80 / 690
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
非常識も徐々に慣らせば常識になるのです。
しおりを挟む
どうしよう。そうなれば大事な大事なニート生活に支障が入りまくりだ。
私はしばし考える。
「……というか。いきなり国王様とか教皇様とか。話が急ぎすぎだと思うわ。もっと人員を増やして歴史と記録を調べて確実性を高めなければ、奏上したところでホラだと思われて反対に罰せられるのではないの?」
ひとまず時間稼ぎをする事にした。『かも知れない』の段階では不確実だ。もし何も起こらなかったら責任を問われるのも嫌なんだけど。
私の言葉に父も「確かにそうだ」と言う。
「いずれにせよ、人を増やさねばなるまい」
「うんうん! で、その間に話の出所を何とかでっち上げられれば。そう……例えば行きずりの外国の旅人なんかに。マリーはずっとお家に引っ込んでいるの! 社交界でさえ嫌なのに、偉い人の前になんか尚更怖くて出たくないんだもんねー!」
腰に手をあて、ふふんと威張って言う。名も無き外国の旅人であれば調べようがない。それに、ヤバい時代が来るっていう証拠さえ揃えばその対策で忙しくなり、話の出所なんてどうでも良くなる……と良いな。
「……お前、グレイが居る事を忘れているな」
呆れたようなトーマス兄のツッコミ。私ははっと我に返ってばっとグレイの方を振り返る。
彼は目を丸くして私を見ていた。
あっ……。
***
つんつん。つんつん。
私の頬っぺたが突かれている。先だっての報復なのか。
クスクスと忍び笑いをされるも私は頬を熱くして視線を逸らすしかない。グレイ以外は家族で気が緩み過ぎていたと思う。素の物言いをよりによってグレイに知られてしまったのだ。恥ずかしすぎる。
「あれがいつものマリーなんだね」
初めて見たよ、と若干黒さの入った笑顔で言うグレイ。私はとうとう耐え切れずに顔を覆った。
「ううう、言わないで。グレイの意地悪」
「僕にもいつものマリーで居てくれていいよ。ゆくゆくは夫婦になるんだし。どんなマリーでも、僕は受け入れるから」
「……本当に?」
「うん」
だが、彼が見たのはほんの一部だ。ハリボテライドや鳥の餌やりの実態を見てもそう言えるのだろうか。狂ったようにヘッドバンギングをしながら「豚共ォ!」とシャウトしても受け入れてくれる?
……いや、何事にも限度はあるか。いずれバレる事でも逃げられないよう、徐々に、徐々に慣らして行かなければな。
やや変態チックな思考で茹でガエル作戦を考えながら、私は「……ありがとう」と微笑みを返してグレイに抱き着いた。
結局、あれから私の時間稼ぎ案が採用され、我が家では歴史を、そして修道院では記録を精査する事に落ち着いた。祖父と兄達が動いてくれる事になったのだ。
歴史は王城の図書館で詳しい資料を探し、修道院は歴史調査だのなんだの適当な理由を付けて日誌を閲覧させて貰う。その間に父がこの件の出所である私の名前が出ない方法を何とか探すとの事。
きっと、父達に任せておけば心配ないだろう。
グレイをそっと離すと、「ところでさ、蓮の花は何時見に来るの?」と訊かれた。
「グレイの都合は?」
「ええっと、僕の予定は――」
訊き返すと、彼が時間が取れる日時を告げられた。比較的ゆっくり時間が取れそうなのは六日後だそう。それぐらいが良さそうだ。
蓮と言えば、早朝にポンと音を立てて開くと聞く。興味があったものの私は前世では見る機会がついぞ無かった事を思い出す。
「花の蕾ってまだ結構ありそう?」
「うん」
「じゃあ、早朝が良いわ。うんと早起きしてグレイの家に行って、花が開くところを見てみたいの」
「なら、僕も早起きしなきゃ」
こうして、蓮デートが決まった。実に楽しみである。
***
何事も無く、六日後の蓮デートの日がやってきた。
