169 / 690
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
グレイ・ルフナー(78)
しおりを挟む
笑顔で給仕をしつつ、時折相槌や催促をしながら熱心に話に耳を傾ける僕の事も三魔女は気に入ってくれたようで上機嫌だった。
マリーの良い婿になるだろうと褒めてくれている。彼女達が社交界で口を揃えてマリーと僕との仲を喧伝してくれればこれほど心強い事は無い。
ホルメー夫人の言葉からして、どうもラトゥ様は三魔女にマリーの事をよろしく頼んでいたようだ。成る程それで園遊会の時にマリーの所にやってきたのかと納得する。
王子達に狙われているのでは、という言葉にマリーは王位継承争いに巻き込まれていると肯定の意を示す。同時に庇われた事の礼を述べ、僕との結婚以外は相手が誰であろうとも考えられないと潤んだ目でになっていた。
「マリー……」
彼女の愛情深さに切なさすら覚えながら、僕も彼女の瞳を見詰め返す。
「あら、あら! 何てこと! そういう事だったのね!」
何としてでも、誰を敵に回しても、マリーと添い遂げ守り抜いて幸せにしよう――そう決意を新たにしていると、エピテュミア夫人が手を叩き、感動したように声を上げた。
「何だか昔を思い出すわぁ。ほら、ええと、パレディーテ様の時よぉ」
その言葉に我に返った僕。祖母の名、しかもパレディーテという名は非常に珍しい。まさかと思って訊いてみると、何と三魔女は祖母と既知の間柄だったらしい。
祖母が駆け落ち同然で祖父と添い遂げたのは知っていたけれど、それを手助けしたのがマリーのお婆様と三魔女だったとは。同時に祖母が社交界に出ない理由も知ってしまい、そういう事だったのかと納得する。
あまりの事実に愕然しながらも、僕は祖母パレディーテに代わって礼と謝罪を述べた。
三魔女は手紙を書くと言う。確かにもう時効だし、友誼を結び直しても良いだろう。ラトゥ様ともそうした事だし。
案外世間は狭いと思っていると、ピュシス夫人がマリーも似たような状況だと溜息を吐いた。それをエピテュミア夫人が不吉だと窘める。
王族の教師していたというホルメー夫人が冷静に、陛下は王位継承争いの構図を利用して不穏な貴族の炙り出しをしているのではと分析していた。
***
「――それで、僕もホルメー夫人と似たような見解なんだよね。僕達は陛下のふるいにかけられている」
いつものルフナー家の居間。
お茶会であった事を簡単に話してそう締めくくると、「そうじゃろうな」と祖父エディアールが頷いた。ちなみにお婆様と三魔女に関する話は、お婆様がここに居ないので敢えてまだ話していない。
「ほっほ、負うた子に助けられたのう、ブルック」
「ああ。つくづく身に染みた。お前が正しかったようだ、グレイ。時には大胆に賭ける事も必要だと思っていたが、俺は冷静なつもりでいて結局目先にぶら下がった利益に振り回され、薄氷の上を歩いていたのだな。そろそろ家督を譲った方が良いのかも知れん」
「それは流石に弱気に過ぎるのでは」
「アールの言う通りじゃ。性急なのは若い証拠、まだ働き盛りじゃろうが」
「今のところカーフィが株式を第二王子派に頑張って売ってるから、馬車事業は中立的になってくる筈。家族なんだし、助け合わなきゃ。逆に僕が失敗しそうな時は助けて貰わないと」
家督を譲られてもお父様をこき使うから。そう言うと、父ブルックはこつんと僕を小突く。
「こいつめ。親を楽に隠居させようと思わんのか」
「それは儂の台詞じゃ!」
「やれやれ」
祖父の台詞にアールは肩を竦め、皆が笑った。
「ところでお茶会で思い付いた事があって、試してみたい事があるんだ」
扉を開けて使用人に言いつけていると、そこへ祖母パレディーテと母レピーシェがやってきた。
「グレイ、もう男同士の内緒話は終わったの?」
