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前脚のヨハンと後ろ脚のシュテファン。
角馬達が翼を得るまで。【8】
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遊びが終わった後、見習い達はそれぞれ夜の警備の仕事を割り振られて別行動になる。
ヨハンとシュテファンはそれぞれ神狼のヴァレオンと大熊のナシアダンにつく事になった。
「それにしても面白かったな、『人狼遊戯』というものは」
「うむ。隠密騎士の為に考えられたような遊びだったな、兄者」
『人狼遊戯』は次第に白熱していった。
敵陣営の思考を誘導したり攪乱する為に敢えて身分をバラしたり、詐称したり。
会話を以って推理していかなければならないので、誰が何を言ったのかを記憶する必要がある。
正に隠密騎士向きの遊びだった。
「実験的、という事は、『人狼遊戯』はもしかして殿が考案されたのでしょうか?」
そう訊ねると、神狼のヴァレオンは意味あり気にニヤリと笑う。
「ここだけの話だが、考えられたのはサイモン様ではないそうだ」
「えっ!?」
「では、どなたが?」
ヨハンとシュテファンが驚いていると、大熊のナシアダンが口を開く。
「先日の事。マリー様が面白い遊びを考えた、と話されていたそうだ。しかしその内容をお聞きになったサイモン様が教育に悪いと禁止なさったと聞く」
「まさか……その遊びが? それは真なのでしょうか。あの方はまだ隠密騎士の事はご存じない筈でございましょう?」
知らされるのは成人なさってからだと聞いている。そう言うと、ヴァレオンは頷く。
「確かめた訳ではないが、もしそうであるならば血は争えぬという事だ。マリー様はサイモン様に似ておられる。もしかするとあの方は人狼のようなものかも知れないな」
「こら。憶測で見習いをからかうな、神狼」
「反応が面白くてな、つい。まあ話半分に聞き流しておいてくれ。さて、本業だぞ見習い共」
***
それから特に何事も無く日々は過ぎて行った。
最初の内はキャンディ伯爵家の変わり者の姫様の事を考える事もあったが、あれ以来特に接触も話を聞く事も無く、忙しく仕事に追われている内に何時の間にか気にならなくなっていた。
見習いとしても誰かと組んで敷地内の見回りや屋敷の警備を昼夜交代制で回していく日々にも少しずつ慣れてきている。
「そろそろ見習い達に外での警護をさせても良いかもしれないな」
その日、アン姫様が夜会にお出掛けになるという。馬車を使う分狙われやすくなり、夜間行動の為危険も増す事だろう。
「だが、その分手柄を立てる良い機会だ」
アン様の専属である三頭獣のレオポール、大鹿のヘルフリッツ、一角馬のヨハン、双頭蛇のヘルムの四名で護衛をする事が決まった。
――何故よりによってこんな奴と。
苦手な奴と組まされるとは。思わずそんな気持ちが口を突いて出てしまった。
「この男と組むのは色々と問題がございます!」
「俺も同感です!」
ヨハンの言葉に被せるように、相手も同意する。しかし三頭獣のレオポールは首を振った。
「これは御前試合の結果を勘案した人選だ。それに一々好き嫌いで組む相手を決めていたら仕事にならないぞ。たとえ親を殺した相手でも任務ならば協力せねばならないのが隠密騎士だ」
「ですが……」
「お前達はもう修行中の身ではない」
有無を言わさぬ言葉に、ヨハンはしぶしぶ頷いた。
「……かしこまりました。足を引っ張る真似はするなよ」
「チッ、それは俺の台詞だ! 何としてでも手柄を上げてやる!」
御者は三頭獣のレオポールが務めるという。日が傾き始めた頃に残りの隠密騎士達は屋敷の門前で待機していた。アン様の馬車が門へ向かってくる。それを見て、ヨハンとヘルムが走り始める。
大鹿のヘルフリッツは馬車が門を通り過ぎ、それを暫く見送ってから出発している筈だ。
丁度三人の馬が馬車を囲むように遠巻きに散開している状態。馬車の速度を確認しつつ一定の距離を保たねばならない。馬車を狙う不審な者が居ないか探りながらである。
一人前の隠密騎士ならば前後に一人ずつで護衛するという。ヨハンとヘルムは見習いなので二人で一人分の働きをしろという事なのだろう。
幸い、夜会の催される貴族家には何事も無く辿り着いた。数刻後、夜会も恙無く終わったようで、アン様が再び馬車に乗り込む。
帰りもヨハンとヘルムが先に出る事になった。
月影の中を進み、遠くに橋を見た時だった。
