366 / 754
うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
過ぎたればなお及ばざるがごとし。
しおりを挟む
「マリアージュ様、グレイ猊下、そして皆様方。お初にお目にかかります。私は蛇ノ庄当主イーヴォ・リザヒルと申します。遠路はるばるようこそリザヒル庄へおいで下さいました」
蛇ノ庄の当主と名乗った優しそうな顔立ちの男は、そう言って丁寧に頭を下げた。
『蛇』ということで、色々と陰気だとか目付きが悪いとかそういう想像を膨らませていたのだが……物腰の柔らかさに予想を裏切られた。
まあ、カールだって笑顔の絶えない陽気な兄ちゃんだしなぁ。
そんな事を思いながら私は淑女の礼を取った。
「イーヴォ・リザヒル卿、ご丁寧なお出迎え、ありがとう存じますわ」
「私もカールにはいつも助けられております」
カールはグレイ付きの護衛をしてくれているので、グレイも丁寧に礼を述べている。
そこから続けてアルトガルやエヴァン修道士達が名乗って行き、最後にカールが「イーヴォ様ー、お久しぶりですー」と右手を軽く挙げた。
へらりと笑って挨拶を交わすカールにイーヴォも笑い返すが、その表情にはどことなく寂しさがあるように思えた。
「……カール、息災でやっていたか?」
「お陰様でー。蛇ノ庄の後継者は見つかったんですかー?」
「いいや、出来る事ならお前がなってくれればいいのだが」
「うーん、手紙にも書きましたよねー、僕はグレイ様専属だしダージリン領で働くから無理ですってー」
軽い口調だが、突き放す内容。そんな会話に私は首を傾げる。
カールは蛇ノ庄跡取り息子なのだろうか。
「どういうこと?」
「一応、この人僕の父親なんですー。まあ昔、色々とありましてー。蛇ノ庄の問題ですからマリー様達はお気になさらず―」
カールの言葉に含まれる明らかな拒絶。
父と呼ばないあたりからして、あんまり触れて欲しい事じゃ無さそうだ。父サイモンと合流したらそれとなく訊いてみようかな。
「分かった。でもカールにはいつも世話になっているから、私に何かできる事があれば言うのよ」
「僕もいつでも話を聞くから」
「……ありがとうございますー」
食事と休憩を挟んだ後で案内された蛇ノ庄は、森林地帯の中に薬草畑の風景が広がる長閑な場所だった。
薬草の加工場らしき建物では、薬草が束ねられて吊るされていたり、ざるに広げられていたり。加工場もちらりと見せて貰ったが、薬研や擂鉢等の調合の道具が置いてあったりして興味深い。
薬の生産に特化しているようで、鳥ノ庄と龍ノ庄に挟まれている場所にしては発展していない印象を受ける。
そこまで考えて、もしかして、と閃いた。
そう言えば、東洋の漢方の世界も秘密の独自のレシピがあったりしたっけ。現代でも耳にする、○○丸や□□散と名の付くものもその類だったはず。
現代でこそ成分分析で中身がある程度バレるけど、この世界ではそうじゃないから……
「……薬の製法の秘密を守る為に故意に人流を制限している?」
「ご明察ですー。蛇ノ庄は限られた者、特別な許しを持つ者しか入れませんからねー」
鳥ノ庄や龍ノ庄に出来上がった薬を運ぶのも、蛇ノ庄の者に限るという徹底ぶりだという。
ふむ……良い事を聞いた。
蛇ノ庄の領主館はこじんまりとした、しかし堅固な要塞のような建物。うっそうとした木々に隠されるようにして建っていた。
「蛇だから半分地下なんですよー」
「珍しいわ、でも過ごしやすそうな場所ね」
半地下の建物は前世でも見直されていたっけ。湿気という問題はあるが、日本程多湿ではないので問題は無いだろう。
