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貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
売られた喧嘩は買う。
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グレイ達が帰っていた後。
私は興奮からか、なかなか寝付けないでいた。やっとうとうとしだしたのは真夜中近くになってから。
屋敷のどこかで誰かがざわついている気配がしたが、きっと使用人達が残り物で一杯やってたりするのかも知れない。
***
視界がぐらぐらとしていた。人々が悲鳴を上げたりしているのが遠くに聞こえる。
ここはどこなのか。私は逃れようと体を動かそうとするも、ピクリとも動かない。
ふと、心に浮かんできた思い。
――こんなところで。
食べていくだけでやっとの生活。それでも将来の為に少しずつお金を貯めて、頑張って来た筈なのに。
――何故、何故。
どうしようもない怒りが湧いてくる。神様は理不尽だ。
不安になるようなサイレンが鳴り響き、視界がぐるりと回った。
「肉屋も、豚が消えれば廃業だ」
あの方の声。
***
そこで意識が浮上した。
パチリと目を開けると、もそもそと動いて上半身を起こす。
「……変な夢」
自分が凄く怒っていた事と、あの方の声がしたのは覚えている。目を閉じている時は覚えてたと思ったのに、もう忘れてしまったみたい。
サリーナがやって来たので、いつものように支度をして朝の日課に出る。馬の脚共が待機していたのでお礼を言わねばという事を思い出した。
「前脚、後ろ脚――クジャクの檻を作ってくれたそうだな。ありがとう、礼を言う」
「身に余るお言葉!」
「聖女様のお為とあらば!」
そう。私が修道院通いをするようになって、こいつらは時折聖女呼びをしてくるようになったのである。止めろと言ったのだが、呼ばせて欲しいと特に後ろ脚に懇願された。少なくとも他の人間の目がある所ではやるなと釘を刺した上で許可を出している。
サリーナ曰く、こいつらは気配に聡いしちゃんと弁えるので大丈夫でしょうとの事。確かに先日のギャヴィンと出くわした時も大丈夫だった。
そんな事を思い出しながら、私はクジャクをグレイに頼んだ事を話した。
「近い内にクジャクが来る事になるだろう」
「かしこまりました」
夏が終わり、季節はそろそろ秋の入り口になっている。昼はまだそれなりに日差しが強いが、朝は大分涼しくなっていた。鳥達への餌やりを終え、いざ朝食をと食堂へ向かうと、全員が既に揃っていた。
「やっと来たか」
「皆、マリーちゃんを待ってたのよ…」
開口一番にかけられた声。父サイモンと母ティヴィーナは目の下にクマを作っている。皆、異様な雰囲気だ。
「お、おはよう。どうしたの、皆……」
不気味に思って訊ねると、父が執事に合図をする。執事が花瓶に活けられた薔薇を捧げてこちらに見せて来た。
「薔薇?」
これがどうかしたのだろうか。
首を傾げると、父は頭痛を堪えるようにこめかみを押さえた。
「――昨夜、真夜中近くだ。マリー宛にこの薔薇の花束が届いた」
そう言えば、夜中近く夢うつつにざわざわ騒がしかったような。
それにしても。
私宛、ねぇ……誰か知り合いがいたっけ。まさか、メイソンとか?
「真夜中に送り付けて来るって非常識じゃない? どこの誰よ」
「口を慎め、マリー。王宮からだ」
まさかの不意打ち。
私は驚愕のあまり口をぽかんと開けた。
「お、王宮から!?」
呆然とする私。父は重々しく頷く。
「ああ。差出人は恐れ多くもアルバート第一王子殿下であらせられる。見ての通り、白が一本、ピンクが六本、赤が七本。合計十四本ある。
使者殿の話では、夏は手入れの為に刈り込んでいたそうだが、幾つかついていた蕾が夕方やっと咲いたそうだ」
取りあえず椅子に座ると、付いていたというカードを手渡される。
『先日のお礼と十四の誕生祝いに』という簡潔なメッセージに、バートという殿下の愛称のみ。
これは、どういう事だろうか。私は殿下には先日初めてお目に掛かったばかりでそんなに親しくもないんだけど。
アナベラ姉が思案気に腕を組んだ。
「……合計で十四本と言えば、誇りという意味がありますけれど、これは普通に考えてマリーの年齢ですわよね。ただ、取りあえずの間に合わせで咲いた分だけの薔薇を組み合わされたのなら良いのですけれど、もし、これが意味を持っていたとしたら……」
「一本は一目惚れ。六本はお互いに敬い、愛し、分かり合おう。七本は…密やかな愛……」
顔色の悪いアン姉が呟く。アナベラ姉はそうねと頷いた。
「色を組み合わせたら、『清純な貴女に一目惚れしました。可愛い人、恋を誓おう。お互いに敬い、愛し分かり合いたい。美しい貴女に密かに恋しています』という事になるわね」
「マリーお姉ちゃま、王子様と結婚するの?」
「じゃあ、グレイ義兄様はどうなるの?」
イサークとメルローズの不安そうな言葉。最悪な未来予想図が脳裏を去来し、思わずぞわっとして私は自分を掻き抱いた。
無理、無理無理無理! 始終人目に晒されて窮屈な生活の上、初夜公開処刑は絶対に嫌ぁぁぁぁ!
