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貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
【最終話①】姉妹合同結婚式。
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冬は過ぎ、春になっていた。
小さな薔薇の花が蕾を付け、次々と綻び始めている。
風の中に少しだけ肌寒さの残った麗らかな日差し。
本日はいよいよアナベラ姉と義兄アール、そして私とグレイの結婚式だ。
義兄アールとグレイは既に着替えており、来賓の出迎えをしてくれている。
アナベラ姉と私は祖母ラトゥと母ティヴィーナ、ばあやの監督の下で化粧を終えてウェディングドレスに着替えている真っ最中だった。
「まあまあ、幼少のみぎりよりお育て申し上げた姫様達が……何と美しい花嫁姿なのでしょう! この日を無事に迎えられて、ばあやは嬉しゅうございます!」
ドレスや装飾品等を粗方身に着けてしまうと、ばあやは感極まったのか目頭を押さえた。そこへ孫娘のサリーナがハンカチを取り出してあてがっている。
細かな所と調整していると、そこへ。
「「アナベラ姉様、マリーお姉ちゃま!」」
「しつれいします!」
イサークとメリー、ヴェスカルがヘドヴァンの鳥籠を抱えてやって来た。
「あらあら、まだお着換えは終わっていないわよ」
と母ティヴィーナが窘める。
「でも、どうしても今じゃないと」
「母、大丈夫よ。ほとんど終わっているようなものだし」
「三人ともどうしたの?」
アナベラ姉が問いかけると、イサークとメリーは「結婚おめでとう」と繰り返し口にし始める。
と。
――ジジッ、ケッコンオメデトー! オメデトー!
ヘドヴァンが頭を振り振り、冠羽を逆立てながら鳴いた。祖母と母が「まあ」と目を丸くする。
「僕達三人で教えたんだ! これを聞かせたくて」
「何度も繰り返して大変だったの! ヴェスカルも頑張ったのよ!」
「がんばりました!」
――ギャギャ!
私とアナベラ姉は目を合わせ、そしてクスリと笑い合うと、三人に丁寧にお礼を言ったのだった。
***
身支度が終わると、祖父ジャルダン、父サイモン、トーマス兄、義姉キャロライン、カレル兄、そして義兄ザインとアン姉が部屋に入って来た。
慌ててアン姉にソファーに座って貰う。
「二人共、ついこないだまで小さかったと思っていたのにこんなに大きゅうなって……なあシム」
祖父がしみじみと父に語り掛ける。「時の経つのは早いものですよ、父上。二人共、綺麗だぞ」と父。
「これで未婚の娘はメリーを残すだけになったか」とトーマス兄が言えば
「お二人共、ご結婚おめでとうございます。私達も早く挙式したいわ、トーマス様?」
と義姉キャロライン。その言葉に、うっと顔色を悪くするトーマス兄。
「責任重大だな」とカレル兄がニヤリと笑う。
「マリーは兎も角、赤薔薇姫の結婚か……今頃社交界中の男が泣いてるだろうよ」
私は兎も角ってどういう意味だ、カレル兄。私だってなぁ…と睨みつけていると、ザインが相変わらずのクジャク行為をしながら声を掛けて来た。
「お二人共、ご結婚おめでとうございます」
「綺麗よ、アナベラ、マリー」
アン姉夫婦に来てくれてありがとうと礼を言っていると、部屋の扉がノックされる音が響く。
サリーナが確認した後、相手を招き入れた。
「アナベラ嬢、聖女様。この天候に恵まれた春の良き日にめでたくもご結婚の儀を迎えられます事、お喜び申し上げます」
「アナベラ様、聖女様。おめでとうございます」
やって来たのは本日の結婚儀式をしてくれる人達だった。
サリューン枢機卿、そしてメンデル・ディンブラ大司教、そしてエヴァン修道士、イエイツ修道士、べリーチェ修道女。
「聖女様ああああ! 聖女様が結婚じてじまわれるなんでええええ!」
「いい加減おだまりなさい!」
