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最終章 公爵夫妻の宝物
6−16 閑話3
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※ウータ視点(第二章に出てきた城のメイドです。)
「ねえ、今日の予定表見た?!」
「んー?まだ見てない。」
「賓客リストにハーフェルト公爵夫人の名前があったわよ。」
「ウソ!超久しぶりじゃない?!」
「夫人が身籠られて以来、ハーフェルト公爵閣下も登城する日が減って日々味気なかったのよねー。今日はお二人が登城されるなら私達も楽しみがあるってもんよ。」
「ウータはまたお茶を持っていく係に指名されるんじゃない?いいなあ!」
「今日は王妃殿下や王太子妃殿下の所へ行かれるでしょうから、王族専属のメイドが給仕するわよ。」
羨ましがられたが、そこはサラッと返しておく。数回指名されただけで、無用な嫉妬をされたくない。
・・・しかもその内の一回は、公爵夫人と差し向かいでお茶をご馳走になった、なんて口が裂けても言えない。
ハーフェルト公爵夫人とは、私のおせっかいというか怖いもの知らずの性格から、変装中の夫人を新入りメイドだと思い込んで色々話しかけた縁で仲良くなったというか、多数の城のメイドの中から認識されたというか。
ただ、それだけの関係で、身分も生活圏も違う相手だと分かってからは、もう二度と話すことはないだろうと思っていたのだが。
初めてメイド長から『ウータ、ハーフェルト公爵夫人の部屋にお茶を運んで頂戴、ご指名よ。』と言われた時の驚きよ。
まあ、そんなこんなでうじゃうじゃいる城のメイドの中で、ハーフェルト公爵夫人が顔と名前を知っている数少ないメイド、というくらいの立ち位置にいると思っていたのだ、この時までは。
■■
「はい?!私が、ハーフェルト公爵家の侍女、ですか?」
「そう。ああ、君も城のメイドという職に誇りを持っているだろうから無理強いはしないよ。良かったら、うちで働いてもらえないかな、というくらいの軽い感じで。もちろん、今より俸給は増えると思ってもらっていい。」
目の前で綺麗な笑顔を浮かべ、突然理解不能な話をし始めたハーフェルト公爵閣下へ、うっかり胡散臭げな視線を向けてしまった。
彼の横には直ぐに妊婦だとわかるくらいにお腹が大きくなった夫人が、にこにこしながら私を見ていた。
■■
今日、予想に反して午前中にハーフェルト公爵夫人からご指名が来た。
羨む同僚達の視線を避けるようにお茶セットと共に向かった部屋には、なんとご夫妻が揃って私を待ち受けていた。
確かに、カップの数が多いな、とは思ったのだけど、空いた時間に城内で公爵夫人が知人と会われることもあるから、それかと思っていたのに!まさかの公爵閣下!
二人揃っていると、別々の時より輝きが増している気がして眩しい。
頭の天辺まで緊張して震える手で、お二人の前にお茶とお菓子をセットして下がろうとしたら、公爵夫人に『ウータ、一緒にお茶をいかがかしら?』と誘われた。
公爵閣下と差し向かいだけは勘弁と必死で断ったら、当人から単刀直入に言われたのだ。
「いきなりだけどウータ、うちで生まれてくる子供の侍女として働かない?」
「はえっ?!」
その言葉に素で反応してしまい、慌てて口を塞ぐ私にたたみかけてきた公爵閣下の台詞が、先の『君も城のメイドという職に~』というやつだ。
■■
いや、確かに城のメイドもいい職だろうけども、この国一番人気の職場であるハーフェルト公爵家の、今国中が注目している次代のお子様の侍女!だよ?
そんな最高の仕事が何でこんな、何の取り柄もない私のところに?!
まさかに公爵夫人が知っている城のメイドというそれだけで、この公爵閣下は声を掛けてきたりしない。
上手い話には裏があるというし、こんな一生分の、いや来世分もの幸運を使ってしまいそうな話、怖すぎる!
私の表情から何かを読み取ったらしく、公爵閣下は夫人には見えないような角度で、見た人が凍りつきそうな美しい笑みを一瞬覗かせた。
「別に妻が懇意にしているメイドだからというだけが選んだ理由じゃないよ。城で働く際に提出した身元調査書を見せてもらったら、君に5人も弟妹がいると知って、それなら子供相手も得意かな、と思ったんだ。」
そんな理由?それなら他にも対象がいっぱいいそうだけど・・・。
ていうか、今、この人私の心を読まなかった?!怖っ!
