私達の物語

歌魅音娘-utamineko-

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肆「いつも比べられて」

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「いつも比べられて」

 僕は、お隣の幼馴染みと比べられて生きてきた。勉強、運動はサッカーや野球、バスケ、陸上。音楽はピアノやバイオリン、マリンバとか、僕の習い事量は半端じゃなかった。色々なことが出来ると言うことは嬉しかったけれど、隣にはいつもアイツ幼馴染みが居た。そして、いつも比べられた。「○○幼馴染みの名前くん比べたら全然全然出来てないじゃない!なんでこう貴方は出来ないのかしら?」と毎回母に言われた。僕がアイツ幼馴染みを上回ることは一度だって出来なかった。テスト返しの時はいつも二番。五十メートル走だって、いつも二番、一番にはアイツ幼馴染みが居るから。母さんの自己満足の為じゃなくて、僕だって悔しいから勉強した!トレーニングだって!頑張ったよ。けれど、毎日友達と遊んでるアイツ幼馴染みが余裕で上回ってくるんだ。アイツ幼馴染みは天才、僕は凡人。アイツ幼馴染みが努力してる所なんて見たことがない。いつも一回練習したら二回目にはもう完璧なんだ。僕が何十回と練習してやっと出来た事をたった二回で終わらすんだ。もういやだ、こんな人生もういやだ。優しくてどんなやつにも手を差し伸べるアイツ幼馴染みが憎い、嫉妬、嫉妬、嫉妬、嫉妬で気が狂いそうだ。いや、もうおかしいのかもしれない。「親が比べるからなんだ?」「無視すれば良いじゃないか」そんなの出来てたら今、苦しんでないさ、辛い思いなんてしてないさ。親の言葉って子供には呪いのように纏わり付いて離れなくて、糸のように絡まってそれが首に引っ掛かって苦しくて苦しくて息は出来ても自分で身動き取れないくらいに絡まって絡まって抜け出せないんだ。なんで僕ばかりって、生きてることが辛くって、でもこんな思いする原因はアイツ幼馴染みだから、アイツ幼馴染みを憎んで、羨んで、妬んで、その行為が自分の首を絞めるの。
 僕は気が付いた。僕がアイツ幼馴染みになれば、こんな思いしなくて済むのでは?嗚呼、そうか、そうだ、僕が僕である限り苦しむんだ。そうと思ったら行動は早かった。海外旅行に彼と行き、彼を殺して、僕は彼の顔に整形して見た目は彼になった。そのままではバレるから彼の死体は顔をぐちゃぐちゃにした。背格好は似ていたからラッキーだった。僕は彼になった。性格だったり何か僕がわからない事があっても困るから事件にあってそれで、逃げている最中に車に跳ねられた事にして、それで、両親の顔名前、そして自分の顔名前しか、覚えていない事にした。これで、僕は死んで彼になった。
フフッ、あははははははははは!
 それからと言うものの僕はやる気が出て、新しい両親には褒められて幸せな人生を送った。

 これは比べられて育った少年が大人になるにつれて狂っていった物語おはなし
これはこの物語の主人公にとっては幸せな人生を歩むことの出来た物語であると言えるでしょう。「強い嫉妬」の末は「狂気」でしたか、幼馴染みからしたら超絶不幸で迷惑な話ですね。何も知らない、幼馴染みの両親も、、、ですが、これからも何も知らなければ幸せでしょう。
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