6 / 17
ロナウとヴァレリー
しおりを挟む
ある日、ヴァレリーが中庭を歩いている時だった。
風を切る音が聞こえて、覗いてみると、ロナウ王子が一人、剣の稽古をしていた。
ロナウ王子の姿を見てから、しまったと思った。
見なければ良かった。
もう二度と会いたくないと思っていたのに…
いいや、嘘だ。
訓練場でロナウ王子を見てから、関わりたくないと思いながら、もしかして会えるのではないかと、時々こうして当てもなく歩き回っていたのだ。
こんな奴、恵まれた人間なのだと、ただ恨んでおけばいい。そうすれば、こんな訳のわからない感情に振り回されずに済む。
自分は十分やっているのに、運が悪くて上手くいかない。運のいい、ロナウ王子の様な人間が、全ての幸運を奪っているからなのだと。
身分が高いだけの王子が、身のほど知らずで、自分達のような身分の低い人間は、どんな迷惑をかけられても、ただ耐えるしかない、可哀想な被害者なのだと。
そう思っていれば、楽で気分がいい。
訓練場で、ロナウ王子の話に花を咲かせていた連中のように。
俺はあんな連中とは違うはずだ…
そう思いたかったのかもしれない。
あの場面を見なければ、ヴァレリーもずっと、ロナウ王子は我儘で自分のような人間は被害者なのだと運命を呪っていたかもしれない。
その方が楽だったと、今は思う。
胸が、重く、ギリギリ痛む。
逃げ出したんだ、俺は。
認めたくなかった。
子供の頃はこうじゃなかった。
正しくあろう、努力しようと前向きだった。
それが、年を重ねるにつれ、そう、挫折して投げ出したんだ。
努力が全て裏目に出て、周囲から謗られた。
だから自分を誤魔化して、格好つけて、嘘を吐くのが上手くなった。
周りに合わせて、適当に手を抜くようになった。
耳に聞こえのいい言葉を口にした。
その方が周りと上手くやっていけるようになった。
これでいいのだと、俺は自分に言い聞かせていた。
「何か用か?」
ロナウが、ヴァレリーに振り向かずに言った。
最初から気付いていたようだが、ヴァレリーがあまりにも何も言わずに、佇んでいたので、耐えかねたようだ。
「いえね、俺も一緒に稽古したいと思いまして。」
「好きにすればいい。」
「お相手願えませんか?」
ヴァレリーがそう言うと、ロナウは逡巡する様子を見せた。
「俺は手を抜いたりはしませんよ?」
そう言うと、ロナウは無言で大きく目を見開いた。
精巧な人形のような顔が変化するのを、興味深く見ていた。
こんな人でも、表情があるのかとヴァレリーは面白く思った。
「…いいだろう。」
何を思っているのか、ロナウは鋭い目を向けて剣を構えた。
ヴァレリーも、上着を脱ぎ、訓練で使っている剣を構えた。
決着は一瞬でついた。
気付いた時には、ヴァレリーは地面に転がされていた。
多少、もちろん多少は王子に怪我をさせてはいけないという気持ちがあった。
手を抜こうと思っていた訳ではないが、ロナウ王子の態度が気になって、様子を探ろうとしたのだ。
もう少し、儀礼的に進むのかと思ったのだが、こちらが構えた途端、切り込まれた。
不意を付かれた、という言い訳はしたくない。
ロナウは、用事は終わったとばかりに、去ろうとした。
「待って下さい!」
ロナウは背中を向けていたが、気のせいではなく、ため息をついていた。
「…何だ?」
「もう1戦、お願いします。」
ロナウは、胡乱な目を向け、剣を構えた。
「いいだろう。」
…悪くない。
実力は拮抗してる、はずだ。
ロナウの様子を伺ってみる。
最初は冷ややかだったのが、熱が入ってきてるように見える。
そうすると、気になるのが最初の態度なのだが、何だったのか。
「殿下。」
一区切りついた時に、聞いてみることにした。
「何だ?」
心なしか、態度が柔らかくなった気がする。
「俺が折角の稽古を邪魔してしまい、お気に障りましたか?」
ロナウは、透けるような蒼い瞳を伏せ、何事か考えてから、口を開いた。
「そうではない。そうではなくて…。どうせ離れるなら、早い方がいいと思っただけだ。…俺を誰もが忌避する。」
「ああ…」
訓練場での出来事を思い出す。
中途半端に居心地の悪い思いをするよりは、はっきり決別した方がいいと、叩きのめしたのか。
「…それで、お一人で稽古を?」
「俺が居ない方が、心安らかなのだろう。」
静かな目で遠くを見遣る。
こんなことは知りたくも無かったはずだが、同時にロナウのこんな所は自分だけが知っているのではという優越感を感じた。
「提案なのですが、これからもこうして一緒に稽古しませんか?」
「…ここでか?」
「いけませんか?」
「何もないだろう?」
先程までは圧倒的に見えたロナウだが、酷くまごついている。
意思の強そうな眉が下がり、視線が泳いでいた。
