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サブドロップ

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 元セラピストでもある先生の対応は完璧だったらしく、救急隊が駆け付けた頃には悠太は落ち着いてすやすやと穏やかな顔で眠っていた。
 一緒に病院へと付き添うことになった先生と教頭先生と運ばれる悠太を見送って俺はその場に座り込んだ。

「周防先生っ!!」

 校長先生が心配そうに覗き込んできてくれて、ゆっくり息を吐き出す。
 何度か繰り返して少し落ち着くと、校長先生に支えられて校長室に入った。
 フカフカのソファーに座らされて何度目かの息を吐く。

「パートナーである周防先生には酷でしたよね」

 目の前のソファーに座った校長先生に言われて顔を上げると、申し訳なさそうな校長先生と目が合った。

「……“ダイナミクス担当の職員は校長、もしくは教頭の同席の元、緊急時はプレイを認める”……それは理解していますから」

 わかっているはずなのに声は震えてしまう。

「理解していても実際となるとそれは違って当然ですよ」

 校長先生の言葉に崩れそうになってしまった。
 先生が悠太にグレアを注ぎ、コマンドを与える間、“理解しなきゃいけない”と何度も言い聞かせた。
 あの苦しさは嫌というほど経験もしたし、悠太を何とかしてやりたかったのも事実だったから。
 でも、優しい先生の目、悠太を撫でる先生の手、俺じゃない悠太に向けられた「“Goodいい子”」 のコマンド。
 ポロッと一筋涙が流れてしまうと止められなくなった。
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