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貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
鳴かぬ蛍がムラムラと。
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思わず口を突いて本心が出た。一瞬の後、あっと羞恥を感じてしまう。グレイもトマトのように顔を赤くしていた。
「そ、そんなに喜んで貰えて良かったよ。僕も、マリーが好きだから」
照れ隠しなのかどことなくぶっきらぼうな様子で視線を逸らされる。お互いどこかぎくしゃくしながら外へ向かった。
***
池の畔に私達はやってきていた。
ゆったりとした清流が池に流れ込んでいる。周辺には木や草が生い茂り、植物の青々とした香りが大気に混じっていた。
我が家の趣向で使用人達が小さなカンテラを持って控えている。サリーナが声を掛ければ、まだ蛍は出てきていないらしい。
蛍を見に来たのであろう、招待客らしき人影が何組かそぞろ歩いていて、その時を待っていた。カップルが多い。
「こちらへどうぞ」
案内された先にはテーブルとベンチが置かれ、お茶の用意が整えられている。
そう、私がグレイとお茶を楽しみながら蛍観賞しようと思って席を用意させていたのだ。
ベンチなので対面ではなく、隣り合って座る事になる。
「グレイ、挨拶回り大変だったでしょう。お腹が空いてたりしない?」
「実は食べる暇も無かったからペコペコなんだ」
「良かった、軽食も多めに用意させてるの。食べて」
うむ、先読みして多めに作らせておいて良かった。グレイは礼を言ってサンドイッチに手を付ける。ローストチキンを挟んでいるから腹持ちは悪くないだろう。
彼が食事に勤しんでいる間、私は紅茶をゆったりと楽しんだ。
「そう言えば、マリー。望遠鏡なんだけど。最近やっと出来上がったから、早速知り合いに託してきたよ」
「まあ、ありがとう」
「後、お爺様に小さい周期について聞いてみたんだ。そうしたら確かに十数年に一度くらい物が売れなくなるってさ。だから商会も、その兆候に気を付けながら商売をしてきたんだって。マリーは凄いね、当たってるよ」
前回は十年程前だったらしい。そろそろ来るかも、と。まだグレイは幼かった筈だ。知らなくても無理はない。
「グレイの小さな頃ってどんな感じだったのかしら」
ふと興味を持って聞いてみると、
「ええ? 別に普通だよ。僕はマリーの小さな頃の方がずっと気になるんだけど」
と返される。
うーん、簡単に答えてくれなさそう。今度義兄アールに訊いてみようかな。
と。
悲鳴のようなどよめきが上がった。川に視線を向けると、草むらや木の中の闇にチリリとした光が灯った。
それはどんどん数を増していき、同調しながら明滅を繰り返す。やがて飛びまわる個体が現れ、辺りは幻想的な光景が広がった。
いつ見てもこれには言葉を失う。前世は蛍なんてあまり見なかった。しかもこんな大群乱舞、見た事もなかったのだ。
物心ついた時から蛍観賞は毎年しているが、その度に繰り広げられる生命の神秘にすっかり魅了され、目を奪われてしまっている。
自然が汚染されず豊かな世界だからこその奇跡。
「綺麗……」
「うん…」
何となしに私達は近づき寄り添う。グレイが手を重ねて来たので握り合った。
そのまま二人して言葉少なに蛍を眺める。
水の流れる音、蛙や虫の声。遠くからは楽団の奏でるダンス曲が幽く聞こえていた。
蛍の光はまだまだ増えていっていた。私達の座っている席の周囲もかなりの数が飛んで来ている。
ふと、目の前を過る光に、前世の事を思い出した。
古来、蛍火は魂……霊魂が虫になった存在。
死んだ瞬間の記憶もなく、いきなり転生していたような自分。あれからあちらではどうなっただろうか。一人暮らしだった自分の亡骸は腐乱死体で見つかったりしたのだろうか。家族は私の死をどう受け止めたのだろう。
いや、と思う。
本当に、死んだ瞬間の記憶が無いのだろうか? もしかして忘れただけなのでは?