それでも返事を迷う私に、公爵閣下は最終手段をとった。
「エミィ、ウータは迷ってるみたいだよ。君からもちょっとお願いしてみたらどうかな?」
「そうね!貴方より私の方がお世話になるんだものね。」
それまで黙って笑顔で見守っていた夫人は、夫から話を振られて大きく頷いた。
夫の手を借りてよいしょっとお腹を抱えて立ち上がり、とととっと私の所へ来て両手を胸の前で組んで小首を傾げ、一言。
「うちは赤ちゃんの扱いに慣れてない人が多くって・・・ウータが頼りなの。うちに来てくれたら私が貴方を幸せにできるように頑張るから、この子の侍女になってくれないかしら?」
「はい!喜んで侍女になります!」
「本当?!嬉しい、ありがとう!」
吸い込まれるように諾と答えてしまってから、ぱっと口に手を当てる。
やられた!たおやかな公爵夫人にこんな風に可愛らしくお願いされたら断われるわけがない。
最近、『銀の貴婦人』とこっそり呼ばれている夫人の透明感のある灰色の瞳に儚げに見つめられてはもうどうしようもない。
それに、公爵夫人の台詞はまるでプロポーズのようで、少しときめいて顔が赤くなってしまった。
いや、お給料は上がるし、いい職だし、九割方受けるつもりだったけれども!
まんまと公爵閣下に嵌められた気にはなる。
これを仕掛けた公爵閣下はさぞ満足な顔をしているだろうと思ったら、笑顔で固まっていた。
「エミィ、そのお願いの仕方はやり過ぎというか、可愛すぎるというか。」
ぶつぶつと呟きながら立ち上がると大股で近付いてきて、私から夫人を隠すように自分の腕に中に収めてしまった。
その真ん前にいる私は、間近でお二人のやり取りを見れて心の中は大盛り上がりだったが、表向きは目のやり場に困る風を装った。
で、この後、私はどうすればいいのでしょうか?
「じゃあ、ウータはヘンリックの所へ行って、詳しい条件とか確認して契約書にサインしてきてくれる?ミア、案内してあげて。」
またもや心を読んだような指示をされた。
公爵閣下の視線を辿って、私は壁際に控えていた若い侍女の方を振り返る。
彼女は主の言葉を受けて無言で扉へ向かい、私は公爵夫妻に一礼してその後に続いた。
■■
「ウータさん。私は奥様付の侍女をしているミアといいます。どうぞこれからよろしくお願い致します。」
「あ、はい。年は私の方が上でしょうけど、公爵家では貴方の方が先輩ですから色々教えてくださいね。」
廊下に出たところで挨拶をされ、慌てて返す。
薄茶の髪の彼女は人懐こそうな笑顔を浮かべると、歩きながら話し掛けてきた。
「先程は旦那様が失礼をしました。ちょっと、かなり、奥様が絡むと傍若無人になってしまわれるので・・・。」
「やはりお屋敷でもあのように仲が良いのですか?」
「ええ、もっと遠慮がない感じですので、それは覚悟しといたほうがいいです。」
「それって、間近でお二人のいちゃいちゃを見放題になるってことですよね!ヤバい、見たら嬉しくて鼻血吹きそう。」
「・・・うちの屋敷は鼻血掃除のプロですから、いくらでも吹いてもらって大丈夫ですよ・・・。」
「え?」
とりあえず、同僚達にはぎりぎりまで隠しておこう。
■■■
おまけ~その頃の公爵夫妻~
「エミィ、君、もしかして他の人にお願いする時も、あれしてるの?」
「ええ。リーンがああやってお願いすればよく効くよって教えてくれたんじゃない。」
「・・・!!あれは、僕専用でっていったつもりだったのに!」
「えっ、でも貴方以外にも効いたわよ?」
「そりゃそうだろうね!可愛すぎだもの!もう、誰に使ったか教えて!」
「・・・覚えてないわ。」
「そ、そんなに大勢に使ったの?!」
■■■■
~ウータ勧誘の理由~
ここ数日、リーンは悩んでいた。
うーん、そろそろ生まれてくる子供の侍女を雇わないとまずいよね。でも、募集をかけたら恐ろしい程の応募があるのは目に見えてるし、そうすると書類選考や面接でエミーリアへの負担が生じる。それは避けたいんだよね・・・。
あ、城の侍女ならもう身元は確かだし、それなりの技能は持ってるし、いい人材の宝庫じゃない?一人二人減っても直ぐ雇えるし、うちに引き抜いてもいいよね?
