362 / 754
うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
名前の由来。
しおりを挟む
私達が今現在一体何をしているのかと言えば、残りの隠密騎士の里巡りである。
隠密騎士の里は動物の名を冠した十一の庄があり、今現在私達が居るのは鳥ノ庄――シャトゥートゥン庄。
鳥ノ庄は山岳地帯の中央部分に位置しており、ここに先に来る事はどちらかと言えば効率が悪い。
しかしわざわざそうした理由は、金鉱山とダイヤモンド鉱山、そして温泉の場所を細かく特定する為である。
発掘開始は急務であり、鳥ノ庄行きには父サイモンも同行していた。
寝そべっている間に精神統一。マイティ―の鷲の目を借り、私は眼下に広がる山々を透視していた。
それが終わるとサリーナが筆記具と大まかな山の地図を差し出して来たので、ざっとその上から鉱脈の分布を描いていく。
その地図は父と鳥ノ庄の隠密騎士の下へ。デキる侍女サリーナが「お疲れ様でした」と紅茶を差し出してくれた。
それを受け取り、一口飲んでほうと息を吐く。超能力を使い過ぎると精神疲労を伴う。リラックス効果のある紅茶は実にありがたい。
「綺麗ね……」
座っている近くに、岩の隙間を縫うようにして根を張り咲いている花。そのピンクの花が風に揺られていた。サリーナがすかさず「それは岩薔薇という花です」と教えてくれる。
「薔薇と言えば、ルフナー子爵家に初めて行ったのは去年の今頃だったっけ……」
そう独り言ちると、それを聞いていたグレイがそうだね、としみじみと言った。
「去年の事なのに、随分昔の事のような気がしているよ。あの頃は一年後には名誉枢機卿になって、ダージリン伯爵になって、果ては神聖アレマニア帝国の皇帝候補にされようとしているなんて――僕は思いもよらなかった」
人生波乱万丈過ぎる……。
遠い目で川の水面を見つめるグレイ。
「何かごめんね……」
私は素直に謝った。
グレイの今の境遇は、半分私が聖女になった所為で巻き込まれているようなものだからなぁ。
そう言うと、グレイは苦笑いを浮かべて首を横に振った。
「一概にマリーの所為じゃないし、仕方が無いよ。ああでもせめて、老後はのんびり暮らしたいよね」
「そうね……」
それには全く同感だ。
私の制御下から解き放たれたマイティ―が、川の水面に突っ込んで行き、魚を掴んで再び上昇していく。
父サイモンが遠くから休憩の終わりを告げたので、私達はゆっくりと腰を上げた。
***
「ふむ……採掘を始めるとしたら、こことここか」
金鉱山に引き続き、ダイヤモンド鉱山の透視を終えた私。そこから近い集落で、父が真剣な顔で鳥ノ庄の当主ジェロック・シャトゥートゥンと共に地図と睨めっこをしている。
「牛肉じゃなくて、豚肉なんだね」
「シンプルで美味しいわ」
私とグレイは鳥ノ庄の郷土料理であるという『ポテ』に舌鼓を打っていた。鍋料理と言えば牛肉を使うのが一般的なのだが、こちらでは豚肉が使われている。
豚肉とキャベツ、他野菜色々と煮込んだ鍋料理。薄い塩味と豚肉の脂、野菜の出汁が調和して素朴な味わいがする。
『アリゴ』もあった。馬ノ庄で食べたのとまた違った味わいがして面白い。
鳥ノ庄シャトゥートゥンは山の麓の盆地にある都市であり、馬ノ庄より段違いに発展している。ここに来た時、まずその事に驚いた。
そう言うと、父サイモンに随行してきた侍女エロイーズが「鳥ノ庄は銀山採掘で生計を立てておりますし、その分潤う為豊かで一番発展しているのですわ。隠密騎士の里の中心的な街なんですの」と言う。彼女は鳥ノ庄出身だそうだ。
鳥ノ庄では近くの庄で生産された品物もここに運ばれて取引されるとか。近くの蛇ノ庄では薬を生産しているので、薬問屋も多いという。
「そう言えば、『シャトゥートゥン』ってトラス王国寄りの名前なのね」
エロイーズという名も。
ふと疑問に思って訊くと、はいと頷かれた。
「シャトゥートゥン家に限っては、血筋を遡ると山の民出身ではございませんの。初代キャンディ伯爵からの臣下なのですわ」
「もっとも、今では隠密騎士家全員親戚ですけれどねー」
僕の母親も鳥ノ庄の人でしたしー、と中脚。私は中脚と呼んでいるが、本来の彼の隠密騎士としての名は『鶏蛇竜』というそうだ。
「カールが鳥と蛇の間に生まれたからって事だったんだね」
グレイが感心したように言い、中脚が「そう言う事ですー」と笑う。
キャンディ伯爵家が山の民に騎士爵と銀山の恵みを与え、信頼厚いシャトゥートゥン家を中心に纏めさせたのが隠密騎士の始まりだそうだ。隠密騎士筆頭を務める事が多いのも鳥ノ庄の者だという。
サリーナの名もトラス王国風だ。訊くと、「私の母ジュリーヌは獅子ノ庄シンブリ家に嫁ぎましたが、元はコジー男爵家ですから」と言う。成程。
何となしに鳥ノ庄の街を透視して確かめると、エロイーズの言う通り鉱山夫の姿が多かった。
他は銀や薬の仕入れに来る商人や運搬業者等。
――というか、男の比率多くないか?