私はぞくりと足元から這い上がるような悪寒を覚えた。思わずグレイの手を強く握る。
「どうしたの?」
「お願い、抱きしめて」
私は震える声で言って、グレイに凭れ掛かる。
何事かを感じたのか、彼は黙って腕を回してくれた。心臓の音が聞こえる。暫くそうしていると、気分が少し落ち着いてきた。
体をゆっくりと起こす。
「……ありがとう、グレイ」
「蛍は不吉な言い伝えもあるけど、怖くないよマリー。ほら、地上に落ちて来た星を捕まえた」
グレイは言って、目の前に丸めた手を差し出して来た。そこには光を放つ蛍。
「手を出して、はい」
言われるままに差し出すと、私の掌に蛍が移される。それは明滅しながら暫く動いていたが、飽きたのかすぐに羽を広げ、音もなくまた飛んで行った。
「可愛いね」
「ええ」
同意すると、頬に温かいものが触れ、そちらを向かされた。
「マリーの事だよ」
熱っぽい吐息と共にかけられた言葉にドキリとする。
グレイの顔がゆっくりと近づいて来て、私も瞼を落とし――。
***
――かけた、その時である。
「んまあ、ご覧になってピュシス夫人。これがかの噂に聞くキャンディ伯爵家の蛍ですのね。素敵ですわ!」
誰かの声が聞こえてきて、お互い慌ててばっと身を離す。
そちらを見ると結構離れた場所に女性らしき人影が数人程見えた。声や話しぶりからしておばちゃんっぽい。
「まあ、エピテュミア夫人。本当に凄いですわぁ! 蛍って雄が雌を求めて光っているのよねぇ?」
「ええ、そうざますわピュシス夫人。きっと湧き上がる性欲にムラムラして光っているに違いないざます、ムラムラと」
「あらあ、お二人ともお下品ですわね、そこは情熱と言わなくちゃ。でもホルメー夫人の仰る通り、光り方がムラムラとした感じですわね」
ムラムラ、ムラムラ。
ムラムラ連呼され、今まさにキスしかけていた身からすれば何とも言えない気持ちになる。おばちゃん達(確定)は、かなり大きな声で話しているのかはっきりと聞こえて来ていた。
更に極めつけはブゥーッとおなららしき音。かなりデカいぞ。キャンキャンッと犬が吠えた。小型犬を連れているらしい。
という事は……屁っこき夫人、しかも常習犯が居るな。誰だ?
気になって仕方が無い。おばちゃん達の会話は尚も続く。
「あんらぁ。うふふ、うちのガスィーちゃんがごめんあそばせぇ」
「別に構わないざます、外なんだし取り繕わなくとも」
「はぁ~、最近シモが緩くてしかたないのよねぇ~」
「まあ、蛍のように熱い夜を過ごしていらっしゃるのかしら?」
「おほほほ、そんなご冗談を。宅のモノが今でも使いものになると思ってぇ?」
「きゃあ、嫌らしいわピュシス夫人ったら。他の方々もいらっしゃるのに」
「あら、そうねぇ。恥ずかしいわぁ、噂になるからひそひそ声にしなくっちゃあ」
……もう手遅れだと思います。
おばちゃん達は今更ながら声を潜めた。しかしまだ耳を澄ませばはっきり聞こえる声量である。
屁っこき夫人はピュシス夫人だった模様。インパクトが強烈過ぎて彼女の名は脳細胞に刻まれてしまった。一生忘れられなさそう。
そう思ってグレイに視線を戻せば、彼はベンチの手すりに打ちひしがれたように顔を突っ伏していた。
そりゃそうだろうなぁ。さっきまで良い雰囲気だったのに完全にぶち壊しだもの。蛍の幻想的な光景も強烈なおばちゃんパワーの前には形無しだ。
恐る恐る声を掛けてみる。
「だ、大丈夫?」
「……大丈夫じゃないかも」
喉の奥から絞り出すような声。これは相当落ち込んでいるみたいだ。
彼には悪いが、この状況凄い笑えてくるんだけど。
「もしかしてグレイもムラムラしているの?」
堪え切れず笑い交じりに訊けば、「酷いよ、マリー」と力無く返される。しかしグレイもだんだんおかしくなってきたのだろう。その姿勢のまま肩を震わせ始め、いつまでも笑っていた。