それに、殿下やギャヴィンタイプの人間味の薄い美貌は私の好みではない。私の外見もどちらかというとそっちに近い人形タイプだが、同族嫌悪というやつか。
一方グレイは僅かに散ったそばかすが素朴な人間味を出しているから好き。義兄アールも血の通った美しさだから好みである。
「待って、殿下はマリーに婚約者がいる事はちゃんとご存じの筈よ! マリーに会ってみたいと仰られた時、私がそう申し上げたんですもの。薔薇もただ咲いた物で状態の良い物をマリーの年齢分選んだだけで特に意味が込められているとは思えませんわ!」
アン姉が慌てて言い募ると、カレル兄が唸った。
「さあ、どうだかな。子爵家との婚約は殿下が本当にマリーを望めば破棄させる事が出来てしまう。本当に偶然咲いたものを間に合わせたのか、それとも意味を込めたのか……」
考え込んだカレル兄。トーマス兄も頷いた。
「そこが一番の問題だな。どっちの意味でも解釈出来る」
その言葉に私はハッとする。
そうか!
「つまり、後でどうとでも良い訳出来そうな贈り物ね。という事は、こちらがどう受け取っても構わないという事」
私はそこに思い当たって思わず舌打ちをした。そうなると、愛称での署名もまた、『親密にして欲しいから愛称を使った』『大袈裟にしたくなかったので、王子としてではなくアルバート個人として親しみを込めた』のどちらでも取れる。
いや、と思う。
あの穏やかそうな殿下が、こんな手の込んだ性格の悪そうな事を。わざわざ一度会っただけの怨恨も無い小娘にするだろうか?
もし、これがあのギャヴィンの仕業だとしたら?
――ウエッジウッド子爵には気を付けた方が良いね。
グレイの言葉が脳裏に蘇る。
「殿下、明日はマリアージュ姫の誕生日だそうです」
「おお、それでは先日意見を貰ったお礼も兼ねてなにか贈り物をしなければならないね」
「それでしたら私にお任せください……薔薇がお好きだそうなので(ほくそ笑み)」
「じゃあ頼んだよ」
……とかいうやりとりがあったのかも。
あ り う る。
そして奴は真夜中のタイミングを狙ってひっそりと薔薇を送り込んで来た……。という事は、昼間だと目撃者がいるかも知れないし、社交界に広まる可能性もあるが故なのだろう。
つまり殿下の醜聞は避けたいと。
野郎……。
私はぎりぎり、と奥歯を噛みしめた。ハッキリ嫌いだと言ったのを根に持っているのかは知らんが、全く舐めた真似をしてくれる。
「私、アルバート殿下にお礼のお手紙を書くわ。『色とりどりの薔薇をありがとうございます、グレイとの結婚式には是非ご来駕賜りますよう』と招待状を添えて」
ちなみにギャヴィンの分の招待状は付けない。これは売られた喧嘩なのだ。
ギャヴィンの分の招待状で、あちらが若干困惑する事も考慮している。殿下に奴の分が無いと言われれば、しれっと「子爵の分は後で別個にお送りするつもりでしたー(テヘペロ)」と言い訳すれば良いのだから。
勿論、後日になってもギャヴィンに結婚式の招待状を出す気はさらさらない。
ギャヴィンめ、今に覚えてけつかれ!
-----------------------------------------------------------
【後書き】ご質問が多かったので…。
※ギャヴィンめ、今に覚えてけつかれ! → ギャヴィンめ、今に覚えていやぁがれ!