そう言うと、「鳥ノ庄では女の子よりも男の子が喜ばれる傾向にあるのですわ」と少し寂しそうなエロイーズ。もしかすると彼女も女の子と言う事で色々あったのかも知れない。
鉱山夫としての労働力を期待して、孤児の男の赤ん坊や幼い子供を引き取って来て育てる事もあるようだ。
逆に女の子は領都アルジャヴリヨンに女中や店子、お針子などの仕事の口を求めて出稼ぎに行くのだと。しかも、アルジャヴリヨンではまだマシだが、普通女の仕事は娼婦でもない限り低賃金である事が多いそうだ。
男ばかりを喜ぶとは何と罰当たりな事か。女不足になるぞ。
そう思って訊けば、実際に女不足になっているらしい。
外部から秘密を探りに女を送り込んで来られたらどうするつもりなのだ。
「これからは女の子も喜ばれるようになるわ、きっと!」
私は力強く断言する。何と言っても私が温泉リゾートを開発するからな!
母ティヴィーナの部屋でもよく見かけるエロイーズは、名前の通り色気がありエロい感じの美女。
彼女のような人材はリゾートの仕事においてひっぱりだこになるだろう。管理職でも務まりそうだ。
女でもまともな賃金を貰えるようにする――特にサービス業においては柔らかい物腰の女の従業員の方が重宝されるのはもはや常識!
隠密騎士の里は動物の名を冠した十一の庄があり、今現在私達が居るのは鳥ノ庄――シャトゥートゥン庄。
鳥ノ庄は山岳地帯の中央部分に位置しており、ここに先に来る事はどちらかと言えば効率が悪い。
しかしわざわざそうした理由は、金鉱山とダイヤモンド鉱山、そして温泉の場所を細かく特定する為である。
発掘開始は急務であり、鳥ノ庄行きには父サイモンも同行していた。
寝そべっている間に精神統一。マイティ―の鷲の目を借り、私は眼下に広がる山々を透視していた。
それが終わるとサリーナが筆記具と大まかな山の地図を差し出して来たので、ざっとその上から鉱脈の分布を描いていく。
その地図は父と鳥ノ庄の隠密騎士の下へ。デキる侍女サリーナが「お疲れ様でした」と紅茶を差し出してくれた。
それを受け取り、一口飲んでほうと息を吐く。超能力を使い過ぎると精神疲労を伴う。リラックス効果のある紅茶は実にありがたい。
「綺麗ね……」
座っている近くに、岩の隙間を縫うようにして根を張り咲いている花。そのピンクの花が風に揺られていた。サリーナがすかさず「それは岩薔薇という花です」と教えてくれる。
「薔薇と言えば、ルフナー子爵家に初めて行ったのは去年の今頃だったっけ……」
そう独り言ちると、それを聞いていたグレイがそうだね、としみじみと言った。
「去年の事なのに、随分昔の事のような気がしているよ。あの頃は一年後には名誉枢機卿になって、ダージリン伯爵になって、果ては神聖アレマニア帝国の皇帝候補にされようとしているなんて――僕は思いもよらなかった」
人生波乱万丈過ぎる……。
遠い目で川の水面を見つめるグレイ。
「何かごめんね……」
私は素直に謝った。
グレイの今の境遇は、半分私が聖女になった所為で巻き込まれているようなものだからなぁ。
そう言うと、グレイは苦笑いを浮かべて首を横に振った。
「一概にマリーの所為じゃないし、仕方が無いよ。ああでもせめて、老後はのんびり暮らしたいよね」
「そうね……」
それには全く同感だ。
私の制御下から解き放たれたマイティ―が、川の水面に突っ込んで行き、魚を掴んで再び上昇していく。
父サイモンが遠くから休憩の終わりを告げたので、私達はゆっくりと腰を上げた。
***
「ふむ……採掘を始めるとしたら、こことここか」
金鉱山に引き続き、ダイヤモンド鉱山の透視を終えた私。そこから近い集落で、父が真剣な顔で鳥ノ庄の当主ジェロック・シャトゥートゥンと共に地図と睨めっこをしている。
「牛肉じゃなくて、豚肉なんだね」
「シンプルで美味しいわ」
私とグレイは鳥ノ庄の郷土料理であるという『ポテ』に舌鼓を打っていた。鍋料理と言えば牛肉を使うのが一般的なのだが、こちらでは豚肉が使われている。
豚肉とキャベツ、他野菜色々と煮込んだ鍋料理。薄い塩味と豚肉の脂、野菜の出汁が調和して素朴な味わいがする。
『アリゴ』もあった。馬ノ庄で食べたのとまた違った味わいがして面白い。
鳥ノ庄シャトゥートゥンは山の麓の盆地にある都市であり、馬ノ庄より段違いに発展している。ここに来た時、まずその事に驚いた。
