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5-私ラスボスだったの?
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「では、取り調べを開始します」
私は刑事になった気分でゴスロリ少女を取り調べます。なんか楽しくなってきました。
「ええっと……あなたがここに来た理由は私の首を取ろうとしたということで間違いありませんね?」
「……」
「そしてあなたはこの島に来るためにメルアさんを騙した。間違いありませんね?」
「……」
「裏は取れてんだよ!」
私はテーブルをダンッと叩きました。ゴスロリ少女も体がビクッとなって驚いています。私がこういうことをするとは思っていなかったのでしょう。私もそうです。
というよりそろそろゴスロリ少女という呼び方面倒くさくなってきました。
「まぁいいでしょう。あなたはさっき全て喋っていましたからね。それより名前はなんていうんですか?」
「……マーチェ」
「……思ったより可愛い名前ですね」
「そう言われるのが嫌だったんだ!」
顔が真っ赤になっています。真っ白に化粧しているのに分かるくらいに。
道理で言いたくなさそうにしていたわけです。名前と顔が一致していないって思う人が偶にいますがこの人はそういうタイプのようです。
「では色々と聞いて行きたいと思います」
「私は……童は何も言わないぞ!」
「本当は童じゃないんですね。もうここまで来たらキャラ作りは必要ないと思いますよ」
「わ・・・童は童じゃ!」
「まぁいいでしょう。質問しますからちゃんと答えてくださいね」
「嫌じゃ」
自分の現状が分かっていないのでしょうか。私以外だったら拷問しているに違いありません。しかし、私は拷問なんてしたくありません。
「この手で行くか……」
「な、何じゃ?」
私の不敵な笑みに怯えているマーチェさんを放っておいて、私はキッチンへ向かいます。私は最初からこの手を使いたいと思っていました。
油の揚がる音と匂いは完璧、カツオのような和風だしは少し残っていたのでそれを使う。醤油は最初この島に来た時メルアさんに特別に出してもらった残りがあるので大丈夫。問題としては米がないということ。メルアさんに力がなくなってしまったのでこのところお米を食べられていない。田植えはしているのでそれが育つのを待っているところだ。
「う~ん……お米はないけどまぁいっか。上の所だけでも美味しいでしょう」
私は仕上げとして卵でとじるとお皿に盛って、マーチェさんの前にそれを差し出しました。
「かつ丼!の丼無し!これで食べてすべて話しなさい」
マーチェさんのお腹がぐぅ~と鳴りました。掴みはうまく言っているようです。目も輝いていますから。
本当にかつ丼を食べれば犯人は自供するのでしょうか?刑事ドラマを見ているときからずっと疑問に思っていましたが、今それが分かります。
家の中から杖を持ってきたのでマーチェさんの手は解放してあげました。杖さえあれば私ならすぐに対応できると思うからです。それにとても弱そうですし
マーチェさんがフォークを持ってかつ丼の丼無しを食べようとした瞬間、私はお皿を自分側に引き寄せます。
「な、何をする!」
「質問に全て答えてくれない限り、これは食べさせません」
「な……なんだと」
「当たり前でしょう。何故ただ飯を食わせなければいけないんですか」
「そ……そちはやはり魔王だったか」
誰が魔王だ。善良な一般市民だわ。
「それで、この島が幻の天空都市って呼ばれていることは本当なの?」
「はい」
モグモグ
「冒険者の間では有名?」
「冒険者じゃなくても全員が知っておるわ。おとぎ話だと思われていた島が、突如2年前に姿を現したのじゃから」
モグモグ
2年前というと私が転生してきたときと同じタイミングだな。メルアさんもしかして私のためだけにこの島作ったのかな?なんか申し訳なくなってきた。あれ?そう言えば、メルアさんは何で来ないんだろう?
そう思った瞬間です。メルアさんが現れる時、登場シーンの光がテーブルの側で光りました。
「やっと来れました」
「メルアさん!何していたんですか!?それに色々と言いたいことがありますし」
「な……其方がメルアなのか?」
「ん……?誰ですかこの化粧が濃い子供は?」
「あんたが送ってきた冒険者だよ!」
「え……?」
メルアさんを椅子に座らせ話を聞きます。
メルアさんが時間通りこの島に来なかった理由は、マーチェさんをこの島に転移させるために力をすべて使ったため、自分がこの島に来るための力が残っていなかったそうです。じゃあ今まで何をしていたか。信者の方々の相談を片っ端から聞いて力を蓄えていたらしいです。「頑張りました!」と言って水を一気に飲み干していました。
「なんでメルアさんこの子をこの島に送ってきたんですか?嘘もつかれていましたし」
私はマーチェさんが足を怪我して冒険者を辞めなければならないと嘘をついていたことを報告しました。メルアさんはめちゃくちゃビックリしていて、かつ丼の丼無しを食べているマーチェさんをポコポコと殴っていましたが力を失ってナメクジ化していたので全然効いていませんでした。
信者にそんなことしていいのだろうか?