というような意味です。
***
https://ja.wikipedia.org/wiki/近畿方言
侮蔑語
近畿方言の侮蔑語としては「くさる」「さらす」「けつかる」などがあり、なかでも「けつかる」は非常に強烈な悪態語である。「くさる」は連用形と「て」に、「さらす」は連用形に、「けつかる」は「て」に付けて用いる。「けつかる」単体では「ある」「いる」の卑語(ただしほぼ死語)を、「さらす」単体では「する」の卑語を表す。
私は興奮からか、なかなか寝付けないでいた。やっとうとうとしだしたのは真夜中近くになってから。
屋敷のどこかで誰かがざわついている気配がしたが、きっと使用人達が残り物で一杯やってたりするのかも知れない。
***
視界がぐらぐらとしていた。人々が悲鳴を上げたりしているのが遠くに聞こえる。
ここはどこなのか。私は逃れようと体を動かそうとするも、ピクリとも動かない。
ふと、心に浮かんできた思い。
――こんなところで。
食べていくだけでやっとの生活。それでも将来の為に少しずつお金を貯めて、頑張って来た筈なのに。
――何故、何故。
どうしようもない怒りが湧いてくる。神様は理不尽だ。
不安になるようなサイレンが鳴り響き、視界がぐるりと回った。
「肉屋も、豚が消えれば廃業だ」
あの方の声。
***
そこで意識が浮上した。
パチリと目を開けると、もそもそと動いて上半身を起こす。
「……変な夢」
自分が凄く怒っていた事と、あの方の声がしたのは覚えている。目を閉じている時は覚えてたと思ったのに、もう忘れてしまったみたい。
サリーナがやって来たので、いつものように支度をして朝の日課に出る。馬の脚共が待機していたのでお礼を言わねばという事を思い出した。
「前脚、後ろ脚――クジャクの檻を作ってくれたそうだな。ありがとう、礼を言う」
「身に余るお言葉!」
「聖女様のお為とあらば!」
そう。私が修道院通いをするようになって、こいつらは時折聖女呼びをしてくるようになったのである。止めろと言ったのだが、呼ばせて欲しいと特に後ろ脚に懇願された。少なくとも他の人間の目がある所ではやるなと釘を刺した上で許可を出している。
サリーナ曰く、こいつらは気配に聡いしちゃんと弁えるので大丈夫でしょうとの事。確かに先日のギャヴィンと出くわした時も大丈夫だった。
そんな事を思い出しながら、私はクジャクをグレイに頼んだ事を話した。
「近い内にクジャクが来る事になるだろう」
「かしこまりました」
夏が終わり、季節はそろそろ秋の入り口になっている。昼はまだそれなりに日差しが強いが、朝は大分涼しくなっていた。鳥達への餌やりを終え、いざ朝食をと食堂へ向かうと、全員が既に揃っていた。
「やっと来たか」
「皆、マリーちゃんを待ってたのよ…」
開口一番にかけられた声。父サイモンと母ティヴィーナは目の下にクマを作っている。皆、異様な雰囲気だ。
「お、おはよう。どうしたの、皆……」
不気味に思って訊ねると、父が執事に合図をする。執事が花瓶に活けられた薔薇を捧げてこちらに見せて来た。
「薔薇?」
これがどうかしたのだろうか。
首を傾げると、父は頭痛を堪えるようにこめかみを押さえた。
「――昨夜、真夜中近くだ。マリー宛にこの薔薇の花束が届いた」
そう言えば、夜中近く夢うつつにざわざわ騒がしかったような。
それにしても。
私宛、ねぇ……誰か知り合いがいたっけ。まさか、メイソンとか?
「真夜中に送り付けて来るって非常識じゃない? どこの誰よ」
「口を慎め、マリー。王宮からだ」
まさかの不意打ち。
私は驚愕のあまり口をぽかんと開けた。
「お、王宮から!?」
呆然とする私。父は重々しく頷く。
「ああ。差出人は恐れ多くもアルバート第一王子殿下であらせられる。見ての通り、白が一本、ピンクが六本、赤が七本。合計十四本ある。
使者殿の話では、夏は手入れの為に刈り込んでいたそうだが、幾つかついていた蕾が夕方やっと咲いたそうだ」
取りあえず椅子に座ると、付いていたというカードを手渡される。
『先日のお礼と十四の誕生祝いに』という簡潔なメッセージに、バートという殿下の愛称のみ。
これは、どういう事だろうか。私は殿下には先日初めてお目に掛かったばかりでそんなに親しくもないんだけど。
アナベラ姉が思案気に腕を組んだ。
「……合計で十四本と言えば、誇りという意味がありますけれど、これは普通に考えてマリーの年齢ですわよね。ただ、取りあえずの間に合わせで咲いた分だけの薔薇を組み合わされたのなら良いのですけれど、もし、これが意味を持っていたとしたら……」
「一本は一目惚れ。六本はお互いに敬い、愛し、分かり合おう。七本は…密やかな愛……」
顔色の悪いアン姉が呟く。アナベラ姉はそうねと頷いた。
「色を組み合わせたら、『清純な貴女に一目惚れしました。可愛い人、恋を誓おう。お互いに敬い、愛し分かり合いたい。美しい貴女に密かに恋しています』という事になるわね」
「マリーお姉ちゃま、王子様と結婚するの?」
「じゃあ、グレイ義兄様はどうなるの?」
イサークとメルローズの不安そうな言葉。最悪な未来予想図が脳裏を去来し、思わずぞわっとして私は自分を掻き抱いた。
無理、無理無理無理! 始終人目に晒されて窮屈な生活の上、初夜公開処刑は絶対に嫌ぁぁぁぁ!