……おまけでべリーチェ修道女に叱られるメイソン修道士といったラベンダー修道院の面々。私の為に泣いてくれる男は居たけどあんまり嬉しくない。
本日は宜しくお願いいたします、と家族共々挨拶を済ませた後、彼らは準備の為に早々に辞して行った。
約一名引きずられていったけれども。
窓の外の青空。
それにしても今日晴れて良かった。
実は儀式は野外に設えられた祭壇で行う。
本来はラベンダー修道院で挙式の予定だったけれど、聖女である私を守る警備面、妊婦であるアン姉に出席して欲しかったという事情で移動を最低限にしたのである。
今頃花婿がいる別室ではルフナー子爵家の家族が勢揃いしている事だろう。
ヴェスカルはこっちだけど、スレイマンやイドゥリースはそちらに居る。
一時間ほど待っただろうか。父サイモンが私達を迎えに来てくれた。
母ティヴィーナが私達のベールを下ろしてくれる。いよいよ結婚式の始まりである。
***
私達は馬車で移動し、その時を待っていた。
外には来賓が揃っており、義兄アールとグレイは既に入場、祭壇の前で待機している。
耳を澄ますと外からサリューン枢機卿やディンブラ大司教の挨拶がなされているのが聞こえてくる。
「それでは、お集まりの皆様。花嫁達のご入場でございます」
大司教の声で馬車の扉が開かれた。
先ずは父サイモンが祭壇へと続く赤絨毯の上に降り、そのエスコートに従ってアナベラ姉と私が降りる。姉妹で父の両隣を挟む形で腕を組んで並んだ。
少しアレンジされたメンデルスゾーンの結婚行進曲が奏でられ始めると、私達は足並み揃えて一歩一歩祭壇前へ向かって歩いて行く。
そう。お気づきかと思うが、実はこの合同結婚式、準備段階から私の意見で現代風にする事になっているのである。
アン姉の時は流石に公爵家に嫁ぐのでそこまで手出しは出来なかったけど、私達の結婚式なら自由に出来る。
何せ、社交界の赤薔薇と聖女の結婚式である。
キャンディ伯爵家は社交界の話題を掻っ攫うような画期的なものを求め、ルフナー子爵家側は商売に繋がるようなものを求めた。
アナベラ姉も面白そうねと賛成してくれている。
色々と相談して考え、来賓が楽しめる結婚式をコンセプトにした。
祖父ジャルダンがサプライズをしてくれるそうなので楽しみである。
祭壇前まで来ると、父が私達をそれぞれの花婿達に引き渡す。花婿達は父サイモンに一礼した。
ディンブラ大司教による古語で婚姻の祈祷がなされ、それが終わるとサリューン枢機卿に交代した。
枢機卿にはアン姉の時にやった誓いの言葉をお願いしたのである。アナベラ姉達の後は私達の番だ。
「新郎グレイ・ルフナー。汝は太陽神の御前に、マリアージュ・キャンディを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い――その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」
「新婦マリアージュ・キャンディ。汝は太陽神の御前に、グレイ・ルフナーを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い――その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
アン姉の時は手を重ねるだけだったけれど。
「では、誓いのキスを」
サリューン枢機卿の言葉を受けて、それぞれお互いに向き直った。
グレイの手によってベールが上げられる。私達の花嫁姿を見た義兄アールは感極まったように打ち震え、グレイは手で口を覆って涙ぐんでいた。
「アナ……なんて美しいんだ! 私は国一番の果報者です!」
「僕も幸せ過ぎて怖い位だ。本当に、綺麗だよマリー」
グレイはその潤んだエメラルドの瞳を細め、そして蕩けるような優しい笑みを浮かべる。私も頬を熱くする。花婿姿の彼に見惚れてしまっていたからだ。
グレイの顔がゆっくりと近づいてきて――私は瞼をゆっくりと閉じる。
その温かい唇が私のそれと重ねられ――
