貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

譚音アルン

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貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

泣きっ面に蜂、足下から鳥が立つ。

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 「キィー悔しいぃ! グレイ、何なのあの男!」

 私はグレイに抱き着いて足だけで地団太を踏んだ。「近づきたくないのに友達にならされたんだけど!」
 グレイは私を抱きしめて大きな息を吐く。

 「あの人の後ろには第一王子殿下が居る。身分を盾にして脅してまでって事は相当だよね。余程マリーの知恵を重要視しているんだろう」

 「……本当かしら、あんまり拒否すると無理やり召し出すって…」

 私の呟きに、グレイはうーんと考え込んだ。

 「……今の所何とも言えない。ただの脅しかも知れないし。それよりも、マリー。さっき様子がおかしかったけれど、何かあいつに弱みでも握られているの?」

 「に、握られてなんかないわ!?」

 そう言いつつ私は目が泳いでしまう。グレイの顔が険しくなった。

 「嘘はいけないよ、マリー。婚約者である僕にも言えない事なの?」

 「……」

 私は唇を噛む。どうしよう、言うべきだろうか。言えば、ギャヴィンとのお友達宣言は撤回出来る。しかし可能性とは言え、そうなって殿下に強硬手段に出られても嫌だ。

 「マリー?」

 緑の瞳が催促してくる。私は意を決した。「あ、あのね、グレイ……」


 その時、扉がノックされて返事を待たずにすぐに開かれる。入って来たのはダディサイモンとカレル兄だった。


***


 糞っ、もう少しで上手く行ったものを!

 メイソンは追手から逃げ続けていた。まんまとキャンディ伯爵家への侵入を果たし、タイミング良くマリアージュ姫に出くわして捕らえ――そこから侍女やグレイ達が姿を現した事から馬に乗ってキャンディ伯爵邸から脱出しようと侍女を脅しつけたまでは良かった。

 坂道を転がるように事態が変わったのはここから。やってきた馬に乗ろうと手を伸ばした次の瞬間、何か大きなものをぶつけられ、衝撃で人質を手放してしまったのだ。

 よろめいたところを庭師と思われる男に飛びかかられて揉み合った。それなりの訓練を受けて来た筈の己が不意を突かれたとはいえ、庭師如きに後れを取った挙句ナイフを奪われてしまうとは。分が悪いと逃げ出したものの、追手がどんどん増えていく。

 まさか馬があのような作り物であったなどとは夢にも思わなかった。不幸中の幸いとしてはキャンディ伯爵家が広大な敷地を有していることぐらいか。

 見通しの良い場所は不利だとばかりにメイソンは森の中に飛び込んだ。バタバタと行き交う足音とどこへ行った、出てこい等という怒声。息を殺してやり過ごす。

 畜生、とメイソンは内心毒づいた。やはりメルローズ姫の方が良かったか。
 いや、と思い直す。マリアージュ姫やアナベラ姫等ならばまだしも、メルローズ姫のような子供を相手にする趣味はない。かどわかしたところで借用書と引き換えとする人質としての意味しかないだろう。

 こんな風になったのも、元はと言えばフレールの所為だ。ひいてはフレールを自分に押し付け逃げ勝ちしたアール・ルフナーの。

 結婚してリプトン伯爵位を継ごうとする前に、借金の事を知らされた。次期当主となっても返済の為に慎ましく倹約に励んでくれと舅に言われる。
 悠々自適な当主生活を夢見ていたのに話が違うと思ったその直後、アール・ルフナーとアナベラ姫の婚約の報。騙された、とメイソンは思った。アナベラ姫は自分が狙っていた女なのに。いや、彼女もあの極悪非道な男に騙され、意に添わぬ婚約を強いられているに違いない。

 フレールを何とか言いくるめて屋敷に残し、すぐさま夜会に乗り込んで行ってアール・ルフナーの所業を訴え、アナベラ姫をお救いして結ばれる正当な男が自分だと主張したが、誰も耳を貸してくれなかった。それどころかアナベラ姫はあの男にキスまでしたのだ!

