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それでも……好きです

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 音響ブースから出された俺は今度は持ったこともない一眼を渡されて写真係にされた。
 全体とそれぞれのクラスごとで写真を撮り、やっと終わりかと思ったら……

「まさちゃんたちも写真撮ってあげるよぉ~!」

 中学生たちにニヤニヤされてスマホを構えられる。

「いや、私はいいから」

 そうやってさっさとジャージを羽織ってしまうところが先輩らしい。だが、

「マサ!」

 先生はオレンジのミニブーケを先輩に手渡すとジャージを剥いでその腰を引き寄せた。

「撮ってぇ~!」

 笑う先生と戸惑う先輩。
 だが、慣れているのかすぐに微笑んだ先輩を見て俺もカメラを構え、中学生たちもスマホで連写していく。

「ね!流星くんも来て!」

 ある程度撮ると今度は俺も手招きされて、「やるよ!」と手を出してくれた中学生にカメラを奪われてそれ以外の中学生に背中を押された。
 すぐに先生に捕獲されるように腕を絡められたが、

「こっち見て~!」

 そんなことを言われても俺はどうしたらいいのか。

「まさちゃんも彼氏も表情硬~い!」
「えー!どれー?」

 なのに、先生は俺と先輩を残してカメラの方に行ってしまった。

「「え?」」

 取り残された俺たちは中途半端に固まってしまう。

「ほら!流星くん!マサの腰を抱くかバックハグでもいいよ?」
「なっ!!」

 そんなことできるわけがない。
 親たちは観客席から居なくなっているが、こんな人がいっぱい居る前で……無理に決まっている。
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