「今、太陽神の御前で婚姻が成就し、新たな夫婦が誕生した。新たな夫婦に寿ぎを」
そして、嵐のような拍手が私達に降り注がれた。
小さな薔薇の花が蕾を付け、次々と綻び始めている。
風の中に少しだけ肌寒さの残った麗らかな日差し。
本日はいよいよアナベラ姉と義兄アール、そして私とグレイの結婚式だ。
義兄アールとグレイは既に着替えており、来賓の出迎えをしてくれている。
アナベラ姉と私は祖母ラトゥと母ティヴィーナ、ばあやの監督の下で化粧を終えてウェディングドレスに着替えている真っ最中だった。
「まあまあ、幼少のみぎりよりお育て申し上げた姫様達が……何と美しい花嫁姿なのでしょう! この日を無事に迎えられて、ばあやは嬉しゅうございます!」
ドレスや装飾品等を粗方身に着けてしまうと、ばあやは感極まったのか目頭を押さえた。そこへ孫娘のサリーナがハンカチを取り出してあてがっている。
細かな所と調整していると、そこへ。
「「アナベラ姉様、マリーお姉ちゃま!」」
「しつれいします!」
イサークとメリー、ヴェスカルがヘドヴァンの鳥籠を抱えてやって来た。
「あらあら、まだお着換えは終わっていないわよ」
と母ティヴィーナが窘める。
「でも、どうしても今じゃないと」
「母、大丈夫よ。ほとんど終わっているようなものだし」
「三人ともどうしたの?」
アナベラ姉が問いかけると、イサークとメリーは「結婚おめでとう」と繰り返し口にし始める。
と。
――ジジッ、ケッコンオメデトー! オメデトー!
ヘドヴァンが頭を振り振り、冠羽を逆立てながら鳴いた。祖母と母が「まあ」と目を丸くする。
「僕達三人で教えたんだ! これを聞かせたくて」
「何度も繰り返して大変だったの! ヴェスカルも頑張ったのよ!」
「がんばりました!」
――ギャギャ!
私とアナベラ姉は目を合わせ、そしてクスリと笑い合うと、三人に丁寧にお礼を言ったのだった。
***
身支度が終わると、祖父ジャルダン、父サイモン、トーマス兄、義姉キャロライン、カレル兄、そして義兄ザインとアン姉が部屋に入って来た。
慌ててアン姉にソファーに座って貰う。
「二人共、ついこないだまで小さかったと思っていたのにこんなに大きゅうなって……なあシム」
祖父がしみじみと父に語り掛ける。「時の経つのは早いものですよ、父上。二人共、綺麗だぞ」と父。
「これで未婚の娘はメリーを残すだけになったか」とトーマス兄が言えば
「お二人共、ご結婚おめでとうございます。私達も早く挙式したいわ、トーマス様?」
と義姉キャロライン。その言葉に、うっと顔色を悪くするトーマス兄。
「責任重大だな」とカレル兄がニヤリと笑う。
「マリーは兎も角、赤薔薇姫の結婚か……今頃社交界中の男が泣いてるだろうよ」
私は兎も角ってどういう意味だ、カレル兄。私だってなぁ…と睨みつけていると、ザインが相変わらずのクジャク行為をしながら声を掛けて来た。
「お二人共、ご結婚おめでとうございます」
「綺麗よ、アナベラ、マリー」
アン姉夫婦に来てくれてありがとうと礼を言っていると、部屋の扉がノックされる音が響く。
サリーナが確認した後、相手を招き入れた。
「アナベラ嬢、聖女様。この天候に恵まれた春の良き日にめでたくもご結婚の儀を迎えられます事、お喜び申し上げます」
「アナベラ様、聖女様。おめでとうございます」
やって来たのは本日の結婚儀式をしてくれる人達だった。
サリューン枢機卿、そしてメンデル・ディンブラ大司教、そしてエヴァン修道士、イエイツ修道士、べリーチェ修道女。
「聖女様ああああ! 聖女様が結婚じてじまわれるなんでええええ!」
「いい加減おだまりなさい!」
……おまけでべリーチェ修道女に叱られるメイソン修道士といったラベンダー修道院の面々。私の為に泣いてくれる男は居たけどあんまり嬉しくない。
本日は宜しくお願いいたします、と家族共々挨拶を済ませた後、彼らは準備の為に早々に辞して行った。
約一名引きずられていったけれども。
窓の外の青空。
それにしても今日晴れて良かった。
