252 / 693
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
グレイ・ルフナー(105)
しおりを挟む
良かった、目を覚ましたんだと思って封を切る。
手紙を広げると、いつもの彼女の文字が躍った。
『愛するグレイ
数日ぶりだけど、お元気かしら?
私はナヴィガポールやガリア王国とは違って、王都周辺はやっぱり寒いのだと実感しているわ。
先日は帰るなり倒れてしまってごめんなさい。思ったよりも疲労が溜まっていたみたい。グレイは大丈夫だったかしら?
ルフナー家の皆様にもさぞかしご心配を掛けてしまった事でしょうね。碌にご挨拶も出来なかった事を、マリーが謝っていたと皆様にお伝え下さい。
でも、今日やっと起きる事が出来たの。そこで驚く事を聞かされたわ。なんと、アン姉様に赤ちゃんが出来たんですって! 何て喜ばしいんでしょう!
そこで、アン姉様に会いに明日、ウィッタード公爵家に行こうと思うのだけれど。差支え無ければグレイも一緒に来て貰えるかしら?
後、それ以外にもラベンダー修道院にもご挨拶に行かないといけないし。
冬眠から覚めた熊のような気持ちのマリー』
最後の署名にクスリと笑う。
明日か――アン様がご懐妊されたのなら、挨拶に行かない訳にはいかないな。
修道院にも行こうと思っていた所だし。一番急ぐのは主にコスタポリ関連の事だけどそれは父と兄が動いてくれている。商会の承認が必要な仕事は持ち歩くとしよう。
僕は返事を書くべくペンを執った。
庭師を呼んで事情を話し、手紙に添えるのに良さそうな花は無いかと訊くと、丁度白いクロッカスが咲いているとの事。一輪採って来て貰った。茎の短い花。
花言葉には『元気』という意味があるそうだ。
「春待ち花の一つですので、外にも『青春の喜び』や春の訪れを『切望』するという意味もあります。
やや遠回しになりますが、春は命が芽吹く季節という事で姉姫様のご懐妊を喜ぶという意味にも取れますよ。白は神聖な色ですから」
「成る程、それにしよう。明日の朝手紙に添えて出すのでよろしく頼むよ」
「かしこまりました、若旦那様」
手に取った白いクロッカスを捻って、冬眠から目覚めた可愛い熊を想ってクスリと笑う。
春はもうすぐそこだ。
***
アールは既にアナベラ様と共に会いに行ったそうで、アン様にお会いしてないのはマリーとカレル様、僕の三名。
ウィッタード公爵家を訪問すると、ザイン様直々のお出迎え。挨拶を済ませた後、アン様がいらっしゃる部屋を訪ねる。
部屋に入るなり、暖かな空気が僕達を包み込んだ。
ソファーに横たわっていたアン様は、僕達を見るなり喜色を浮かべて歓迎してくれた。ご懐妊という事で、締め付ける様なドレスではなく妊婦が着るゆったりとしたドレスを身に纏っている。
少しふくよかになったアン様はやはり美しかった。ただ、以前と違って母性に満ち溢れている。
僕達がめいめい祝辞を述べると、アン様は礼を言い、肖像画を描いて貰う為に腕の良い画家を探していると微笑んだ。
僕の母も兄を身籠っている時に肖像画を描いて貰ったと聞いている。出産で命を落としても、子供が大きくなって母親の顔を知る事が出来るように。
何とも言えない気持ちになって、僕は何を言っていいか分からなかった。
「もしかしてずっと動かずにいるの?」
少し重くなった雰囲気を変えるように、マリーはアン様に色々と質問をしていく。
どうもアン様が安静にしている事と、少しふくよかになった事が気になっているみたいだ。
***
アン様を見舞った後――僕はサイモン様に報告や話をする事があったので、そのままキャンディ伯爵家にお邪魔して夕食を頂く事にした。
「ちょっと気になってるのよ。アン姉の体重管理の事」
前世の記憶で何かあるのだろうか。マリーはやはりアン様の目方を気にしていた。
何でも、懐妊中に栄養の付くものを食べ過ぎて太りすぎるのも良く無いのだと。
成る程説明されれば道理だった。産道が狭くなればその分出産も困難になる。
納得していると、サイモン様からマリーの知識の出所について質問が飛んだ。
彼女から前世の事をサイモン様に話したのかと思念が伝わって来て、僕は首を振る。
カレル様はマリーに秘密があるという事だけを話したらしい。
マリーは決心し、夕食後にその事について改めて話す場が設けられたのだけれど――。
御家族の語らいなので、僕はお茶を飲みながら静かに成り行きを見守っていた。
『あの馬を始めとする奇行の数々』だとか『ナット―』だとか気になる言葉や不穏な言葉が飛び交っている。
僕がその言葉について考えている間にも、話は進んで行く。
マリーは物心ついた時から前世の事を秘密にして生きて来たようで、ティヴィーナ様は母親として信じて貰えていなかったのかと怒りながら悲しむという器用な事をされていた。
その圧力と良心の呵責に堪えかねたマリーがとうとう絨毯に頭を擦り付けて謝罪し始めている。
そんな光景に。
……サイモン様もティヴィーナ様を怒らせたらこんな風にしてるんだろうか。
マリーの色合いがサイモン様似なだけに、僕はそんな想像をしてしまった。
あり得る。
つまり、キャンディ伯爵家の真の支配者はティヴィーナ様という事だ。僕は絶対に怒らせないようにしようと決意する。
マリーが必死に言い訳をしているのを少し憐れんだのか、助け舟を出したのはやっぱりサイモン様だった。
もしかしたらマリーの姿を自分自身に重ねていたのかも知れない。
手紙を広げると、いつもの彼女の文字が躍った。
『愛するグレイ
数日ぶりだけど、お元気かしら?
