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男子バスケ部

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 ダンダンとボールをつくドリブルの音。
 キュッと止まった時に鳴るバッシュの音。
 パシュッとネットをくぐる、どうしたって目がいくシュートが決まった音。

「へいっ!」
「スクリーン!」
「チェンジ!」
「っしゃ!」

 クンッとシュートフェイクをして、更に右足に一瞬体重をかけてから一気に左に移動させてドライブで切り込む。
 ディフェンスのフォローが入るが、ペイントエリア手前。
 既に先輩は跳んでいる。
 シュートモーションから一度ボールを下げてそのまま下から左手一本でボールをゴールへ……あと少しのところでバチンッとボールは弾かれて、先輩は小さく舌打ちをした。
 笛を鳴らすと、動きを止めたみんながこっちを向く。

「トモ先輩!今のは反対のリキが空いてたんでそっちにパスか、アウトでダイ先輩に戻して下さい!」
「えー!でもー」
「コタ先輩の真正面にわざわざボールを持ってったらはたかれるのはわかりません?」
「……それはわかる」

 口を尖らせつつしゅんとしてトモ先輩はボールを抱えた。

「よし!そろそろ時間だし軽くストレッチして片付けるぞ!」

 キャプテンであるセイ先輩が言うとみんなはいつものペアに分かれて各自ストレッチを始める。


 啓南けいなん高校男子バスケ部。
 俺はまだこの部に所属して三日目。
 でも、この部は一年である俺の言葉も聞いてくれるし、マネージャーである俺に変に気を遣ったりしない。
 マネージャーでも軽く三対三なら混ぜてくれるようなあったかい部だ。
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