実は儀式は野外に設えられた祭壇で行う。
本来はラベンダー修道院で挙式の予定だったけれど、聖女である私を守る警備面、妊婦であるアン姉に出席して欲しかったという事情で移動を最低限にしたのである。
今頃花婿がいる別室ではルフナー子爵家の家族が勢揃いしている事だろう。
ヴェスカルはこっちだけど、スレイマンやイドゥリースはそちらに居る。
一時間ほど待っただろうか。父サイモンが私達を迎えに来てくれた。
母ティヴィーナが私達のベールを下ろしてくれる。いよいよ結婚式の始まりである。
***
私達は馬車で移動し、その時を待っていた。
外には来賓が揃っており、義兄アールとグレイは既に入場、祭壇の前で待機している。
耳を澄ますと外からサリューン枢機卿やディンブラ大司教の挨拶がなされているのが聞こえてくる。
「それでは、お集まりの皆様。花嫁達のご入場でございます」
大司教の声で馬車の扉が開かれた。
先ずは父サイモンが祭壇へと続く赤絨毯の上に降り、そのエスコートに従ってアナベラ姉と私が降りる。姉妹で父の両隣を挟む形で腕を組んで並んだ。
少しアレンジされたメンデルスゾーンの結婚行進曲が奏でられ始めると、私達は足並み揃えて一歩一歩祭壇前へ向かって歩いて行く。
そう。お気づきかと思うが、実はこの合同結婚式、準備段階から私の意見で現代風にする事になっているのである。
アン姉の時は流石に公爵家に嫁ぐのでそこまで手出しは出来なかったけど、私達の結婚式なら自由に出来る。
何せ、社交界の赤薔薇と聖女の結婚式である。
キャンディ伯爵家は社交界の話題を掻っ攫うような画期的なものを求め、ルフナー子爵家側は商売に繋がるようなものを求めた。
アナベラ姉も面白そうねと賛成してくれている。
色々と相談して考え、来賓が楽しめる結婚式をコンセプトにした。
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祭壇前まで来ると、父が私達をそれぞれの花婿達に引き渡す。花婿達は父サイモンに一礼した。
ディンブラ大司教による古語で婚姻の祈祷がなされ、それが終わるとサリューン枢機卿に交代した。
枢機卿にはアン姉の時にやった誓いの言葉をお願いしたのである。アナベラ姉達の後は私達の番だ。
「新郎グレイ・ルフナー。汝は太陽神の御前に、マリアージュ・キャンディを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い――その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」
「新婦マリアージュ・キャンディ。汝は太陽神の御前に、グレイ・ルフナーを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い――その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います」
アン姉の時は手を重ねるだけだったけれど。
「では、誓いのキスを」
サリューン枢機卿の言葉を受けて、それぞれお互いに向き直った。
グレイの手によってベールが上げられる。私達の花嫁姿を見た義兄アールは感極まったように打ち震え、グレイは手で口を覆って涙ぐんでいた。
「アナ……なんて美しいんだ! 私は国一番の果報者です!」
「僕も幸せ過ぎて怖い位だ。本当に、綺麗だよマリー」
グレイはその潤んだエメラルドの瞳を細め、そして蕩けるような優しい笑みを浮かべる。私も頬を熱くする。花婿姿の彼に見惚れてしまっていたからだ。
グレイの顔がゆっくりと近づいてきて――私は瞼をゆっくりと閉じる。
その温かい唇が私のそれと重ねられ――
「今、太陽神の御前で婚姻が成就し、新たな夫婦が誕生した。新たな夫婦に寿ぎを」
そして、嵐のような拍手が私達に降り注がれた。
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