278 / 690
うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
霊感商法って儲かるよね。
しおりを挟む
「それで、だ。今話した事はけして他言してはならぬ我が家の機密。分別がつく年齢になるまでは明かされぬものであり、イサークやメルローズが知る事になるのは後何年かしてからだな。特にマリー、お前はくれぐれも気を付けるように」
ピンポイントでビシリと私に指先を向ける父サイモン。
何という事だ!
「酷い、父! 私の事信用してないのね!?」
わざと顔を覆ってよよよ、と泣き真似をすると、「そりゃあそうだろう」とカレル兄の声。
「大体お前は人に聞かれたら不味いような内容でもすぐポンポン口にするからな。うっかり口を滑らすのはマリーが一番可能性が高い」
小突いて来るカレル兄の腕を振り払った私はぷくっと頬を膨らませた。
「ちょっと酷くない!? 私だってちゃんと弁えてるわよ!」
「いやいや、カレルの言う通りだ」
トーマス兄が追い打ちをかけてくる。酷い。
「グレイ、グレイなら私の味方よね!?」
縋るように振り向くと、「ごめん、この事に関しては擁護出来そうにない……」と気まずそうにそっと目を逸らされた。
カレル兄がドヤ顔で肩を竦める。
「そら見ろ」
――四面楚歌とはこのことか。畜生め!
***
キャンディ伯爵家の薔薇園に設えられたテーブルの上には美味しそうな紅茶とお菓子。
麗らかな昼下がりにも関わらず、私はむくれながら刺繍をし、その隣に座るグレイは新聞を片手に読んでいた。
「もう、皆酷いったらないわ! グレイの裏切り者!」
そんなにポンポンヤバい事を言ってたのだろうか。いや、言ってたとしても私はニートだし、基本外に出ないし。
特に聞かれたら不味い事なんて、安心できる人にしか言ってないつもりだけど。
前世でITの仕事をしてきた私はコンプライアンス違反などしない!
ぶーたれながら刺繍布にブスブス針を刺していると、グレイが新聞から目を離して苦笑いを浮かべる。
「ごめんって。いい加減機嫌を直してよ、マリー。サイモン様は、マリーがイサーク様やメリー様に一番接する機会が多いから念押ししたんだと思う。それだけの危険な内容だったもの」
「私、これでも前世で秘密が多い仕事してたし、社外秘だってちゃんと守ってたのよ?」
「うん。マリーが秘密を守れないっていう訳じゃないよ? 前世の記憶があるマリーの感覚はちょっと特殊なんだよ。マリーにとって当たり前の何でもない事でも僕達にとってはそうではなかったりする。だからマリーが気を付けているつもりでも危なっかしく見えるんだ」
サイモン様も兄君達もマリーの事を心配してるんだよ、とグレイは瞳を揺らした。
その紳士な眼差しを受けた私の頬に熱が上がる。
「ずるいわ、グレイ。そう言われたら怒るに怒れないじゃない」
「うん。僕はずるい男だよ。機嫌を直して、僕の大事な奥様」
そう言って悪戯っぽく微笑んだグレイは私を引き寄せ唇を重ねた。
暫くしてゆっくりとお互いの身を離す。
頭にすっかり血が上った私は、恥ずかしさを誤魔化すように話題を探した。
「と、ところでさっきから熱心に新聞を読んでいたど、何か面白い記事でもあったのかしら?」
「ああ、うん。隣国の神聖アレマニア帝国の動きがどうもきな臭いんだって。下手したら戦争が起こるかも知れない」
教会の歴史、マリーも勉強した事があると思う。『太陽神の恩赦状』って知ってる?