「おい」
「ああ」
隠密騎士は人一倍夜目が利く。こちらの馬の足音が聞こえたのか、慌てて隠れるように動く怪しげな人影を目に捉えたのである。
「手柄を立てるのは俺だ!」
ヘルムが馬に拍車をかけた。駆け出す馬、ヨハンも負けじとそれを追う。
馬が橋の所まで来ると、バラバラと複数人の影が現れた。
「命が惜しくば金を出――」
「俺様の手柄の為に死ね!」
ヘルムは巧みに鞭を振るった。敵を寄せぬように牽制し、また標的を拘束し引き寄せて短剣で相手の急所を的確に捉えて殺害していく。
あっという間に三人を沈めた。
「貴様、よくも!」
「気を付けろ、武器に毒が!」
残った者達がヘルムをじりじりと囲み始めるも、「遅えよ!」と次々と切り裂いていく。
ヨハンは一人の男の背後に回り、首筋に抜き身の剣を突き付けていた。
「――動けば殺す。答えろ、誰を狙って此処に居る?」
「ひっ……俺は何も」
「ならば死ね!」
「ぐはぁ!」
ヘルムの刃によって最後の男の命が消えた。ヨハンは剣を鞘に納めて溜息を吐く。
「おい、蛇。尋問がまだだったのに何故殺した」
「尋問? するだけ無駄だろ」
ヘルムは小馬鹿にするように肩を竦める。ヨハンは眉を顰めた。
「何一つ情報を得る事は出来なかった。これはお前の失態だからな」
「俺が手柄を立てたからって見苦しいぞ、馬野郎」
「……お前」
その時、火急を知らせる笛の音が遠くに響いて来た。
ヘルムは馬に飛び乗って「馬野郎は死体の後始末が似合いだ!」と嘲笑いながら来た道を戻って行く。
ヨハンはヘルムに対する腹立たしさと悔しさを噛み締めながら死体を全て橋から落とした。急いで馬に乗ると、馬車の方へと拍車をかける。
馬車の周囲では三人が十数人の賊を相手に切り結んでいた。既に半数は地に倒れ伏している。
ヨハンが駆けつけると不利だと悟ったのか、「引け!」と一目散に逃げ出して行った。
「逃がすか!」
ヘルムがすかさず馬に飛び乗って追いかけて行く。それを見て、ヨハンは腸が煮えくり返り、体中の血が滾るような感覚を覚えた。
――あの男ががどんどん賊を倒して手柄を立てているというのに、自分はまだ一人も倒していない。それに、先程の意趣返しもしてやりたい。
「――おい待て! 一角馬、お前は残れ!」
焦燥と、怒りと。
ヨハンは突き動かされるままに馬首を返すとヘルム達を追いかけ始めた。
三頭獣のレオポールの制止も聞かずに。
ヨハンとシュテファンはそれぞれ神狼のヴァレオンと大熊のナシアダンにつく事になった。
「それにしても面白かったな、『人狼遊戯』というものは」
「うむ。隠密騎士の為に考えられたような遊びだったな、兄者」
『人狼遊戯』は次第に白熱していった。
敵陣営の思考を誘導したり攪乱する為に敢えて身分をバラしたり、詐称したり。
会話を以って推理していかなければならないので、誰が何を言ったのかを記憶する必要がある。
正に隠密騎士向きの遊びだった。
「実験的、という事は、『人狼遊戯』はもしかして殿が考案されたのでしょうか?」
そう訊ねると、神狼のヴァレオンは意味あり気にニヤリと笑う。
「ここだけの話だが、考えられたのはサイモン様ではないそうだ」
「えっ!?」
「では、どなたが?」
ヨハンとシュテファンが驚いていると、大熊のナシアダンが口を開く。
「先日の事。マリー様が面白い遊びを考えた、と話されていたそうだ。しかしその内容をお聞きになったサイモン様が教育に悪いと禁止なさったと聞く」
「まさか……その遊びが? それは真なのでしょうか。あの方はまだ隠密騎士の事はご存じない筈でございましょう?」
知らされるのは成人なさってからだと聞いている。そう言うと、ヴァレオンは頷く。
「確かめた訳ではないが、もしそうであるならば血は争えぬという事だ。マリー様はサイモン様に似ておられる。もしかするとあの方は人狼のようなものかも知れないな」
「こら。憶測で見習いをからかうな、神狼」
「反応が面白くてな、つい。まあ話半分に聞き流しておいてくれ。さて、本業だぞ見習い共」
***
それから特に何事も無く日々は過ぎて行った。
最初の内はキャンディ伯爵家の変わり者の姫様の事を考える事もあったが、あれ以来特に接触も話を聞く事も無く、忙しく仕事に追われている内に何時の間にか気にならなくなっていた。
見習いとしても誰かと組んで敷地内の見回りや屋敷の警備を昼夜交代制で回していく日々にも少しずつ慣れてきている。
「そろそろ見習い達に外での警護をさせても良いかもしれないな」