あ、じゃあエミーリアが懐いているウータにしようかな。メイドだけど侍女の仕事も出来るでしょ。とりあえず、今度彼女の身元調査書を見せてもらおっと。
ということで、ウータの勧誘という名の引き抜きが決まったようです。
「ねえ、今日の予定表見た?!」
「んー?まだ見てない。」
「賓客リストにハーフェルト公爵夫人の名前があったわよ。」
「ウソ!超久しぶりじゃない?!」
「夫人が身籠られて以来、ハーフェルト公爵閣下も登城する日が減って日々味気なかったのよねー。今日はお二人が登城されるなら私達も楽しみがあるってもんよ。」
「ウータはまたお茶を持っていく係に指名されるんじゃない?いいなあ!」
「今日は王妃殿下や王太子妃殿下の所へ行かれるでしょうから、王族専属のメイドが給仕するわよ。」
羨ましがられたが、そこはサラッと返しておく。数回指名されただけで、無用な嫉妬をされたくない。
・・・しかもその内の一回は、公爵夫人と差し向かいでお茶をご馳走になった、なんて口が裂けても言えない。
ハーフェルト公爵夫人とは、私のおせっかいというか怖いもの知らずの性格から、変装中の夫人を新入りメイドだと思い込んで色々話しかけた縁で仲良くなったというか、多数の城のメイドの中から認識されたというか。
ただ、それだけの関係で、身分も生活圏も違う相手だと分かってからは、もう二度と話すことはないだろうと思っていたのだが。
初めてメイド長から『ウータ、ハーフェルト公爵夫人の部屋にお茶を運んで頂戴、ご指名よ。』と言われた時の驚きよ。
まあ、そんなこんなでうじゃうじゃいる城のメイドの中で、ハーフェルト公爵夫人が顔と名前を知っている数少ないメイド、というくらいの立ち位置にいると思っていたのだ、この時までは。
■■
「はい?!私が、ハーフェルト公爵家の侍女、ですか?」
「そう。ああ、君も城のメイドという職に誇りを持っているだろうから無理強いはしないよ。良かったら、うちで働いてもらえないかな、というくらいの軽い感じで。もちろん、今より俸給は増えると思ってもらっていい。」
目の前で綺麗な笑顔を浮かべ、突然理解不能な話をし始めたハーフェルト公爵閣下へ、うっかり胡散臭げな視線を向けてしまった。
彼の横には直ぐに妊婦だとわかるくらいにお腹が大きくなった夫人が、にこにこしながら私を見ていた。
■■
今日、予想に反して午前中にハーフェルト公爵夫人からご指名が来た。
羨む同僚達の視線を避けるようにお茶セットと共に向かった部屋には、なんとご夫妻が揃って私を待ち受けていた。
確かに、カップの数が多いな、とは思ったのだけど、空いた時間に城内で公爵夫人が知人と会われることもあるから、それかと思っていたのに!まさかの公爵閣下!
二人揃っていると、別々の時より輝きが増している気がして眩しい。
頭の天辺まで緊張して震える手で、お二人の前にお茶とお菓子をセットして下がろうとしたら、公爵夫人に『ウータ、一緒にお茶をいかがかしら?』と誘われた。
公爵閣下と差し向かいだけは勘弁と必死で断ったら、当人から単刀直入に言われたのだ。
「いきなりだけどウータ、うちで生まれてくる子供の侍女として働かない?」
「はえっ?!」
その言葉に素で反応してしまい、慌てて口を塞ぐ私にたたみかけてきた公爵閣下の台詞が、先の『君も城のメイドという職に~』というやつだ。
■■
いや、確かに城のメイドもいい職だろうけども、この国一番人気の職場であるハーフェルト公爵家の、今国中が注目している次代のお子様の侍女!だよ?
そんな最高の仕事が何でこんな、何の取り柄もない私のところに?!
まさかに公爵夫人が知っている城のメイドというそれだけで、この公爵閣下は声を掛けてきたりしない。
上手い話には裏があるというし、こんな一生分の、いや来世分もの幸運を使ってしまいそうな話、怖すぎる!
私の表情から何かを読み取ったらしく、公爵閣下は夫人には見えないような角度で、見た人が凍りつきそうな美しい笑みを一瞬覗かせた。
「別に妻が懇意にしているメイドだからというだけが選んだ理由じゃないよ。城で働く際に提出した身元調査書を見せてもらったら、君に5人も弟妹がいると知って、それなら子供相手も得意かな、と思ったんだ。」
そんな理由?それなら他にも対象がいっぱいいそうだけど・・・。
ていうか、今、この人私の心を読まなかった?!怖っ!