【後書き】
宅:他人に対し、妻が夫を指して言う言葉。
夫人の名前はギリシャ語がネタ。
ピュシス:本能
ホルメー:衝動
エピテュミア:欲望
「そ、そんなに喜んで貰えて良かったよ。僕も、マリーが好きだから」
照れ隠しなのかどことなくぶっきらぼうな様子で視線を逸らされる。お互いどこかぎくしゃくしながら外へ向かった。
***
池の畔に私達はやってきていた。
ゆったりとした清流が池に流れ込んでいる。周辺には木や草が生い茂り、植物の青々とした香りが大気に混じっていた。
我が家の趣向で使用人達が小さなカンテラを持って控えている。サリーナが声を掛ければ、まだ蛍は出てきていないらしい。
蛍を見に来たのであろう、招待客らしき人影が何組かそぞろ歩いていて、その時を待っていた。カップルが多い。
「こちらへどうぞ」
案内された先にはテーブルとベンチが置かれ、お茶の用意が整えられている。
そう、私がグレイとお茶を楽しみながら蛍観賞しようと思って席を用意させていたのだ。
ベンチなので対面ではなく、隣り合って座る事になる。
「グレイ、挨拶回り大変だったでしょう。お腹が空いてたりしない?」
「実は食べる暇も無かったからペコペコなんだ」
「良かった、軽食も多めに用意させてるの。食べて」
うむ、先読みして多めに作らせておいて良かった。グレイは礼を言ってサンドイッチに手を付ける。ローストチキンを挟んでいるから腹持ちは悪くないだろう。
彼が食事に勤しんでいる間、私は紅茶をゆったりと楽しんだ。
「そう言えば、マリー。望遠鏡なんだけど。最近やっと出来上がったから、早速知り合いに託してきたよ」
「まあ、ありがとう」
「後、お爺様に小さい周期について聞いてみたんだ。そうしたら確かに十数年に一度くらい物が売れなくなるってさ。だから商会も、その兆候に気を付けながら商売をしてきたんだって。マリーは凄いね、当たってるよ」
前回は十年程前だったらしい。そろそろ来るかも、と。まだグレイは幼かった筈だ。知らなくても無理はない。
「グレイの小さな頃ってどんな感じだったのかしら」
ふと興味を持って聞いてみると、
「ええ? 別に普通だよ。僕はマリーの小さな頃の方がずっと気になるんだけど」
と返される。
うーん、簡単に答えてくれなさそう。今度義兄アールに訊いてみようかな。
と。
悲鳴のようなどよめきが上がった。川に視線を向けると、草むらや木の中の闇にチリリとした光が灯った。
それはどんどん数を増していき、同調しながら明滅を繰り返す。やがて飛びまわる個体が現れ、辺りは幻想的な光景が広がった。
いつ見てもこれには言葉を失う。前世は蛍なんてあまり見なかった。しかもこんな大群乱舞、見た事もなかったのだ。
物心ついた時から蛍観賞は毎年しているが、その度に繰り広げられる生命の神秘にすっかり魅了され、目を奪われてしまっている。
自然が汚染されず豊かな世界だからこその奇跡。
「綺麗……」
「うん…」
何となしに私達は近づき寄り添う。グレイが手を重ねて来たので握り合った。
そのまま二人して言葉少なに蛍を眺める。
水の流れる音、蛙や虫の声。遠くからは楽団の奏でるダンス曲が幽く聞こえていた。
蛍の光はまだまだ増えていっていた。私達の座っている席の周囲もかなりの数が飛んで来ている。
ふと、目の前を過る光に、前世の事を思い出した。
古来、蛍火は魂……霊魂が虫になった存在。
死んだ瞬間の記憶もなく、いきなり転生していたような自分。あれからあちらではどうなっただろうか。一人暮らしだった自分の亡骸は腐乱死体で見つかったりしたのだろうか。家族は私の死をどう受け止めたのだろう。
いや、と思う。
本当に、死んだ瞬間の記憶が無いのだろうか? もしかして忘れただけなのでは?