「あっ、丁度良い所に。退屈な話は終わったから、お婆様もお母様も入って大丈夫だよ」
使用人が戻ってくるまでの間。僕は預かって来た手紙を取り出す。
「実は、お婆様への手紙を預かって来ました。ピュシス・カヴァルリ先代子爵夫人、エピテュミア・ディブロマ先代伯爵夫人、ホルメー・サヴァン先代伯爵夫人のお三方からの物です」
まさかの祖母への三魔女からの手紙。寝耳に水とばかりに父とアールの表情が若干引き攣っている。祖父は祖母と同じで社交界には滅多に出ないので不思議そうな表情をしていた。
手紙を渡し、「昔、お婆様とお爺様との仲を助けて下さったとか」と話す。少し首を傾げていた祖母は、だんだんと思い出したらしく、「ああ、あの時の!」と声を上げた。
「夫人達が言うにはもう時効だって。だから、旧交を温めても大丈夫だと思うよ」
「あれ以来、社交界に出ないと決めて――結局この年までずるずると来てしまったわ。何より面倒になってしまったんだもの」
そうは言いながらも祖母パレディーテは懐かしそうな目をして祖父を振り向く。「ほら、エディに話したでしょう? 色々と助けて下さった御令嬢達の話――」
楽しそうに語る祖母。兄が僕の隣にやって来て耳打ちでぼそりと呟く。
「まさかあの悪名高き三魔女がお婆様と知り合いだったなんてな……」
僕は笑顔で頷いた。
「うん、僕も驚いた。ちなみにマリーと僕も夫人達と友達になったんだ」
「正気か!?」
余程ショックだったのか、アールが目を剥く。僕は「うん、またとない商機だよ」と微笑んだ。
***
「――やっぱり」
それを一口啜って頷いた。予想通りだ。ミルクと砂糖はカカウとバンカムを美味しく飲みやすくする事を発見してしまった。
そう、使用人に持って来させたのはカカウとバンカム。それにミルクと砂糖。
あのお茶会で考えた事は大正解だったという訳だ。
僕の様子を見て、家族もめいめいカップに口を付ける。一口飲んだ瞬間、驚きの声を上げていた。
「グレイ、凄いな。売れるぞ、これは」
アールが興奮したように言う。母レピーシェも頬を染めて頷いた。
「マリーの所でカカウがケーキに使われていたんだ。そこで思い付いてね。あのミルクティーみたいにしたらって考えたんだ」
「まあ、そうなのね! とても美味しいわ」
「薬が嗜好品になった、という訳か。でかしたぞ、グレイ」
母と父は喜んでいる。祖父エディアールも気に入ったようで、目を細めてカップを揺らしていた。
「ふむ、こういう飲み物を提供する店を出してみても良いかも知れんの」
「うん、僕もそう考えた。金持ちや貴族向けにね。勿論カカウやお茶も出すけれど、メインはアヤスラニ帝国で良く飲まれているバンカムにするつもり。バンカムなら仕入れ値もカカウやお茶程じゃないから」
「成る程な。だが、バンカムは異教徒の飲み物という印象が強い。アヤスラニ帝国を教会は良く思っていないからな」
「そこなんだよね」
アヤスラニ帝国は東にある異教徒の国だ。太陽神も祀ってはいるけれど、教会のように絶対的ではない。
例えば砂漠地帯では月の神や水の神の信仰が篤かったり、風の神や地の神等、他の神々の信仰も根強かったりする。
また、火の神を崇拝する謎めいた宗派もあり、そこでは火の神が太陽神の息子として救世主的な解釈もなされ、赤毛も特に差別されていない。
教会はそんな信仰の在り方を異教だと断じて認めてはいない。過去の歴史では戦争になった事さえあった。
だけど僕に言わせれば物に罪はない。マリーに相談してみようか。なんてったって聖女だし。
マリーの良い婿になるだろうと褒めてくれている。彼女達が社交界で口を揃えてマリーと僕との仲を喧伝してくれればこれほど心強い事は無い。
ホルメー夫人の言葉からして、どうもラトゥ様は三魔女にマリーの事をよろしく頼んでいたようだ。成る程それで園遊会の時にマリーの所にやってきたのかと納得する。