 あの場に第一王子殿下さえ出て来なければ。

 しかし何もせず手をこまねいている訳にはいかない。待てよ、確かアナベラ姫には年頃の妹が居た。何故か社交界に出てこないが、幻の姫を言われていて大層美人だとか。
 屋敷にずっと引き籠っているならば、さぞかし世間知らずである事だろう。しかも婚約者はグレイ・ルフナー。あの男の弟。

 しかし婚約式に乗り込んで行って出会ったマリアージュにメイソンはしてやられる事になる。伯爵位を継いだ後、更に大金を払う羽目になり、自棄になって酒を浴びるように飲んだ。
 そこで声を掛けてきたのがリプトン伯爵領の金貸しの男だ。男は酒の席で愚痴をこぼしたメイソンに、借金の付け替えをしてはどうかと提案してくれたのだ。
 男が貸す金を返済に充てて男に返す金は領地の収入から無理をしない範囲で返す。リボ払いと言うそうだ。メイソンは迷わず飛びついた。

 男は十分な金を気前良く貸してくれた。マリアージュ姫に払っても今月分の返済に充ててもまだ残っている。メイソンは心に余裕が出来、気が大きくなって娼館で酒を飲み、女を侍らせた。

 朝帰りをするようになったメイソンに、フレールはだんだんと自分に猜疑の眼差しを向けるようになった。言いくるめて大人しくさせる事が今や難しくなっている。やがて借金の事についての口出しや、領主としての心構え等を説教するようになり大層煩わしくなってきた。

 改めて考えてみればフレールはさして美人という訳でもなく、結婚してリプトン次期当主の身分を得る程度の価値しかない。
 それに引き換えメイソン自身は女にモテるし、身分だって高く金にも不自由していなかった。折角この自分が目を掛けて釣り合わない女と結婚してやったというのに。すっかり嫌気が差したメイソンは自然、一層娼館へと足が向くようになった。喧嘩が絶えなくなり、時にフレールに暴力を振るう事さえあった。

 しかしそれがいけなかったのだろう。ある時、メイソンは偶然舅である前リプトン伯とフレールの会話を盗み聞きしてしまった。メイソンと別れて新たに夫を迎えるべきではないか、と。
 そうなれば、リプトン伯爵位が取り上げられて実家であるドルトン侯爵家に戻されてしまう。では、借金はどうなるのだろうか。それを金貸しの男に相談してみると、署名した名義の問題から、付け替えが終わっていない分はあくまでもメイソンの借金として扱われるとの事だった。

 メイソンは青くなった。
 ただでさえ社交界で恥をかいたと手紙が来ていたのに、借金付きで出戻れば、厳格な父母は絶対に自分を許さないに違いない。下手をすれば身分剥奪の上放逐される事だってあり得る。
 焦燥感の中、自分を誤魔化すように女に溺れた。しかし神はメイソンを見捨てなかった。馴染みの娼館でアン姫の婚約者ザイン・ウィッタードを見かけた時に天啓が下り、ある計画を思い付いたのだ。

 ザインに自分の顔は割れているが、親しくは無い。試しに下級貴族の格好をし、髭とかつらで変装して話し掛けてみると、案の定ザインは自分と気付いた様子は無かった。

 幼少の頃より出来のいい兄と比べられ、常に人の顔色を伺ってきたメイソンは初対面の人間に取り入って仲良くする事は得意だった。ザイン・ウィッタードはこのような場所に来るような男ではない。
 そこでメイソンは見当を付けて「何か重大なお悩みでも?」と持ちかけ、「見知らぬ他人だからこそ話してスッキリされては? お力になれるかも」などと言葉巧みにザイン・ウィッタードから聞き出していった。
 勿論自分も偽りの似たような悩みを打ち明けてみせると、瞬く間に友達となる事に成功する。もっとも、ザインの悩みを聞いた時は余りの羨ましさに殺意を抱いたが。

 キャンディ伯爵家で跡取り息子の婚約者がパーティーを開くと知った時、メイソンは好機と見て行動に移した。貧乏下級貴族の自分は高位貴族のパーティーに縁が無い、一生の思い出として、一度で良いから君の従者として連れて行ってくれないか――そうザイン・ウィッタードに懇願したのだ。