今日ばかりは鳥達に餌はやれないので、使用人に餌やりを頼んでいる。朝早く、暗い内から起き出した私は、蓮の花を連想させるような薄衣の桃色グラデーションを重ねた薄手のドレスで身支度を整える。馬車に乗り込むとルフナー子爵家へと向かった。
早朝だし、身内なので出迎え等も不要ですと言って貰っていたのだが、子爵邸の玄関ではグレイと義母レピーシェが出迎えてくれていた。
「おはようございます。お義母様、お久しぶりでございます。お元気でしたでしょうか」
挨拶に加え、早速わざわざ早朝に出迎えて貰った事とレンコンの件のお礼を述べる。義母レピーシェは挨拶を返し、「マリーちゃんもお元気そうで良かったわ」と微笑んだ。
「まさかあの花の根っこが食べられるなんて。グレイから聞いた時は吃驚したわ」
「今日はその確認も兼ねて参りましたの。でも恐らく私の思う植物で間違いないと思いますわ」
義母は朝食を用意するので、後で一緒にねと言って去って行った。私とグレイは蓮が植えられているエリアへ移動する。
うちに比べたら小ぶりだが、それなりの大きさの池があった。そのほぼ全面に大きな葉っぱが埋め尽くされ、所々桃色の花や蕾が顔を覗かせている。それは正しく――
「蓮だわ、間違いない」
花が散ってしまったのか、まだ青い蓮の実もちらほらとある。蓮の実も食べられるそうなんだけど、私にはそのやり方が分からなかった。
「じゃあ根っこが食べられるんだね」
「ええ、楽しみ。あっ、あの蕾は今にも咲きそうね。花が開く時は音がするらしいの。静かにしてましょう」
唇に人差し指を当ててしーっとやる。静かになったところでじっと耳を澄ませる。
風の音、そしてピィピィと小鳥の鳴き声が聞こえる以外は静かになった。
――と。
かそけき音がして、花が開いた。
「あっ、本当だ。音がしたね!」
「ええ、聞こえた!」
ポンという音かと思ったけど、実際に聞くとパサッという感じ。
私達は顔を見合わせると、笑顔になって小さな感動を分かち合った。
私はしばし考える。
「……というか。いきなり国王様とか教皇様とか。話が急ぎすぎだと思うわ。もっと人員を増やして歴史と記録を調べて確実性を高めなければ、奏上したところでホラだと思われて反対に罰せられるのではないの?」
ひとまず時間稼ぎをする事にした。『かも知れない』の段階では不確実だ。もし何も起こらなかったら責任を問われるのも嫌なんだけど。
私の言葉に父も「確かにそうだ」と言う。
「いずれにせよ、人を増やさねばなるまい」
「うんうん! で、その間に話の出所を何とかでっち上げられれば。そう……例えば行きずりの外国の旅人なんかに。マリーはずっとお家に引っ込んでいるの! 社交界でさえ嫌なのに、偉い人の前になんか尚更怖くて出たくないんだもんねー!」
腰に手をあて、ふふんと威張って言う。名も無き外国の旅人であれば調べようがない。それに、ヤバい時代が来るっていう証拠さえ揃えばその対策で忙しくなり、話の出所なんてどうでも良くなる……と良いな。
「……お前、グレイが居る事を忘れているな」
呆れたようなトーマス兄のツッコミ。私ははっと我に返ってばっとグレイの方を振り返る。
彼は目を丸くして私を見ていた。
あっ……。
***
つんつん。つんつん。
私の頬っぺたが突かれている。先だっての報復なのか。
クスクスと忍び笑いをされるも私は頬を熱くして視線を逸らすしかない。グレイ以外は家族で気が緩み過ぎていたと思う。素の物言いをよりによってグレイに知られてしまったのだ。恥ずかしすぎる。
「あれがいつものマリーなんだね」
初めて見たよ、と若干黒さの入った笑顔で言うグレイ。私はとうとう耐え切れずに顔を覆った。
「ううう、言わないで。グレイの意地悪」
「僕にもいつものマリーで居てくれていいよ。ゆくゆくは夫婦になるんだし。どんなマリーでも、僕は受け入れるから」
「……本当に?」
「うん」
だが、彼が見たのはほんの一部だ。ハリボテライドや鳥の餌やりの実態を見てもそう言えるのだろうか。狂ったようにヘッドバンギングをしながら「豚共ォ!」とシャウトしても受け入れてくれる?
