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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
神サービス。
しおりを挟むゼリスは尋ねる。
「ど、どうしてですか?」
「いろいろ政治的な事情があってね。ほら、グラムスティード家は王家に疎まれているから……。表立って殿下と交流を持つのは、良くないことも多いのよ」
「はぁ……そうなんですね」
「スヴァルコアについては、あなたからの差し入れということで渡してちょうだい。今回はそれで構わないわ」
とラミゼアが言った。
ゼリスが応じる。
「承知いたしました! では、私からの贈り物ということで、お渡しさせていただきます」
「ええ、お願いね」
用が済んだとばかりに、ラミゼアがきびすを返した。
立ち去っていく。
ラミゼアの背中を見送ってから、ゼリスは面会へいく準備を再開するのだった。
ゼリス邸からの帰り道を歩いていくラミゼア。
彼女は内心でほくそ笑む。
(これでスヴァルコアがアレックスの手に渡るでしょうね。ふふふふふ)
ラミゼアが直接、スヴァルコアを、牢獄にいるアレックスに渡しにいくのは不自然だ。
そもそも、直接渡したりなんてしたら、アレックスがスヴァルコアによって暴走したとき、その原因がラミゼアにあると疑われてしまう。
だからラミゼアに代わってスヴァルコアを渡してくれる仲介役を探していたのだ。
(ちょうどよく動いてくれるバカがいてよかったわ)
ゼリスは頭がゆるい。
こちらの言うことは信じるし、よく聞く。
スヴァルコアは、ゼリスによって、アレックスの手に渡るだろう。
ゼリスというバカがいてくれたおかげで、簡単に事が進みそうだ。
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