それでも返事を迷う私に、公爵閣下は最終手段をとった。
「エミィ、ウータは迷ってるみたいだよ。君からもちょっとお願いしてみたらどうかな?」
「そうね!貴方より私の方がお世話になるんだものね。」
それまで黙って笑顔で見守っていた夫人は、夫から話を振られて大きく頷いた。
夫の手を借りてよいしょっとお腹を抱えて立ち上がり、とととっと私の所へ来て両手を胸の前で組んで小首を傾げ、一言。
「うちは赤ちゃんの扱いに慣れてない人が多くって・・・ウータが頼りなの。うちに来てくれたら私が貴方を幸せにできるように頑張るから、この子の侍女になってくれないかしら?」
「はい!喜んで侍女になります!」
「本当?!嬉しい、ありがとう!」
吸い込まれるように諾と答えてしまってから、ぱっと口に手を当てる。
やられた!たおやかな公爵夫人にこんな風に可愛らしくお願いされたら断われるわけがない。
最近、『銀の貴婦人』とこっそり呼ばれている夫人の透明感のある灰色の瞳に儚げに見つめられてはもうどうしようもない。
それに、公爵夫人の台詞はまるでプロポーズのようで、少しときめいて顔が赤くなってしまった。
いや、お給料は上がるし、いい職だし、九割方受けるつもりだったけれども!
まんまと公爵閣下に嵌められた気にはなる。
これを仕掛けた公爵閣下はさぞ満足な顔をしているだろうと思ったら、笑顔で固まっていた。
「エミィ、そのお願いの仕方はやり過ぎというか、可愛すぎるというか。」
ぶつぶつと呟きながら立ち上がると大股で近付いてきて、私から夫人を隠すように自分の腕に中に収めてしまった。
その真ん前にいる私は、間近でお二人のやり取りを見れて心の中は大盛り上がりだったが、表向きは目のやり場に困る風を装った。
で、この後、私はどうすればいいのでしょうか?
「じゃあ、ウータはヘンリックの所へ行って、詳しい条件とか確認して契約書にサインしてきてくれる?ミア、案内してあげて。」
またもや心を読んだような指示をされた。
公爵閣下の視線を辿って、私は壁際に控えていた若い侍女の方を振り返る。
彼女は主の言葉を受けて無言で扉へ向かい、私は公爵夫妻に一礼してその後に続いた。
■■
「ウータさん。私は奥様付の侍女をしているミアといいます。どうぞこれからよろしくお願い致します。」
「あ、はい。年は私の方が上でしょうけど、公爵家では貴方の方が先輩ですから色々教えてくださいね。」
廊下に出たところで挨拶をされ、慌てて返す。
薄茶の髪の彼女は人懐こそうな笑顔を浮かべると、歩きながら話し掛けてきた。
「先程は旦那様が失礼をしました。ちょっと、かなり、奥様が絡むと傍若無人になってしまわれるので・・・。」
「やはりお屋敷でもあのように仲が良いのですか?」
「ええ、もっと遠慮がない感じですので、それは覚悟しといたほうがいいです。」
「それって、間近でお二人のいちゃいちゃを見放題になるってことですよね!ヤバい、見たら嬉しくて鼻血吹きそう。」
「・・・うちの屋敷は鼻血掃除のプロですから、いくらでも吹いてもらって大丈夫ですよ・・・。」
「え?」
とりあえず、同僚達にはぎりぎりまで隠しておこう。
■■■
おまけ~その頃の公爵夫妻~
「エミィ、君、もしかして他の人にお願いする時も、あれしてるの?」
「ええ。リーンがああやってお願いすればよく効くよって教えてくれたんじゃない。」
「・・・!!あれは、僕専用でっていったつもりだったのに!」
「えっ、でも貴方以外にも効いたわよ?」
「そりゃそうだろうね!可愛すぎだもの!もう、誰に使ったか教えて!」
「・・・覚えてないわ。」
「そ、そんなに大勢に使ったの?!」
■■■■
~ウータ勧誘の理由~
ここ数日、リーンは悩んでいた。
うーん、そろそろ生まれてくる子供の侍女を雇わないとまずいよね。でも、募集をかけたら恐ろしい程の応募があるのは目に見えてるし、そうすると書類選考や面接でエミーリアへの負担が生じる。それは避けたいんだよね・・・。
あ、城の侍女ならもう身元は確かだし、それなりの技能は持ってるし、いい人材の宝庫じゃない?一人二人減っても直ぐ雇えるし、うちに引き抜いてもいいよね?
あ、じゃあエミーリアが懐いているウータにしようかな。メイドだけど侍女の仕事も出来るでしょ。とりあえず、今度彼女の身元調査書を見せてもらおっと。
ということで、ウータの勧誘という名の引き抜きが決まったようです。
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