上 下
25 / 1,279

アトネ

しおりを挟む
 「私、アトネです!」
 アトネ?
 ああ、えっと…転生前に俺と付き合ってたっていう…
 ちょっと頭がごちゃごちゃしてきた。
 小さな女の子って言ってたよな。
 小さくないんだけど。
 「少し、俺と混ざってますから…」
 マジか。
 雅魔藻流なのか、アトネなのか、どう対応したらいいんだ。
 何か、でも何だろう。
 カトリック系っぽい女子校の、清楚な女子高生みたいで悪くない。
 「好みで良かったです…」
 ぎゃー!
 心を読まれた!

 「それで!そのアトネさんとやらが、なんの要件かね?!」
 「あの、俺…」
 やっぱり、雅魔藻流なんかい!
 「何かね!?」
 黙り込む雅魔藻流。
 面倒臭いな!
 「あの。ツンデレって好みですか…?」
 「まあ、嫌いじゃないな…何の話やねん!」
 「あの、俺…貴方に謝りたいことがあるんです!」
 この流れは…
 バッとヨーデルの人を振り返る。
 叱られるのを予期してる犬みたいになってる。
 その心意気や良し。
 クルリと雅魔藻流に向き直る。
 「何だね。話を聞こうじゃないか。」
 「俺、貴方の偽物になっていたんです。なっていたというか、最近まで…今はもうやっていません!」
 なにをー?!
 …全く意味が分からん。
 「偽物?俺の?何処で何をやって、どういう影響があったわけ?」
 「そうですよね。疑問ですよね…貴方は何も知らないから…!」
 モジモジしているが、アトネと思えばいいのか、雅魔藻流と思えばいいのかはっきりしてほしい。
 「分体で貴方の偽物になっていたんです…」
 分体で…

 ’第六感ー気付きの能力’

 「偽物…前に言ってた、セキュリティソフトに似た文字列を持つ、ウイルス…?」
 「そうね、仕組みとしては、同じと思うわ。」
 「信頼する相手と似ているから誤認識して、心を預けて、入れてしまう、染まって操られてしまう…それが無意識の領域に書き込まれているから、悪意ある全くの他人にずっと利用されてきたんだよな。中日如来や、空っ海はそれをどう感じていたんだ?」
 「そうじゃのう…不愉快じゃった。お主のことを悪人と感じておったのじゃ。」
 「俺が悪人…?何だってそうなるんだ…?」
 「入れ替えをしているのよ。」
 「どうやって?」
 「貴方が考えた方がいいと思うわ!」
 イエッサー!
 こういう時のヨーデルの人は、経験上正しい感じがするから、言うことを聞きたいが、いかんせん頭がついていかない。
 甘い物が食べたい。
 「お前のライバルのようにな、雅魔藻流よ!」
 指を指してやると、雅魔藻流が凄く困ってる。
 普段、突っ込みに慣れてる奴って、突っ込まれるのに弱いって本当なんだな。

 ’第六感ー気付きの能力’
 
 「…敵の情報を読んだわ。セキュリティソフトの隔離と、聞こえたわ。」
 「…セキュリティソフトそのもののプログラムを狂わせる…花粉症みたいなもん?」
 「そうね!それでいいと思うわ!」
 「花粉症ってあれだよな…俺も花粉症酷いけど、悪くないものなのに、悪いと誤認識して、過剰反応して出そうとするから、病気みたいな症状になる…」

 ’第六感ー気付きの能力’

 「…同じことが、チョココロネウイルスで起こっている…?」
 
 ヨーデルの人が敵の反応を確認する。
 「…当たりだわ。」

 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

TSしちゃった!

恋愛
朝起きたら突然銀髪美少女になってしまった高校生、宇佐美一輝。 性転換に悩みながら苦しみどういう選択をしていくのか。

新しい自分(女体化しても生きていく)

雪城朝香
ファンタジー
明日から大学生となる節目に突如女性になってしまった少年の話です♪♪ 男では絶対にありえない痛みから始まり、最後には・・・。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた

ああああ
恋愛
優は大切にしていた妹の友達に冤罪を掛けられてしまう。 そして冤罪が判明して戻ってきたが

処理中です...