……いや、何事にも限度はあるか。いずれバレる事でも逃げられないよう、徐々に、徐々に慣らして行かなければな。
やや変態チックな思考で茹でガエル作戦を考えながら、私は「……ありがとう」と微笑みを返してグレイに抱き着いた。
結局、あれから私の時間稼ぎ案が採用され、我が家では歴史を、そして修道院では記録を精査する事に落ち着いた。祖父と兄達が動いてくれる事になったのだ。
歴史は王城の図書館で詳しい資料を探し、修道院は歴史調査だのなんだの適当な理由を付けて日誌を閲覧させて貰う。その間に父がこの件の出所である私の名前が出ない方法を何とか探すとの事。
きっと、父達に任せておけば心配ないだろう。
グレイをそっと離すと、「ところでさ、蓮の花は何時見に来るの?」と訊かれた。
「グレイの都合は?」
「ええっと、僕の予定は――」
訊き返すと、彼が時間が取れる日時を告げられた。比較的ゆっくり時間が取れそうなのは六日後だそう。それぐらいが良さそうだ。
蓮と言えば、早朝にポンと音を立てて開くと聞く。興味があったものの私は前世では見る機会がついぞ無かった事を思い出す。
「花の蕾ってまだ結構ありそう?」
「うん」
「じゃあ、早朝が良いわ。うんと早起きしてグレイの家に行って、花が開くところを見てみたいの」
「なら、僕も早起きしなきゃ」
こうして、蓮デートが決まった。実に楽しみである。
***
何事も無く、六日後の蓮デートの日がやってきた。
今日ばかりは鳥達に餌はやれないので、使用人に餌やりを頼んでいる。朝早く、暗い内から起き出した私は、蓮の花を連想させるような薄衣の桃色グラデーションを重ねた薄手のドレスで身支度を整える。馬車に乗り込むとルフナー子爵家へと向かった。
早朝だし、身内なので出迎え等も不要ですと言って貰っていたのだが、子爵邸の玄関ではグレイと義母レピーシェが出迎えてくれていた。
「おはようございます。お義母様、お久しぶりでございます。お元気でしたでしょうか」
挨拶に加え、早速わざわざ早朝に出迎えて貰った事とレンコンの件のお礼を述べる。義母レピーシェは挨拶を返し、「マリーちゃんもお元気そうで良かったわ」と微笑んだ。
「まさかあの花の根っこが食べられるなんて。グレイから聞いた時は吃驚したわ」
「今日はその確認も兼ねて参りましたの。でも恐らく私の思う植物で間違いないと思いますわ」
義母は朝食を用意するので、後で一緒にねと言って去って行った。私とグレイは蓮が植えられているエリアへ移動する。
うちに比べたら小ぶりだが、それなりの大きさの池があった。そのほぼ全面に大きな葉っぱが埋め尽くされ、所々桃色の花や蕾が顔を覗かせている。それは正しく――
「蓮だわ、間違いない」
花が散ってしまったのか、まだ青い蓮の実もちらほらとある。蓮の実も食べられるそうなんだけど、私にはそのやり方が分からなかった。
「じゃあ根っこが食べられるんだね」
「ええ、楽しみ。あっ、あの蕾は今にも咲きそうね。花が開く時は音がするらしいの。静かにしてましょう」
唇に人差し指を当ててしーっとやる。静かになったところでじっと耳を澄ませる。
風の音、そしてピィピィと小鳥の鳴き声が聞こえる以外は静かになった。
――と。
かそけき音がして、花が開いた。
「あっ、本当だ。音がしたね!」
「ええ、聞こえた!」
ポンという音かと思ったけど、実際に聞くとパサッという感じ。
私達は顔を見合わせると、笑顔になって小さな感動を分かち合った。
261
お気に入りに追加
5,691
あなたにおすすめの小説

追放された令嬢は愛し子になりました。
豆狸
恋愛
「婚約破棄した上に冤罪で追放して悪かった! だが私は魅了から解放された。そなたを王妃に迎えよう。だから国へ戻ってきて助けてくれ!」
「……国王陛下が頭を下げてはいけませんわ。どうかお顔を上げてください」
「おお!」
顔を上げた元婚約者の頬に、私は全体重をかけた右の拳を叩き込んだ。
なろう様でも公開中です。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。

〖完結〗私は旦那様には必要ないようですので国へ帰ります。
藍川みいな
恋愛
辺境伯のセバス・ブライト侯爵に嫁いだミーシャは優秀な聖女だった。セバスに嫁いで3年、セバスは愛人を次から次へと作り、やりたい放題だった。
そんなセバスに我慢の限界を迎え、離縁する事を決意したミーシャ。
私がいなければ、あなたはおしまいです。
国境を無事に守れていたのは、聖女ミーシャのおかげだった。ミーシャが守るのをやめた時、セバスは破滅する事になる…。
設定はゆるゆるです。
本編8話で完結になります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【短編】追放された聖女は王都でちゃっかり暮らしてる「新聖女が王子の子を身ごもった?」結界を守るために元聖女たちが立ち上がる
みねバイヤーン
恋愛
「ジョセフィーヌ、聖なる力を失い、新聖女コレットの力を奪おうとした罪で、そなたを辺境の修道院に追放いたす」謁見の間にルーカス第三王子の声が朗々と響き渡る。
「異議あり!」ジョセフィーヌは間髪を入れず意義を唱え、証言を述べる。
「証言一、とある元聖女マデリーン。殿下は十代の聖女しか興味がない。証言二、とある元聖女ノエミ。殿下は背が高く、ほっそりしてるのに出るとこ出てるのが好き。証言三、とある元聖女オードリー。殿下は、手は出さない、見てるだけ」
「ええーい、やめーい。不敬罪で追放」
追放された元聖女ジョセフィーヌはさっさと王都に戻って、魚屋で働いてる。そんな中、聖女コレットがルーカス殿下の子を身ごもったという噂が。王国の結界を守るため、元聖女たちは立ち上がった。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。