招かれた夕食の席では、蛇ノ庄当主イーヴォ・リザヒルの隣に目付きの鋭い男が居るのに気付いた。
イーヴォも使用人達も、その男にはえらく気を使っている。その男もまた、それを当たり前のこととして受け入れている様子である。
「……私の兄、スヴェン・リザヒルです。何かと助けて貰っております」
イーヴォの説明に、スヴェンという男が黙礼する。成程と納得するも、違和感が拭えない。
兄弟と言う割にはあんまり似ていないな。
「弟の貴方が当主なのは何か理由が?」
「数年前、兄は跡取り息子を無くしてしまいまして……ところで、蛇ノ庄はいかがでしたか?」
「薬作りの道具など初めて見ましたわ。薬草の花も可愛らしくて、長閑でいい場所ですわね」
そんな会話をしていると、「少し宜しいですかな」とスヴェンに声をかけられた。
「何でしょう?」
「生の裏には死があり、平和の裏には戦があるものです。薬も毒とは表裏一体にて、人を活かしも殺しもしまする。聖女であらせられるマリアージュ様は、キャンディ伯爵家にとって――果たしてどちらでいらっしゃるのでしょうな?」
――お前は主家の姫とはいえ、悪魔にもなり得る存在だ。キャンディ伯爵家に害になる存在なのか、それとも。
そのように問いたいのだろう。
私の心を見透かさんばかりに眼光鋭くこちらひた、と見つめて来るスヴェン。
「貴様!」
「無礼な!」
前脚と後ろ脚が、椅子を蹴って立ち上がった。いきり立つ二人を、冷ややかに一瞥するスヴェン。
「ほう、聖騎士と煽てられて調子に乗っておるのかな、馬のひよっこ共が」
「……前蛇ノ庄の当主殿、マリー様に対して言葉が過ぎましょう」
珍しくサリーナも口を挟んだ。
怒りを帯びた彼女の低い声。ナーテが小声で窘めるも、サリーナは引こうとしない。
剣吞な空気が漂い始める。
これはいかん――私は慌てて口を開いた、
「お前達、控えなさい。スヴェン卿、私がどちらとかは私に訊かれても分かりませんわ。それは私ではなく世の人々が判断することですもの。
でも、薬と毒は表裏一体というのはその通りですわね。薬は用法用量を守らなければ。何事も程々にする方が良い結果につながるもの。何事も、『過剰にはなんの値打ちもない』と申しますしね」
私がキャンディ伯爵家にとってどうなのかと訊かれても父サイモンにでも訊けとしか。
それに、薬も人も良いパフォーマンスの成果を得ようと思えば、偏らずに『いい塩梅』を見極めることだと思う。
筋トレだってむやみやたらにすればいいというものでもない。私もまた、無理してまで聖女はやらないし。
よく分からないまま私なりに答えると、しんと静まり返った部屋の中。
「フッ……ククッ……」
ややあって、忍び笑いが響き出す。それは次第に大きくなり――
「あーっはっはっはっはっは! マリー様、最高ですー! この人、過去にやりすぎて失敗したんですよー!」
お腹を抱えて大笑いしていたのはカールだった。
それにつられたのか、馬の脚共やサリーナもクスクスと笑い始める。
訳が分からずグレイと顔を見合わせて首を傾げていると、「マリー様はそのままで」と指で目尻を拭うサリーナ。
「……そのことは私も肝に銘じておる」
スヴェンは苦虫をかみ潰したような表情でそう言った。
蛇ノ庄の当主と名乗った優しそうな顔立ちの男は、そう言って丁寧に頭を下げた。
『蛇』ということで、色々と陰気だとか目付きが悪いとかそういう想像を膨らませていたのだが……物腰の柔らかさに予想を裏切られた。
まあ、カールだって笑顔の絶えない陽気な兄ちゃんだしなぁ。
そんな事を思いながら私は淑女の礼を取った。
「イーヴォ・リザヒル卿、ご丁寧なお出迎え、ありがとう存じますわ」
「私もカールにはいつも助けられております」
