、牛乳で作られたチーズ、ヨーグルトが出た。何故か料理を運んで来たのは侍女ではなくウルリアンである。
牛肉ステーキの焼き加減が絶妙で滅茶苦茶美味しかったので褒めると、牛ノ庄当主ウルリッヒ・ナグリ卿が嬉しそうにステーキの焼き方には一家言あるのです、と言う。
そこへ「お気に召したのなら、」とウルリアンがダージリン伯爵家の料理人に立候補してきた。彼は庭師が肌に合わないそうで、料理好きらしい。
私が齎したレシピに感動していたそうで、出来る事なら料理人になりたいそうだ。
「実はこのステーキもウルリアンが焼いたのです」とウルリッヒ卿も推薦したので、その場で採用が決定。
新たな牛肉料理があるかと訊かれたので、しばし思案する。
そう言えばこの世界には薄切り肉がない。牛肉の薄切り肉があればすき焼きが出来る。
薄切り肉は、肉を凍らせてスライサーで削り取るやり方で出来る。
考え始めるとどうしてもすき焼きが食べたくなったので、レシピと共に伝えると、冬に作らせてみましょうと言ってくれた。寒く晴れた冬の日を選んで凍らせた薄切り牛肉を王都の屋敷にも早馬で送ってくれるそうだ。
ふと思いついて、牛タンは食べないのかと訊くと、何故か言葉を濁された。グレイがそれは貧しい人が食べる安い肉だよと教えてくれる。
シチューとかにすると美味しいのに、と言うと次の日に作って貰えた。我儘を聞いてくれて感謝である。
89
お気に入りに追加
5,689
あなたにおすすめの小説
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。