そう続けたグレイに私は頷いた。
「ええ。前世でも同じような歴史があったわ。ほんの百年ぐらい前の、割と最近の歴史よね。金で罪がチャラになるって触れ込みでただの紙切れを大金で買って貰えるぼろい霊感詐欺商売よね」
そう、『太陽神の恩赦状』とはつまり『免罪符』『贖宥状』と同じようなものなのである。
これを学んだ時は宗教の考える事はどこも似たようなものなのだな、という事。人間の業である。
「ぼろい霊感詐欺商ば……うん、その通りだね。『太陽神の恩赦状』の存在で、金さえ払えば罪にならないという事がまかり通った。心ある神の僕は聖典にはそのような事は記されていない、これは教会の横暴だと眉を顰め、糾弾し――神への信仰の在り方が問われる事になった。
そして当時の教会は批判され、信仰と聖典さえあれば教会や修道士等要らないという聖典派が分離し、人々は聖典派を歓迎するようになった。
教会は求心力が低下して、慌てて内部改革をして自浄に努めようとしたのだけれど、そこでも聖典派を異端とする不寛容派と聖典派の信仰を認め融和を主張する寛容派に分かたれた。前教皇は不寛容派で、今のサングマ教皇猊下は寛容派。このトラス王国も寛容派の勢力が強い。そう、教会って一枚岩じゃない」
そう言ってグレイは新聞をテーブルに伏せ、その上に腕を組んだ。
「あの聖地で出くわした……アブラーモ大司教、覚えてる?」
「覚えてるわ。脂身満載の癖に燃え残りやがった薄汚い豚野郎よね」
「……前教皇とアブラーモ大司教は神聖アレマニア帝国出身なんだ。神聖アレマニア帝国は、皇帝及び半数の選帝侯・諸侯が不寛容派で、その他が寛容派や日和見主義が占めているんだそうだよ。
不寛容派の神聖アレマニア皇帝と寛容派のサングマ教皇猊下はあまり折り合いが良いとは言えないね」
「選帝侯って確か、神聖アレマニア皇帝を選ぶ選挙権を持ってるのよね」
前世のローマを思わせる古代帝国では、選挙が行われていたという。その古代帝国の後裔を名乗る神聖アレマニア帝国もその選挙制度にあやかってそういう制度になっているそうだ。
「不寛容派が優勢だった昔と違って、今は選帝侯は寛容派と不寛容派に分かれてしまっている。皇帝が在位中はせいぜい水面下で争うぐらいでまだ良いけれど、皇太子の指名――つまり次期皇帝選挙が数年後に迫っているらしい」
そこで繰り広げられるのは、旧教皇派と現教皇派の勢力争いでもある。次期皇帝候補はどちらかを選ばなければならないだろう。いずれにせよ、争いは避けられず、激化するのは必至。
「成る程、それで戦争が起こるかも知れないって事なのね」
内乱ってやつ。
「だけどそこを利用して上手くやれば儲けられるわね、グレイ」
戦争をするのも金がいる。
つまり神聖アレマニア帝国諸侯はかなり経済的に裕福だって事だ。
「その通り。だから情報は大事なんだよマリー」
「透視が必要になったら言ってね……うふふ」
特に不寛容派の勢力は『太陽神の恩赦状』とやらでたっぷりため込んだ財産で潤っている事だろう。
一般的な新婚夫婦の会話としては少し色気がないが、私達にとっては心弾む楽しい内容である。
私とグレイは顔を見合わせると、にっこりと微笑み合った。
ピンポイントでビシリと私に指先を向ける父サイモン。
何という事だ!
「酷い、父! 私の事信用してないのね!?」
わざと顔を覆ってよよよ、と泣き真似をすると、「そりゃあそうだろう」とカレル兄の声。
「大体お前は人に聞かれたら不味いような内容でもすぐポンポン口にするからな。うっかり口を滑らすのはマリーが一番可能性が高い」
小突いて来るカレル兄の腕を振り払った私はぷくっと頬を膨らませた。
「ちょっと酷くない!? 私だってちゃんと弁えてるわよ!」
「いやいや、カレルの言う通りだ」
トーマス兄が追い打ちをかけてくる。酷い。
「グレイ、グレイなら私の味方よね!?」
縋るように振り向くと、「ごめん、この事に関しては擁護出来そうにない……」と気まずそうにそっと目を逸らされた。
カレル兄がドヤ顔で肩を竦める。
「そら見ろ」
――四面楚歌とはこのことか。畜生め!
***
キャンディ伯爵家の薔薇園に設えられたテーブルの上には美味しそうな紅茶とお菓子。
麗らかな昼下がりにも関わらず、私はむくれながら刺繍をし、その隣に座るグレイは新聞を片手に読んでいた。
「もう、皆酷いったらないわ! グレイの裏切り者!」
そんなにポンポンヤバい事を言ってたのだろうか。いや、言ってたとしても私はニートだし、基本外に出ないし。
特に聞かれたら不味い事なんて、安心できる人にしか言ってないつもりだけど。
前世でITの仕事をしてきた私はコンプライアンス違反などしない!