カールはグレイ付きの護衛をしてくれているので、グレイも丁寧に礼を述べている。
そこから続けてアルトガルやエヴァン修道士達が名乗って行き、最後にカールが「イーヴォ様ー、お久しぶりですー」と右手を軽く挙げた。
へらりと笑って挨拶を交わすカールにイーヴォも笑い返すが、その表情にはどことなく寂しさがあるように思えた。
「……カール、息災でやっていたか?」
「お陰様でー。蛇ノ庄の後継者は見つかったんですかー?」
「いいや、出来る事ならお前がなってくれればいいのだが」
「うーん、手紙にも書きましたよねー、僕はグレイ様専属だしダージリン領で働くから無理ですってー」
軽い口調だが、突き放す内容。そんな会話に私は首を傾げる。
カールは蛇ノ庄跡取り息子なのだろうか。
「どういうこと?」
「一応、この人僕の父親なんですー。まあ昔、色々とありましてー。蛇ノ庄の問題ですからマリー様達はお気になさらず―」
カールの言葉に含まれる明らかな拒絶。
父と呼ばないあたりからして、あんまり触れて欲しい事じゃ無さそうだ。父サイモンと合流したらそれとなく訊いてみようかな。
「分かった。でもカールにはいつも世話になっているから、私に何かできる事があれば言うのよ」
「僕もいつでも話を聞くから」
「……ありがとうございますー」
食事と休憩を挟んだ後で案内された蛇ノ庄は、森林地帯の中に薬草畑の風景が広がる長閑な場所だった。
薬草の加工場らしき建物では、薬草が束ねられて吊るされていたり、ざるに広げられていたり。加工場もちらりと見せて貰ったが、薬研や擂鉢等の調合の道具が置いてあったりして興味深い。
薬の生産に特化しているようで、鳥ノ庄と龍ノ庄に挟まれている場所にしては発展していない印象を受ける。
そこまで考えて、もしかして、と閃いた。
そう言えば、東洋の漢方の世界も秘密の独自のレシピがあったりしたっけ。現代でも耳にする、○○丸や□□散と名の付くものもその類だったはず。
現代でこそ成分分析で中身がある程度バレるけど、この世界ではそうじゃないから……
「……薬の製法の秘密を守る為に故意に人流を制限している?」
「ご明察ですー。蛇ノ庄は限られた者、特別な許しを持つ者しか入れませんからねー」
鳥ノ庄や龍ノ庄に出来上がった薬を運ぶのも、蛇ノ庄の者に限るという徹底ぶりだという。
ふむ……良い事を聞いた。
蛇ノ庄の領主館はこじんまりとした、しかし堅固な要塞のような建物。うっそうとした木々に隠されるようにして建っていた。
「蛇だから半分地下なんですよー」
「珍しいわ、でも過ごしやすそうな場所ね」
半地下の建物は前世でも見直されていたっけ。湿気という問題はあるが、日本程多湿ではないので問題は無いだろう。
招かれた夕食の席では、蛇ノ庄当主イーヴォ・リザヒルの隣に目付きの鋭い男が居るのに気付いた。
イーヴォも使用人達も、その男にはえらく気を使っている。その男もまた、それを当たり前のこととして受け入れている様子である。
「……私の兄、スヴェン・リザヒルです。何かと助けて貰っております」
イーヴォの説明に、スヴェンという男が黙礼する。成程と納得するも、違和感が拭えない。
兄弟と言う割にはあんまり似ていないな。
「弟の貴方が当主なのは何か理由が?」
「数年前、兄は跡取り息子を無くしてしまいまして……ところで、蛇ノ庄はいかがでしたか?」
「薬作りの道具など初めて見ましたわ。薬草の花も可愛らしくて、長閑でいい場所ですわね」
そんな会話をしていると、「少し宜しいですかな」とスヴェンに声をかけられた。
「何でしょう?」