私はぞくりと足元から這い上がるような悪寒を覚えた。思わずグレイの手を強く握る。
「どうしたの?」
「お願い、抱きしめて」
私は震える声で言って、グレイに凭れ掛かる。
何事かを感じたのか、彼は黙って腕を回してくれた。心臓の音が聞こえる。暫くそうしていると、気分が少し落ち着いてきた。
体をゆっくりと起こす。
「……ありがとう、グレイ」
「蛍は不吉な言い伝えもあるけど、怖くないよマリー。ほら、地上に落ちて来た星を捕まえた」
グレイは言って、目の前に丸めた手を差し出して来た。そこには光を放つ蛍。
「手を出して、はい」
言われるままに差し出すと、私の掌に蛍が移される。それは明滅しながら暫く動いていたが、飽きたのかすぐに羽を広げ、音もなくまた飛んで行った。
「可愛いね」
「ええ」
同意すると、頬に温かいものが触れ、そちらを向かされた。
「マリーの事だよ」
熱っぽい吐息と共にかけられた言葉にドキリとする。
グレイの顔がゆっくりと近づいて来て、私も瞼を落とし――。
***
――かけた、その時である。
「んまあ、ご覧になってピュシス夫人。これがかの噂に聞くキャンディ伯爵家の蛍ですのね。素敵ですわ!」
誰かの声が聞こえてきて、お互い慌ててばっと身を離す。
そちらを見ると結構離れた場所に女性らしき人影が数人程見えた。声や話しぶりからしておばちゃんっぽい。
「まあ、エピテュミア夫人。本当に凄いですわぁ! 蛍って雄が雌を求めて光っているのよねぇ?」
「ええ、そうざますわピュシス夫人。きっと湧き上がる性欲にムラムラして光っているに違いないざます、ムラムラと」
「あらあ、お二人ともお下品ですわね、そこは情熱と言わなくちゃ。でもホルメー夫人の仰る通り、光り方がムラムラとした感じですわね」
ムラムラ、ムラムラ。
ムラムラ連呼され、今まさにキスしかけていた身からすれば何とも言えない気持ちになる。おばちゃん達(確定)は、かなり大きな声で話しているのかはっきりと聞こえて来ていた。
更に極めつけはブゥーッとおなららしき音。かなりデカいぞ。キャンキャンッと犬が吠えた。小型犬を連れているらしい。
という事は……屁っこき夫人、しかも常習犯が居るな。誰だ?
気になって仕方が無い。おばちゃん達の会話は尚も続く。
「あんらぁ。うふふ、うちのガスィーちゃんがごめんあそばせぇ」
「別に構わないざます、外なんだし取り繕わなくとも」
「はぁ~、最近シモが緩くてしかたないのよねぇ~」
「まあ、蛍のように熱い夜を過ごしていらっしゃるのかしら?」
「おほほほ、そんなご冗談を。宅のモノが今でも使いものになると思ってぇ?」
「きゃあ、嫌らしいわピュシス夫人ったら。他の方々もいらっしゃるのに」
「あら、そうねぇ。恥ずかしいわぁ、噂になるからひそひそ声にしなくっちゃあ」
……もう手遅れだと思います。
おばちゃん達は今更ながら声を潜めた。しかしまだ耳を澄ませばはっきり聞こえる声量である。
屁っこき夫人はピュシス夫人だった模様。インパクトが強烈過ぎて彼女の名は脳細胞に刻まれてしまった。一生忘れられなさそう。
そう思ってグレイに視線を戻せば、彼はベンチの手すりに打ちひしがれたように顔を突っ伏していた。
そりゃそうだろうなぁ。さっきまで良い雰囲気だったのに完全にぶち壊しだもの。蛍の幻想的な光景も強烈なおばちゃんパワーの前には形無しだ。
恐る恐る声を掛けてみる。
「だ、大丈夫?」
「……大丈夫じゃないかも」
喉の奥から絞り出すような声。これは相当落ち込んでいるみたいだ。
彼には悪いが、この状況凄い笑えてくるんだけど。
「もしかしてグレイもムラムラしているの?」
堪え切れず笑い交じりに訊けば、「酷いよ、マリー」と力無く返される。しかしグレイもだんだんおかしくなってきたのだろう。その姿勢のまま肩を震わせ始め、いつまでも笑っていた。
【後書き】
宅:他人に対し、妻が夫を指して言う言葉。
夫人の名前はギリシャ語がネタ。
ピュシス:本能
ホルメー:衝動
エピテュミア:欲望
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