ぶーたれながら刺繍布にブスブス針を刺していると、グレイが新聞から目を離して苦笑いを浮かべる。
「ごめんって。いい加減機嫌を直してよ、マリー。サイモン様は、マリーがイサーク様やメリー様に一番接する機会が多いから念押ししたんだと思う。それだけの危険な内容だったもの」
「私、これでも前世で秘密が多い仕事してたし、社外秘だってちゃんと守ってたのよ?」
「うん。マリーが秘密を守れないっていう訳じゃないよ? 前世の記憶があるマリーの感覚はちょっと特殊なんだよ。マリーにとって当たり前の何でもない事でも僕達にとってはそうではなかったりする。だからマリーが気を付けているつもりでも危なっかしく見えるんだ」
サイモン様も兄君達もマリーの事を心配してるんだよ、とグレイは瞳を揺らした。
その紳士な眼差しを受けた私の頬に熱が上がる。
「ずるいわ、グレイ。そう言われたら怒るに怒れないじゃない」
「うん。僕はずるい男だよ。機嫌を直して、僕の大事な奥様」
そう言って悪戯っぽく微笑んだグレイは私を引き寄せ唇を重ねた。
暫くしてゆっくりとお互いの身を離す。
頭にすっかり血が上った私は、恥ずかしさを誤魔化すように話題を探した。
「と、ところでさっきから熱心に新聞を読んでいたど、何か面白い記事でもあったのかしら?」
「ああ、うん。隣国の神聖アレマニア帝国の動きがどうもきな臭いんだって。下手したら戦争が起こるかも知れない」
教会の歴史、マリーも勉強した事があると思う。『太陽神の恩赦状』って知ってる?
そう続けたグレイに私は頷いた。
「ええ。前世でも同じような歴史があったわ。ほんの百年ぐらい前の、割と最近の歴史よね。金で罪がチャラになるって触れ込みでただの紙切れを大金で買って貰えるぼろい霊感詐欺商売よね」
そう、『太陽神の恩赦状』とはつまり『免罪符』『贖宥状』と同じようなものなのである。
これを学んだ時は宗教の考える事はどこも似たようなものなのだな、という事。人間の業である。
「ぼろい霊感詐欺商ば……うん、その通りだね。『太陽神の恩赦状』の存在で、金さえ払えば罪にならないという事がまかり通った。心ある神の僕は聖典にはそのような事は記されていない、これは教会の横暴だと眉を顰め、糾弾し――神への信仰の在り方が問われる事になった。
そして当時の教会は批判され、信仰と聖典さえあれば教会や修道士等要らないという聖典派が分離し、人々は聖典派を歓迎するようになった。
教会は求心力が低下して、慌てて内部改革をして自浄に努めようとしたのだけれど、そこでも聖典派を異端とする不寛容派と聖典派の信仰を認め融和を主張する寛容派に分かたれた。前教皇は不寛容派で、今のサングマ教皇猊下は寛容派。このトラス王国も寛容派の勢力が強い。そう、教会って一枚岩じゃない」
そう言ってグレイは新聞をテーブルに伏せ、その上に腕を組んだ。
「あの聖地で出くわした……アブラーモ大司教、覚えてる?」
「覚えてるわ。脂身満載の癖に燃え残りやがった薄汚い豚野郎よね」
「……前教皇とアブラーモ大司教は神聖アレマニア帝国出身なんだ。神聖アレマニア帝国は、皇帝及び半数の選帝侯・諸侯が不寛容派で、その他が寛容派や日和見主義が占めているんだそうだよ。
不寛容派の神聖アレマニア皇帝と寛容派のサングマ教皇猊下はあまり折り合いが良いとは言えないね」
「選帝侯って確か、神聖アレマニア皇帝を選ぶ選挙権を持ってるのよね」
前世のローマを思わせる古代帝国では、選挙が行われていたという。その古代帝国の後裔を名乗る神聖アレマニア帝国もその選挙制度にあやかってそういう制度になっているそうだ。
「不寛容派が優勢だった昔と違って、今は選帝侯は寛容派と不寛容派に分かれてしまっている。皇帝が在位中はせいぜい水面下で争うぐらいでまだ良いけれど、皇太子の指名――つまり次期皇帝選挙が数年後に迫っているらしい」
そこで繰り広げられるのは、旧教皇派と現教皇派の勢力争いでもある。次期皇帝候補はどちらかを選ばなければならないだろう。いずれにせよ、争いは避けられず、激化するのは必至。
「成る程、それで戦争が起こるかも知れないって事なのね」
内乱ってやつ。
「だけどそこを利用して上手くやれば儲けられるわね、グレイ」
戦争をするのも金がいる。
つまり神聖アレマニア帝国諸侯はかなり経済的に裕福だって事だ。
「その通り。だから情報は大事なんだよマリー」
「透視が必要になったら言ってね……うふふ」
特に不寛容派の勢力は『太陽神の恩赦状』とやらでたっぷりため込んだ財産で潤っている事だろう。
一般的な新婚夫婦の会話としては少し色気がないが、私達にとっては心弾む楽しい内容である。
私とグレイは顔を見合わせると、にっこりと微笑み合った。
182
お気に入りに追加
5,695
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。