 まんまとザイン・ウィッタードの従者として潜り込んだメイソンは、当初メルローズ姫を攫うつもりだった。まだ幼くメイソン自身の好みからは外れた年齢だが、連れ去ってしまえばこちらのもの。メルローズ姫の命を盾に全てを解決するつもりだった――のに。

 折角の好機は全て水の泡となった。

 もう引き返せない。無断で屋敷に潜入し、既にマリアージュ姫に危害を加えてしまっている。捕まれば犯罪者として処断されるだろう。
 この家から一刻も早く逃げ出して、他国へと亡命しなければ。フレールからも実家からも見放されるであろう自分に帰るべき所は、もうどこにもないのだから。

 「……行ったか?」

 何時の間にか辺りは静けさを取り戻していた。メイソンはそっと茂みから這い出る。何だって自分がこんな目に遭うのか。
 奇妙な木箱が重ねて置いてあるのが目に入った。何故このような林の中に置いてあるのかは分からないが、腹立ち紛れに蹴飛ばす。
 倒れる箱、同時にブゥン…と重低音の響きが幾重にもなって耳に聞こえ、本能的にメイソンの背筋が凍りつく。その音にはある程度の馴染みがあった。蜂や虻等と言った、凶暴な人を刺す虫の羽音。
 何百、千匹というそれらは一斉に平和を乱した犯人――メイソンへと襲い掛かった。

 「ぎゃあああああ――!」

 怒り狂った蜂に追いかけられ、メイソンは堪らず悲鳴を上げて逃げ出した。
 住処を壊された蜂の大群はどこまでも追ってくる。やみくもに走り回ったのがいけなかったのだろう、結果的にメイソンは逃げるべき方向とは逆の方向へと走っていた。池に辿り着き、迷わず飛び込む。蜂も流石に水中までは追って来れない。メイソンは水中で暫く息を止めてやり過ごした。

 「はぁ、はぁ……やっと撒いたか」

 限界まで頑張ってそっと水の上に顔を出すと、蜂は居なくなっていた。池の中に隠れれば追手をやり過ごせるかもと思いついたのはその時である。
 メイソンはそこに生えていた葦の茎を折ってストロー状態にして口に含み、顔に水草を乗せると再び池に沈んだ。

 暫くしない内に、何者かの足音。潜んでいるメイソンに緊張が走る。
 ぽちゃんぽちゃんと何かを水面に撒いているような音。

 「今日はパーティーだから特別だ。お前達の女王様に恩を返す時だぞ」

 男の歌うような声。鯉にでも餌をやっているのか、とメイソンが思った瞬間。
 バサバサッと次々と複数の羽音、そして水鳥達の興奮したような鳴き声がしたかと思うと、メイソンの顔が鳥達の嘴と脚に一斉に蹂躙された。


***


 「――そこで堪らず頭を出した所をボウガンで狙って降伏勧告を出したのでございます」

 「すかさず投網をして捕らえました。今年一番の大物でございました」

 以上が馬の脚共の報告である。メイソンはずぶぬれの状態で縛り上げられ、転がされていた。命懸けの鬼ごっこでぐったりとしているようだ。何を訊いてもだんまりだという。

 「ご苦労だった……」

 複雑な表情で馬の脚共を労う父。カレル兄は引きつった表情でメイソンを見ている。
 あれから、父とカレル兄によって無事を確認された後。襲われた経緯などを話していると、メイソン捕縛の報が入った。そこで私達は庭先に向かい、検分と相成ったのである。
 父は顎に手を当て、ふむ…とメイソンを観察する。

 「それにしてもどうやって忍び込んだのか……格好は下級貴族のようでもあるが。招待客の誰かが引き込んだ……?」

 「旦那様!」

 その時、警備の者が足早に向かって来た。「打ち捨てられておりましたのを見付けました、ご覧下さい!」

 それは、かつらと付け髭だった。「決まりだな。まだパーティーは終わっていない。連れて来た使用人等が行方不明になった客が居ないか探すんだ」

 「ははっ、ただちに!」

 鶴の一声で招待客全員に聞き取りが行われる。結果、メイソンはザイン・ウィッタードが連れて来たのだと判明したのである。
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