それに、殿下やギャヴィンタイプの人間味の薄い美貌は私の好みではない。私の外見もどちらかというとそっちに近い人形タイプだが、同族嫌悪というやつか。
一方グレイは僅かに散ったそばかすが素朴な人間味を出しているから好き。義兄アールも血の通った美しさだから好みである。
「待って、殿下はマリーに婚約者がいる事はちゃんとご存じの筈よ! マリーに会ってみたいと仰られた時、私がそう申し上げたんですもの。薔薇もただ咲いた物で状態の良い物をマリーの年齢分選んだだけで特に意味が込められているとは思えませんわ!」
アン姉が慌てて言い募ると、カレル兄が唸った。
「さあ、どうだかな。子爵家との婚約は殿下が本当にマリーを望めば破棄させる事が出来てしまう。本当に偶然咲いたものを間に合わせたのか、それとも意味を込めたのか……」
考え込んだカレル兄。トーマス兄も頷いた。
「そこが一番の問題だな。どっちの意味でも解釈出来る」
その言葉に私はハッとする。
そうか!
「つまり、後でどうとでも良い訳出来そうな贈り物ね。という事は、こちらがどう受け取っても構わないという事」
私はそこに思い当たって思わず舌打ちをした。そうなると、愛称での署名もまた、『親密にして欲しいから愛称を使った』『大袈裟にしたくなかったので、王子としてではなくアルバート個人として親しみを込めた』のどちらでも取れる。
いや、と思う。
あの穏やかそうな殿下が、こんな手の込んだ性格の悪そうな事を。わざわざ一度会っただけの怨恨も無い小娘にするだろうか?
もし、これがあのギャヴィンの仕業だとしたら?
――ウエッジウッド子爵には気を付けた方が良いね。
グレイの言葉が脳裏に蘇る。
「殿下、明日はマリアージュ姫の誕生日だそうです」
「おお、それでは先日意見を貰ったお礼も兼ねてなにか贈り物をしなければならないね」
「それでしたら私にお任せください……薔薇がお好きだそうなので(ほくそ笑み)」
「じゃあ頼んだよ」
……とかいうやりとりがあったのかも。
あ り う る。
そして奴は真夜中のタイミングを狙ってひっそりと薔薇を送り込んで来た……。という事は、昼間だと目撃者がいるかも知れないし、社交界に広まる可能性もあるが故なのだろう。
つまり殿下の醜聞は避けたいと。
野郎……。
私はぎりぎり、と奥歯を噛みしめた。ハッキリ嫌いだと言ったのを根に持っているのかは知らんが、全く舐めた真似をしてくれる。
「私、アルバート殿下にお礼のお手紙を書くわ。『色とりどりの薔薇をありがとうございます、グレイとの結婚式には是非ご来駕賜りますよう』と招待状を添えて」
ちなみにギャヴィンの分の招待状は付けない。これは売られた喧嘩なのだ。
ギャヴィンの分の招待状で、あちらが若干困惑する事も考慮している。殿下に奴の分が無いと言われれば、しれっと「子爵の分は後で別個にお送りするつもりでしたー(テヘペロ)」と言い訳すれば良いのだから。
勿論、後日になってもギャヴィンに結婚式の招待状を出す気はさらさらない。
ギャヴィンめ、今に覚えてけつかれ!
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【後書き】ご質問が多かったので…。
※ギャヴィンめ、今に覚えてけつかれ! → ギャヴィンめ、今に覚えていやぁがれ!
というような意味です。
***
https://ja.wikipedia.org/wiki/近畿方言
侮蔑語
近畿方言の侮蔑語としては「くさる」「さらす」「けつかる」などがあり、なかでも「けつかる」は非常に強烈な悪態語である。「くさる」は連用形と「て」に、「さらす」は連用形に、「けつかる」は「て」に付けて用いる。「けつかる」単体では「ある」「いる」の卑語(ただしほぼ死語)を、「さらす」単体では「する」の卑語を表す。
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