「それより、マーチェさんをメルアさんは見たことなかったんですか?分かっていなかったじゃないですか」
「私は崇拝されるべき存在ですからね、姿を現すことはありません。相談は壁越しに聞いています」
やっぱりそうだったか。
メルアさんはマーチェさんがこんな見た目だとも子供だとも思っていなかったらしく、引退間近のおじいちゃんだと思っていたらしい。
全然違うじゃん。声で気づけよ。
「それでそれで、なんでこの子は椅子に縛られているんですか?まさか、若菜さんドS……」
「違います!私の首が狙われているんです。そうそうメルアさんは知っていましたか?」
私はマーチェさんから聞いた、この島が2年前に突如現れて、幻の天空都市が幻じゃなくなった話をしました。
「え?若菜さん気づいてなかったんですか?」
「気づいていません!逆になんでメルアさんは気づいているんですか?」
「だってだって、噂でも聞きましたし……それにこの島の下にあるフロント村も最近は活気づいているじゃないですか」
「活気づいている?確かにそう言われれば」
2年前に言った時よりも確かにフロント村には人が集まっている気がする。しょっちゅう行くわけではないが、人が多く、文明も発展していた。
物価が上がってお肉が高くなっていたし!
「それと何の関係があるんですか?」
「この島のお陰ですよ」
「ふぇ…?」
この島が突如現れて、真下にあるフロント村にはこの島を狙った冒険者がたくさん集まってきているらしい。一つの観光名所になっているとも。
「なんじゃ、知らなかったのか?」
「知らないよ。いつの間にそんな大変なことになってたの」
かつ丼の丼無しをがっついていたマーチェさんは食べ終わったようで、話に参加してきた。
「今ではそちは、魔王に並ぶ存在。最強のダンジョンのボスとして名が挙がっている。ラスボス・ワカナとな……」
「え?私苗字が七瀬からラスボスに変わったの?」
私は刑事になった気分でゴスロリ少女を取り調べます。なんか楽しくなってきました。
「ええっと……あなたがここに来た理由は私の首を取ろうとしたということで間違いありませんね?」
「……」
「そしてあなたはこの島に来るためにメルアさんを騙した。間違いありませんね?」
「……」
「裏は取れてんだよ!」
私はテーブルをダンッと叩きました。ゴスロリ少女も体がビクッとなって驚いています。私がこういうことをするとは思っていなかったのでしょう。私もそうです。
というよりそろそろゴスロリ少女という呼び方面倒くさくなってきました。
「まぁいいでしょう。あなたはさっき全て喋っていましたからね。それより名前はなんていうんですか?」
「……マーチェ」
「……思ったより可愛い名前ですね」
「そう言われるのが嫌だったんだ!」
顔が真っ赤になっています。真っ白に化粧しているのに分かるくらいに。
道理で言いたくなさそうにしていたわけです。名前と顔が一致していないって思う人が偶にいますがこの人はそういうタイプのようです。
「では色々と聞いて行きたいと思います」
「私は……童は何も言わないぞ!」
「本当は童じゃないんですね。もうここまで来たらキャラ作りは必要ないと思いますよ」
「わ・・・童は童じゃ!」
「まぁいいでしょう。質問しますからちゃんと答えてくださいね」
「嫌じゃ」
自分の現状が分かっていないのでしょうか。私以外だったら拷問しているに違いありません。しかし、私は拷問なんてしたくありません。
「この手で行くか……」
「な、何じゃ?」
私の不敵な笑みに怯えているマーチェさんを放っておいて、私はキッチンへ向かいます。私は最初からこの手を使いたいと思っていました。
油の揚がる音と匂いは完璧、カツオのような和風だしは少し残っていたのでそれを使う。醤油は最初この島に来た時メルアさんに特別に出してもらった残りがあるので大丈夫。問題としては米がないということ。メルアさんに力がなくなってしまったのでこのところお米を食べられていない。田植えはしているのでそれが育つのを待っているところだ。
「う~ん……お米はないけどまぁいっか。上の所だけでも美味しいでしょう」
私は仕上げとして卵でとじるとお皿に盛って、マーチェさんの前にそれを差し出しました。
「かつ丼!の丼無し!これで食べてすべて話しなさい」
マーチェさんのお腹がぐぅ~と鳴りました。掴みはうまく言っているようです。目も輝いていますから。