王子達に狙われているのでは、という言葉にマリーは王位継承争いに巻き込まれていると肯定の意を示す。同時に庇われた事の礼を述べ、僕との結婚以外は相手が誰であろうとも考えられないと潤んだ目でになっていた。
「マリー……」
彼女の愛情深さに切なさすら覚えながら、僕も彼女の瞳を見詰め返す。
「あら、あら! 何てこと! そういう事だったのね!」
何としてでも、誰を敵に回しても、マリーと添い遂げ守り抜いて幸せにしよう――そう決意を新たにしていると、エピテュミア夫人が手を叩き、感動したように声を上げた。
「何だか昔を思い出すわぁ。ほら、ええと、パレディーテ様の時よぉ」
その言葉に我に返った僕。祖母の名、しかもパレディーテという名は非常に珍しい。まさかと思って訊いてみると、何と三魔女は祖母と既知の間柄だったらしい。
祖母が駆け落ち同然で祖父と添い遂げたのは知っていたけれど、それを手助けしたのがマリーのお婆様と三魔女だったとは。同時に祖母が社交界に出ない理由も知ってしまい、そういう事だったのかと納得する。
あまりの事実に愕然しながらも、僕は祖母パレディーテに代わって礼と謝罪を述べた。
三魔女は手紙を書くと言う。確かにもう時効だし、友誼を結び直しても良いだろう。ラトゥ様ともそうした事だし。
案外世間は狭いと思っていると、ピュシス夫人がマリーも似たような状況だと溜息を吐いた。それをエピテュミア夫人が不吉だと窘める。
王族の教師していたというホルメー夫人が冷静に、陛下は王位継承争いの構図を利用して不穏な貴族の炙り出しをしているのではと分析していた。
***
「――それで、僕もホルメー夫人と似たような見解なんだよね。僕達は陛下のふるいにかけられている」
いつものルフナー家の居間。
お茶会であった事を簡単に話してそう締めくくると、「そうじゃろうな」と祖父エディアールが頷いた。ちなみにお婆様と三魔女に関する話は、お婆様がここに居ないので敢えてまだ話していない。
「ほっほ、負うた子に助けられたのう、ブルック」
「ああ。つくづく身に染みた。お前が正しかったようだ、グレイ。時には大胆に賭ける事も必要だと思っていたが、俺は冷静なつもりでいて結局目先にぶら下がった利益に振り回され、薄氷の上を歩いていたのだな。そろそろ家督を譲った方が良いのかも知れん」
「それは流石に弱気に過ぎるのでは」
「アールの言う通りじゃ。性急なのは若い証拠、まだ働き盛りじゃろうが」
「今のところカーフィが株式を第二王子派に頑張って売ってるから、馬車事業は中立的になってくる筈。家族なんだし、助け合わなきゃ。逆に僕が失敗しそうな時は助けて貰わないと」
家督を譲られてもお父様をこき使うから。そう言うと、父ブルックはこつんと僕を小突く。
「こいつめ。親を楽に隠居させようと思わんのか」
「それは儂の台詞じゃ!」
「やれやれ」
祖父の台詞にアールは肩を竦め、皆が笑った。
「ところでお茶会で思い付いた事があって、試してみたい事があるんだ」
扉を開けて使用人に言いつけていると、そこへ祖母パレディーテと母レピーシェがやってきた。
「グレイ、もう男同士の内緒話は終わったの?」
「あっ、丁度良い所に。退屈な話は終わったから、お婆様もお母様も入って大丈夫だよ」
使用人が戻ってくるまでの間。僕は預かって来た手紙を取り出す。
「実は、お婆様への手紙を預かって来ました。ピュシス・カヴァルリ先代子爵夫人、エピテュミア・ディブロマ先代伯爵夫人、ホルメー・サヴァン先代伯爵夫人のお三方からの物です」
まさかの祖母への三魔女からの手紙。寝耳に水とばかりに父とアールの表情が若干引き攣っている。祖父は祖母と同じで社交界には滅多に出ないので不思議そうな表情をしていた。
手紙を渡し、「昔、お婆様とお爺様との仲を助けて下さったとか」と話す。少し首を傾げていた祖母は、だんだんと思い出したらしく、「ああ、あの時の!」と声を上げた。