その日、アン姫様が夜会にお出掛けになるという。馬車を使う分狙われやすくなり、夜間行動の為危険も増す事だろう。
「だが、その分手柄を立てる良い機会だ」
アン様の専属である三頭獣のレオポール、大鹿のヘルフリッツ、一角馬のヨハン、双頭蛇のヘルムの四名で護衛をする事が決まった。
――何故よりによってこんな奴と。
苦手な奴と組まされるとは。思わずそんな気持ちが口を突いて出てしまった。
「この男と組むのは色々と問題がございます!」
「俺も同感です!」
ヨハンの言葉に被せるように、相手も同意する。しかし三頭獣のレオポールは首を振った。
「これは御前試合の結果を勘案した人選だ。それに一々好き嫌いで組む相手を決めていたら仕事にならないぞ。たとえ親を殺した相手でも任務ならば協力せねばならないのが隠密騎士だ」
「ですが……」
「お前達はもう修行中の身ではない」
有無を言わさぬ言葉に、ヨハンはしぶしぶ頷いた。
「……かしこまりました。足を引っ張る真似はするなよ」
「チッ、それは俺の台詞だ! 何としてでも手柄を上げてやる!」
御者は三頭獣のレオポールが務めるという。日が傾き始めた頃に残りの隠密騎士達は屋敷の門前で待機していた。アン様の馬車が門へ向かってくる。それを見て、ヨハンとヘルムが走り始める。
大鹿のヘルフリッツは馬車が門を通り過ぎ、それを暫く見送ってから出発している筈だ。
丁度三人の馬が馬車を囲むように遠巻きに散開している状態。馬車の速度を確認しつつ一定の距離を保たねばならない。馬車を狙う不審な者が居ないか探りながらである。
一人前の隠密騎士ならば前後に一人ずつで護衛するという。ヨハンとヘルムは見習いなので二人で一人分の働きをしろという事なのだろう。
幸い、夜会の催される貴族家には何事も無く辿り着いた。数刻後、夜会も恙無く終わったようで、アン様が再び馬車に乗り込む。
帰りもヨハンとヘルムが先に出る事になった。
月影の中を進み、遠くに橋を見た時だった。
「おい」
「ああ」
隠密騎士は人一倍夜目が利く。こちらの馬の足音が聞こえたのか、慌てて隠れるように動く怪しげな人影を目に捉えたのである。
「手柄を立てるのは俺だ!」
ヘルムが馬に拍車をかけた。駆け出す馬、ヨハンも負けじとそれを追う。
馬が橋の所まで来ると、バラバラと複数人の影が現れた。
「命が惜しくば金を出――」
「俺様の手柄の為に死ね!」
ヘルムは巧みに鞭を振るった。敵を寄せぬように牽制し、また標的を拘束し引き寄せて短剣で相手の急所を的確に捉えて殺害していく。
あっという間に三人を沈めた。
「貴様、よくも!」
「気を付けろ、武器に毒が!」
残った者達がヘルムをじりじりと囲み始めるも、「遅えよ!」と次々と切り裂いていく。
ヨハンは一人の男の背後に回り、首筋に抜き身の剣を突き付けていた。
「――動けば殺す。答えろ、誰を狙って此処に居る?」
「ひっ……俺は何も」
「ならば死ね!」
「ぐはぁ!」
ヘルムの刃によって最後の男の命が消えた。ヨハンは剣を鞘に納めて溜息を吐く。
「おい、蛇。尋問がまだだったのに何故殺した」
「尋問? するだけ無駄だろ」
ヘルムは小馬鹿にするように肩を竦める。ヨハンは眉を顰めた。
「何一つ情報を得る事は出来なかった。これはお前の失態だからな」
「俺が手柄を立てたからって見苦しいぞ、馬野郎」
「……お前」
その時、火急を知らせる笛の音が遠くに響いて来た。
ヘルムは馬に飛び乗って「馬野郎は死体の後始末が似合いだ!」と嘲笑いながら来た道を戻って行く。
ヨハンはヘルムに対する腹立たしさと悔しさを噛み締めながら死体を全て橋から落とした。急いで馬に乗ると、馬車の方へと拍車をかける。
馬車の周囲では三人が十数人の賊を相手に切り結んでいた。既に半数は地に倒れ伏している。
ヨハンが駆けつけると不利だと悟ったのか、「引け!」と一目散に逃げ出して行った。
「逃がすか!」
ヘルムがすかさず馬に飛び乗って追いかけて行く。それを見て、ヨハンは腸が煮えくり返り、体中の血が滾るような感覚を覚えた。
――あの男ががどんどん賊を倒して手柄を立てているというのに、自分はまだ一人も倒していない。それに、先程の意趣返しもしてやりたい。
「――おい待て! 一角馬、お前は残れ!」
焦燥と、怒りと。
ヨハンは突き動かされるままに馬首を返すとヘルム達を追いかけ始めた。
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