「生の裏には死があり、平和の裏には戦があるものです。薬も毒とは表裏一体にて、人を活かしも殺しもしまする。聖女であらせられるマリアージュ様は、キャンディ伯爵家にとって――果たしてどちらでいらっしゃるのでしょうな?」
――お前は主家の姫とはいえ、悪魔にもなり得る存在だ。キャンディ伯爵家に害になる存在なのか、それとも。
そのように問いたいのだろう。
私の心を見透かさんばかりに眼光鋭くこちらひた、と見つめて来るスヴェン。
「貴様!」
「無礼な!」
前脚と後ろ脚が、椅子を蹴って立ち上がった。いきり立つ二人を、冷ややかに一瞥するスヴェン。
「ほう、聖騎士と煽てられて調子に乗っておるのかな、馬のひよっこ共が」
「……前蛇ノ庄の当主殿、マリー様に対して言葉が過ぎましょう」
珍しくサリーナも口を挟んだ。
怒りを帯びた彼女の低い声。ナーテが小声で窘めるも、サリーナは引こうとしない。
剣吞な空気が漂い始める。
これはいかん――私は慌てて口を開いた、
「お前達、控えなさい。スヴェン卿、私がどちらとかは私に訊かれても分かりませんわ。それは私ではなく世の人々が判断することですもの。
でも、薬と毒は表裏一体というのはその通りですわね。薬は用法用量を守らなければ。何事も程々にする方が良い結果につながるもの。何事も、『過剰にはなんの値打ちもない』と申しますしね」
私がキャンディ伯爵家にとってどうなのかと訊かれても父サイモンにでも訊けとしか。
それに、薬も人も良いパフォーマンスの成果を得ようと思えば、偏らずに『いい塩梅』を見極めることだと思う。
筋トレだってむやみやたらにすればいいというものでもない。私もまた、無理してまで聖女はやらないし。
よく分からないまま私なりに答えると、しんと静まり返った部屋の中。
「フッ……ククッ……」
ややあって、忍び笑いが響き出す。それは次第に大きくなり――
「あーっはっはっはっはっは! マリー様、最高ですー! この人、過去にやりすぎて失敗したんですよー!」
お腹を抱えて大笑いしていたのはカールだった。
それにつられたのか、馬の脚共やサリーナもクスクスと笑い始める。
訳が分からずグレイと顔を見合わせて首を傾げていると、「マリー様はそのままで」と指で目尻を拭うサリーナ。
「……そのことは私も肝に銘じておる」
スヴェンは苦虫をかみ潰したような表情でそう言った。
362
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
プロローグでケリをつけた乙女ゲームに、悪役令嬢は必要ない(と思いたい)
犬野きらり
恋愛
私、ミルフィーナ・ダルンは侯爵令嬢で二年前にこの世界が乙女ゲームと気づき本当にヒロインがいるか確認して、私は覚悟を決めた。
『ヒロインをゲーム本編に出さない。プロローグでケリをつける』
ヒロインは、お父様の再婚相手の連れ子な義妹、特に何もされていないが、今後が大変そうだからひとまず、ごめんなさい。プロローグは肩慣らし程度の攻略対象者の義兄。わかっていれば対応はできます。
まず乙女ゲームって一人の女の子が何人も男性を攻略出来ること自体、あり得ないのよ。ヒロインは天然だから気づかない、嘘、嘘。わかってて敢えてやってるからね、男落とし、それで成り上がってますから。
みんなに現実見せて、納得してもらう。揚げ足、ご都合に変換発言なんて上等!ヒロインと一緒の生活は、少しの発言でも悪役令嬢発言多々ありらしく、私も危ない。ごめんね、ヒロインさん、そんな理由で強制退去です。
でもこのゲーム退屈で途中でやめたから、その続き知りません。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。