「夫人達が言うにはもう時効だって。だから、旧交を温めても大丈夫だと思うよ」
「あれ以来、社交界に出ないと決めて――結局この年までずるずると来てしまったわ。何より面倒になってしまったんだもの」
そうは言いながらも祖母パレディーテは懐かしそうな目をして祖父を振り向く。「ほら、エディに話したでしょう? 色々と助けて下さった御令嬢達の話――」
楽しそうに語る祖母。兄が僕の隣にやって来て耳打ちでぼそりと呟く。
「まさかあの悪名高き三魔女がお婆様と知り合いだったなんてな……」
僕は笑顔で頷いた。
「うん、僕も驚いた。ちなみにマリーと僕も夫人達と友達になったんだ」
「正気か!?」
余程ショックだったのか、アールが目を剥く。僕は「うん、またとない商機だよ」と微笑んだ。
***
「――やっぱり」
それを一口啜って頷いた。予想通りだ。ミルクと砂糖はカカウとバンカムを美味しく飲みやすくする事を発見してしまった。
そう、使用人に持って来させたのはカカウとバンカム。それにミルクと砂糖。
あのお茶会で考えた事は大正解だったという訳だ。
僕の様子を見て、家族もめいめいカップに口を付ける。一口飲んだ瞬間、驚きの声を上げていた。
「グレイ、凄いな。売れるぞ、これは」
アールが興奮したように言う。母レピーシェも頬を染めて頷いた。
「マリーの所でカカウがケーキに使われていたんだ。そこで思い付いてね。あのミルクティーみたいにしたらって考えたんだ」
「まあ、そうなのね! とても美味しいわ」
「薬が嗜好品になった、という訳か。でかしたぞ、グレイ」
母と父は喜んでいる。祖父エディアールも気に入ったようで、目を細めてカップを揺らしていた。
「ふむ、こういう飲み物を提供する店を出してみても良いかも知れんの」
「うん、僕もそう考えた。金持ちや貴族向けにね。勿論カカウやお茶も出すけれど、メインはアヤスラニ帝国で良く飲まれているバンカムにするつもり。バンカムなら仕入れ値もカカウやお茶程じゃないから」
「成る程な。だが、バンカムは異教徒の飲み物という印象が強い。アヤスラニ帝国を教会は良く思っていないからな」
「そこなんだよね」
アヤスラニ帝国は東にある異教徒の国だ。太陽神も祀ってはいるけれど、教会のように絶対的ではない。
例えば砂漠地帯では月の神や水の神の信仰が篤かったり、風の神や地の神等、他の神々の信仰も根強かったりする。
また、火の神を崇拝する謎めいた宗派もあり、そこでは火の神が太陽神の息子として救世主的な解釈もなされ、赤毛も特に差別されていない。
教会はそんな信仰の在り方を異教だと断じて認めてはいない。過去の歴史では戦争になった事さえあった。
だけど僕に言わせれば物に罪はない。マリーに相談してみようか。なんてったって聖女だし。
200
お気に入りに追加
5,692
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化

偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)

〖完結〗私は旦那様には必要ないようですので国へ帰ります。
藍川みいな
恋愛
辺境伯のセバス・ブライト侯爵に嫁いだミーシャは優秀な聖女だった。セバスに嫁いで3年、セバスは愛人を次から次へと作り、やりたい放題だった。
そんなセバスに我慢の限界を迎え、離縁する事を決意したミーシャ。
私がいなければ、あなたはおしまいです。
国境を無事に守れていたのは、聖女ミーシャのおかげだった。ミーシャが守るのをやめた時、セバスは破滅する事になる…。
設定はゆるゆるです。
本編8話で完結になります。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。