本当にかつ丼を食べれば犯人は自供するのでしょうか?刑事ドラマを見ているときからずっと疑問に思っていましたが、今それが分かります。
家の中から杖を持ってきたのでマーチェさんの手は解放してあげました。杖さえあれば私ならすぐに対応できると思うからです。それにとても弱そうですし
マーチェさんがフォークを持ってかつ丼の丼無しを食べようとした瞬間、私はお皿を自分側に引き寄せます。
「な、何をする!」
「質問に全て答えてくれない限り、これは食べさせません」
「な……なんだと」
「当たり前でしょう。何故ただ飯を食わせなければいけないんですか」
「そ……そちはやはり魔王だったか」
誰が魔王だ。善良な一般市民だわ。
「それで、この島が幻の天空都市って呼ばれていることは本当なの?」
「はい」
モグモグ
「冒険者の間では有名?」
「冒険者じゃなくても全員が知っておるわ。おとぎ話だと思われていた島が、突如2年前に姿を現したのじゃから」
モグモグ
2年前というと私が転生してきたときと同じタイミングだな。メルアさんもしかして私のためだけにこの島作ったのかな?なんか申し訳なくなってきた。あれ?そう言えば、メルアさんは何で来ないんだろう?
そう思った瞬間です。メルアさんが現れる時、登場シーンの光がテーブルの側で光りました。
「やっと来れました」
「メルアさん!何していたんですか!?それに色々と言いたいことがありますし」
「な……其方がメルアなのか?」
「ん……?誰ですかこの化粧が濃い子供は?」
「あんたが送ってきた冒険者だよ!」
「え……?」
メルアさんを椅子に座らせ話を聞きます。
メルアさんが時間通りこの島に来なかった理由は、マーチェさんをこの島に転移させるために力をすべて使ったため、自分がこの島に来るための力が残っていなかったそうです。じゃあ今まで何をしていたか。信者の方々の相談を片っ端から聞いて力を蓄えていたらしいです。「頑張りました!」と言って水を一気に飲み干していました。
「なんでメルアさんこの子をこの島に送ってきたんですか?嘘もつかれていましたし」
私はマーチェさんが足を怪我して冒険者を辞めなければならないと嘘をついていたことを報告しました。メルアさんはめちゃくちゃビックリしていて、かつ丼の丼無しを食べているマーチェさんをポコポコと殴っていましたが力を失ってナメクジ化していたので全然効いていませんでした。
信者にそんなことしていいのだろうか?
「それより、マーチェさんをメルアさんは見たことなかったんですか?分かっていなかったじゃないですか」
「私は崇拝されるべき存在ですからね、姿を現すことはありません。相談は壁越しに聞いています」
やっぱりそうだったか。
メルアさんはマーチェさんがこんな見た目だとも子供だとも思っていなかったらしく、引退間近のおじいちゃんだと思っていたらしい。
全然違うじゃん。声で気づけよ。
「それでそれで、なんでこの子は椅子に縛られているんですか?まさか、若菜さんドS……」
「違います!私の首が狙われているんです。そうそうメルアさんは知っていましたか?」
私はマーチェさんから聞いた、この島が2年前に突如現れて、幻の天空都市が幻じゃなくなった話をしました。
「え?若菜さん気づいてなかったんですか?」
「気づいていません!逆になんでメルアさんは気づいているんですか?」
「だってだって、噂でも聞きましたし……それにこの島の下にあるフロント村も最近は活気づいているじゃないですか」
「活気づいている?確かにそう言われれば」
2年前に言った時よりも確かにフロント村には人が集まっている気がする。しょっちゅう行くわけではないが、人が多く、文明も発展していた。
物価が上がってお肉が高くなっていたし!
「それと何の関係があるんですか?」
「この島のお陰ですよ」
「ふぇ…?」
この島が突如現れて、真下にあるフロント村にはこの島を狙った冒険者がたくさん集まってきているらしい。一つの観光名所になっているとも。
「なんじゃ、知らなかったのか?」
「知らないよ。いつの間にそんな大変なことになってたの」
かつ丼の丼無しをがっついていたマーチェさんは食べ終わったようで、話に参加してきた。
「今ではそちは、魔王に並ぶ存在。最強のダンジョンのボスとして名が挙がっている。ラスボス・ワカナとな……」
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