私はナヴィガポールやガリア王国とは違って、王都周辺はやっぱり寒いのだと実感しているわ。
先日は帰るなり倒れてしまってごめんなさい。思ったよりも疲労が溜まっていたみたい。グレイは大丈夫だったかしら?
ルフナー家の皆様にもさぞかしご心配を掛けてしまった事でしょうね。碌にご挨拶も出来なかった事を、マリーが謝っていたと皆様にお伝え下さい。
でも、今日やっと起きる事が出来たの。そこで驚く事を聞かされたわ。なんと、アン姉様に赤ちゃんが出来たんですって! 何て喜ばしいんでしょう!
そこで、アン姉様に会いに明日、ウィッタード公爵家に行こうと思うのだけれど。差支え無ければグレイも一緒に来て貰えるかしら?
後、それ以外にもラベンダー修道院にもご挨拶に行かないといけないし。
冬眠から覚めた熊のような気持ちのマリー』
最後の署名にクスリと笑う。
明日か――アン様がご懐妊されたのなら、挨拶に行かない訳にはいかないな。
修道院にも行こうと思っていた所だし。一番急ぐのは主にコスタポリ関連の事だけどそれは父と兄が動いてくれている。商会の承認が必要な仕事は持ち歩くとしよう。
僕は返事を書くべくペンを執った。
庭師を呼んで事情を話し、手紙に添えるのに良さそうな花は無いかと訊くと、丁度白いクロッカスが咲いているとの事。一輪採って来て貰った。茎の短い花。
花言葉には『元気』という意味があるそうだ。
「春待ち花の一つですので、外にも『青春の喜び』や春の訪れを『切望』するという意味もあります。
やや遠回しになりますが、春は命が芽吹く季節という事で姉姫様のご懐妊を喜ぶという意味にも取れますよ。白は神聖な色ですから」
「成る程、それにしよう。明日の朝手紙に添えて出すのでよろしく頼むよ」
「かしこまりました、若旦那様」
手に取った白いクロッカスを捻って、冬眠から目覚めた可愛い熊を想ってクスリと笑う。
春はもうすぐそこだ。
***
アールは既にアナベラ様と共に会いに行ったそうで、アン様にお会いしてないのはマリーとカレル様、僕の三名。
ウィッタード公爵家を訪問すると、ザイン様直々のお出迎え。挨拶を済ませた後、アン様がいらっしゃる部屋を訪ねる。
部屋に入るなり、暖かな空気が僕達を包み込んだ。
ソファーに横たわっていたアン様は、僕達を見るなり喜色を浮かべて歓迎してくれた。ご懐妊という事で、締め付ける様なドレスではなく妊婦が着るゆったりとしたドレスを身に纏っている。
少しふくよかになったアン様はやはり美しかった。ただ、以前と違って母性に満ち溢れている。
僕達がめいめい祝辞を述べると、アン様は礼を言い、肖像画を描いて貰う為に腕の良い画家を探していると微笑んだ。
僕の母も兄を身籠っている時に肖像画を描いて貰ったと聞いている。出産で命を落としても、子供が大きくなって母親の顔を知る事が出来るように。
何とも言えない気持ちになって、僕は何を言っていいか分からなかった。
「もしかしてずっと動かずにいるの?」
少し重くなった雰囲気を変えるように、マリーはアン様に色々と質問をしていく。
どうもアン様が安静にしている事と、少しふくよかになった事が気になっているみたいだ。
***
アン様を見舞った後――僕はサイモン様に報告や話をする事があったので、そのままキャンディ伯爵家にお邪魔して夕食を頂く事にした。
「ちょっと気になってるのよ。アン姉の体重管理の事」
前世の記憶で何かあるのだろうか。マリーはやはりアン様の目方を気にしていた。
何でも、懐妊中に栄養の付くものを食べ過ぎて太りすぎるのも良く無いのだと。
成る程説明されれば道理だった。産道が狭くなればその分出産も困難になる。
納得していると、サイモン様からマリーの知識の出所について質問が飛んだ。
彼女から前世の事をサイモン様に話したのかと思念が伝わって来て、僕は首を振る。
カレル様はマリーに秘密があるという事だけを話したらしい。
マリーは決心し、夕食後にその事について改めて話す場が設けられたのだけれど――。
御家族の語らいなので、僕はお茶を飲みながら静かに成り行きを見守っていた。
『あの馬を始めとする奇行の数々』だとか『ナット―』だとか気になる言葉や不穏な言葉が飛び交っている。
僕がその言葉について考えている間にも、話は進んで行く。
マリーは物心ついた時から前世の事を秘密にして生きて来たようで、ティヴィーナ様は母親として信じて貰えていなかったのかと怒りながら悲しむという器用な事をされていた。
その圧力と良心の呵責に堪えかねたマリーがとうとう絨毯に頭を擦り付けて謝罪し始めている。
そんな光景に。
……サイモン様もティヴィーナ様を怒らせたらこんな風にしてるんだろうか。
マリーの色合いがサイモン様似なだけに、僕はそんな想像をしてしまった。
あり得る。
つまり、キャンディ伯爵家の真の支配者はティヴィーナ様という事だ。僕は絶対に怒らせないようにしようと決意する。
マリーが必死に言い訳をしているのを少し憐れんだのか、助け舟を出したのはやっぱりサイモン様だった。
もしかしたらマリーの姿を自分自身に重ねていたのかも知れない。
195
お気に入りに追加
5,825
あなたにおすすめの小説
この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。
レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。
【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。
そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。