もしかして…
「俺を友人にしてくれませんか?」
揺さぶりをかけてみることにした。
「え…」
案の定、大きな瞳をひたと向け、言葉に詰まった。
「俺のような者が、友人だなどと、おこがましいですね。」
「いいや、別にそういう訳じゃない。ただ、こんな何も無い所では詰まらないのではないかと…」
「いえ、十分ですよ。殿下とは失礼ながら、実力が拮抗してるので、いい訓練になります。」
「なら、いいが…」
あの、氷のような王子が、しどろもどろになっている。
ヴァレリーは、落ち着きを取り戻した。
「では、親友と認めて下さいますね。ロナウとお呼びしても?俺のことは、ヴァレリーと。」
「分かった。ヴァレリー。」
これでいい。
寂しい王子様の友達になって差し上げよう。
何もかも持ち合わせてる、完全無欠な王子様の唯一、持ち合わせないものを俺が満たしてやろう。
そうしている間は、いい友人として側にいてやろう。
これなら、かろうじて耐えられる。
ロナウに堪らなく感じる劣等感の帳尻を、合わせることができる。
舞踏会で女に囲まれ、右往左往している所に、声を掛けてやったら、花が開くように微笑み、俺を信頼し、頼りきっていた。
そんな顔を俺にだけ向けるという事実に、昏い喜びを感じていた。
お前がそういう態度でいる限り、俺は自分を保てる。
俺だけが、お前を満たし、助けてやれる。
その限りは、いい親友を演じてやろう。
風を切る音が聞こえて、覗いてみると、ロナウ王子が一人、剣の稽古をしていた。
ロナウ王子の姿を見てから、しまったと思った。
見なければ良かった。
もう二度と会いたくないと思っていたのに…
いいや、嘘だ。
訓練場でロナウ王子を見てから、関わりたくないと思いながら、もしかして会えるのではないかと、時々こうして当てもなく歩き回っていたのだ。
こんな奴、恵まれた人間なのだと、ただ恨んでおけばいい。そうすれば、こんな訳のわからない感情に振り回されずに済む。
自分は十分やっているのに、運が悪くて上手くいかない。運のいい、ロナウ王子の様な人間が、全ての幸運を奪っているからなのだと。
身分が高いだけの王子が、身のほど知らずで、自分達のような身分の低い人間は、どんな迷惑をかけられても、ただ耐えるしかない、可哀想な被害者なのだと。
そう思っていれば、楽で気分がいい。
訓練場で、ロナウ王子の話に花を咲かせていた連中のように。
俺はあんな連中とは違うはずだ…
そう思いたかったのかもしれない。
あの場面を見なければ、ヴァレリーもずっと、ロナウ王子は我儘で自分のような人間は被害者なのだと運命を呪っていたかもしれない。
その方が楽だったと、今は思う。
胸が、重く、ギリギリ痛む。
逃げ出したんだ、俺は。
認めたくなかった。
子供の頃はこうじゃなかった。
正しくあろう、努力しようと前向きだった。
それが、年を重ねるにつれ、そう、挫折して投げ出したんだ。
努力が全て裏目に出て、周囲から謗られた。
だから自分を誤魔化して、格好つけて、嘘を吐くのが上手くなった。
周りに合わせて、適当に手を抜くようになった。
耳に聞こえのいい言葉を口にした。
その方が周りと上手くやっていけるようになった。
これでいいのだと、俺は自分に言い聞かせていた。
「何か用か?」
ロナウが、ヴァレリーに振り向かずに言った。
最初から気付いていたようだが、ヴァレリーがあまりにも何も言わずに、佇んでいたので、耐えかねたようだ。
「いえね、俺も一緒に稽古したいと思いまして。」
「好きにすればいい。」
「お相手願えませんか?」
ヴァレリーがそう言うと、ロナウは逡巡する様子を見せた。
「俺は手を抜いたりはしませんよ?」
そう言うと、ロナウは無言で大きく目を見開いた。
精巧な人形のような顔が変化するのを、興味深く見ていた。
こんな人でも、表情があるのかとヴァレリーは面白く思った。
「…いいだろう。」
何を思っているのか、ロナウは鋭い目を向けて剣を構えた。
ヴァレリーも、上着を脱ぎ、訓練で使っている剣を構えた。
決着は一瞬でついた。
気付いた時には、ヴァレリーは地面に転がされていた。
多少、もちろん多少は王子に怪我をさせてはいけないという気持ちがあった。
手を抜こうと思っていた訳ではないが、ロナウ王子の態度が気になって、様子を探ろうとしたのだ。
もう少し、儀礼的に進むのかと思ったのだが、こちらが構えた途端、切り込まれた。
不意を付かれた、という言い訳はしたくない。
ロナウは、用事は終わったとばかりに、去ろうとした。
「待って下さい!」
ロナウは背中を向けていたが、気のせいではなく、ため息をついていた。
「…何だ?」
「もう1戦、お願いします。」
ロナウは、胡乱な目を向け、剣を構えた。
「いいだろう。」
…悪くない。