そう言うと、父サイモンに随行してきた侍女エロイーズが「鳥ノ庄は銀山採掘で生計を立てておりますし、その分潤う為豊かで一番発展しているのですわ。隠密騎士の里の中心的な街なんですの」と言う。彼女は鳥ノ庄出身だそうだ。
鳥ノ庄では近くの庄で生産された品物もここに運ばれて取引されるとか。近くの蛇ノ庄では薬を生産しているので、薬問屋も多いという。
「そう言えば、『シャトゥートゥン』ってトラス王国寄りの名前なのね」
エロイーズという名も。
ふと疑問に思って訊くと、はいと頷かれた。
「シャトゥートゥン家に限っては、血筋を遡ると山の民出身ではございませんの。初代キャンディ伯爵からの臣下なのですわ」
「もっとも、今では隠密騎士家全員親戚ですけれどねー」
僕の母親も鳥ノ庄の人でしたしー、と中脚。私は中脚と呼んでいるが、本来の彼の隠密騎士としての名は『鶏蛇竜』というそうだ。
「カールが鳥と蛇の間に生まれたからって事だったんだね」
グレイが感心したように言い、中脚が「そう言う事ですー」と笑う。
キャンディ伯爵家が山の民に騎士爵と銀山の恵みを与え、信頼厚いシャトゥートゥン家を中心に纏めさせたのが隠密騎士の始まりだそうだ。隠密騎士筆頭を務める事が多いのも鳥ノ庄の者だという。
サリーナの名もトラス王国風だ。訊くと、「私の母ジュリーヌは獅子ノ庄シンブリ家に嫁ぎましたが、元はコジー男爵家ですから」と言う。成程。
何となしに鳥ノ庄の街を透視して確かめると、エロイーズの言う通り鉱山夫の姿が多かった。
他は銀や薬の仕入れに来る商人や運搬業者等。
――というか、男の比率多くないか?
そう言うと、「鳥ノ庄では女の子よりも男の子が喜ばれる傾向にあるのですわ」と少し寂しそうなエロイーズ。もしかすると彼女も女の子と言う事で色々あったのかも知れない。
鉱山夫としての労働力を期待して、孤児の男の赤ん坊や幼い子供を引き取って来て育てる事もあるようだ。
逆に女の子は領都アルジャヴリヨンに女中や店子、お針子などの仕事の口を求めて出稼ぎに行くのだと。しかも、アルジャヴリヨンではまだマシだが、普通女の仕事は娼婦でもない限り低賃金である事が多いそうだ。
男ばかりを喜ぶとは何と罰当たりな事か。女不足になるぞ。
そう思って訊けば、実際に女不足になっているらしい。
外部から秘密を探りに女を送り込んで来られたらどうするつもりなのだ。
「これからは女の子も喜ばれるようになるわ、きっと!」
私は力強く断言する。何と言っても私が温泉リゾートを開発するからな!
母ティヴィーナの部屋でもよく見かけるエロイーズは、名前の通り色気がありエロい感じの美女。
彼女のような人材はリゾートの仕事においてひっぱりだこになるだろう。管理職でも務まりそうだ。
女でもまともな賃金を貰えるようにする――特にサービス業においては柔らかい物腰の女の従業員の方が重宝されるのはもはや常識!
351
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
プロローグでケリをつけた乙女ゲームに、悪役令嬢は必要ない(と思いたい)
犬野きらり
恋愛
私、ミルフィーナ・ダルンは侯爵令嬢で二年前にこの世界が乙女ゲームと気づき本当にヒロインがいるか確認して、私は覚悟を決めた。
『ヒロインをゲーム本編に出さない。プロローグでケリをつける』
ヒロインは、お父様の再婚相手の連れ子な義妹、特に何もされていないが、今後が大変そうだからひとまず、ごめんなさい。プロローグは肩慣らし程度の攻略対象者の義兄。わかっていれば対応はできます。
まず乙女ゲームって一人の女の子が何人も男性を攻略出来ること自体、あり得ないのよ。ヒロインは天然だから気づかない、嘘、嘘。わかってて敢えてやってるからね、男落とし、それで成り上がってますから。
みんなに現実見せて、納得してもらう。揚げ足、ご都合に変換発言なんて上等!ヒロインと一緒の生活は、少しの発言でも悪役令嬢発言多々ありらしく、私も危ない。ごめんね、ヒロインさん、そんな理由で強制退去です。
でもこのゲーム退屈で途中でやめたから、その続き知りません。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。