実力は拮抗してる、はずだ。
ロナウの様子を伺ってみる。
最初は冷ややかだったのが、熱が入ってきてるように見える。
そうすると、気になるのが最初の態度なのだが、何だったのか。
「殿下。」
一区切りついた時に、聞いてみることにした。
「何だ?」
心なしか、態度が柔らかくなった気がする。
「俺が折角の稽古を邪魔してしまい、お気に障りましたか?」
ロナウは、透けるような蒼い瞳を伏せ、何事か考えてから、口を開いた。
「そうではない。そうではなくて…。どうせ離れるなら、早い方がいいと思っただけだ。…俺を誰もが忌避する。」
「ああ…」
訓練場での出来事を思い出す。
中途半端に居心地の悪い思いをするよりは、はっきり決別した方がいいと、叩きのめしたのか。
「…それで、お一人で稽古を?」
「俺が居ない方が、心安らかなのだろう。」
静かな目で遠くを見遣る。
こんなことは知りたくも無かったはずだが、同時にロナウのこんな所は自分だけが知っているのではという優越感を感じた。
「提案なのですが、これからもこうして一緒に稽古しませんか?」
「…ここでか?」
「いけませんか?」
「何もないだろう?」
先程までは圧倒的に見えたロナウだが、酷くまごついている。
意思の強そうな眉が下がり、視線が泳いでいた。
もしかして…
「俺を友人にしてくれませんか?」
揺さぶりをかけてみることにした。
「え…」
案の定、大きな瞳をひたと向け、言葉に詰まった。
「俺のような者が、友人だなどと、おこがましいですね。」
「いいや、別にそういう訳じゃない。ただ、こんな何も無い所では詰まらないのではないかと…」
「いえ、十分ですよ。殿下とは失礼ながら、実力が拮抗してるので、いい訓練になります。」
「なら、いいが…」
あの、氷のような王子が、しどろもどろになっている。
ヴァレリーは、落ち着きを取り戻した。
「では、親友と認めて下さいますね。ロナウとお呼びしても?俺のことは、ヴァレリーと。」
「分かった。ヴァレリー。」
これでいい。
寂しい王子様の友達になって差し上げよう。
何もかも持ち合わせてる、完全無欠な王子様の唯一、持ち合わせないものを俺が満たしてやろう。
そうしている間は、いい友人として側にいてやろう。
これなら、かろうじて耐えられる。
ロナウに堪らなく感じる劣等感の帳尻を、合わせることができる。
舞踏会で女に囲まれ、右往左往している所に、声を掛けてやったら、花が開くように微笑み、俺を信頼し、頼りきっていた。
そんな顔を俺にだけ向けるという事実に、昏い喜びを感じていた。
お前がそういう態度でいる限り、俺は自分を保てる。
俺だけが、お前を満たし、助けてやれる。
その限りは、いい親友を演じてやろう。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
荷車尼僧の回顧録
石田空
大衆娯楽
戦国時代。
密偵と疑われて牢屋に閉じ込められた尼僧を気の毒に思った百合姫。
座敷牢に食事を持っていったら、尼僧に体を入れ替えられた挙句、尼僧になってしまった百合姫は処刑されてしまう。
しかし。
尼僧になった百合姫は何故か生きていた。
生きていることがばれたらまた処刑されてしまうかもしれないと逃げるしかなかった百合姫は、尼寺に辿り着き、僧に泣きつく。
「あなたはおそらく、八百比丘尼に体を奪われてしまったのでしょう。不死の体を持っていては、いずれ心も人からかけ離れていきます。人に戻るには人魚を探しなさい」
僧の連れてきてくれた人形職人に義体をつくってもらい、日頃は人形の姿で人らしく生き、有事の際には八百比丘尼の体で人助けをする。
旅の道連れを伴い、彼女は戦国時代を生きていく。
和風ファンタジー。
カクヨム、エブリスタにて先行掲載中です。

【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
あなたのためなら
天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。
その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。
アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。
しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。
理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。
全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる