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バレンタインは甘々で

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 朝、目が覚めて昨夜を思い出しつつ身悶える。
 そして、軽く落ち込んでもいた。
 ここ数日、カラーはキツめに締めてくれる。
 だが、そうなると俺は理性を失ってしまうのかあまり記憶がない。
 ただ、わかるのは……プレイの途中でトんでいて、ここ最近ということ。
 まぁ、最近というか……そもそもまだ片手で数える程度しかシていないのだが。
 初めて繋がったあの日のような気怠さも、腰の痛みも、筋肉の引き攣るような違和感も、尻に残る異物感も……何もない。
 首に触れてもカラーも外されていて何となく残念に思う。
 手首には残っているチェーンに触れてそこに唇を寄せた。

「……冬弥……」
「それは僕に直接言ってくれますか?」

 言われてビクンと跳ねると、先生は少し口を尖らせる。
 一体いつからそこに居て、いつから見ていたのか?

「呼んでくれたらすぐに駆け付けますよ?」
「いやっ、そのっ……うん……」

 自分でも何を言っているのかわからないが、先生はフッと笑った。
 抱き寄せられてそのふわりと香る先生の匂いと温かさにホッとする。
 だが、落ち着きを取り戻すと、また何か申し訳なくなってきた。
 上は脱いでいるが、下はスウェットもしっかり穿いたまま。
 昨夜も俺は一人でトんでしまったんだろう。
 先生には何もせず……一人だけで。

「“Goodいい子”」
「へ?」

 思いがけないコマンドに顔を上げると、

「そんな顔しないで?僕は幸せですよ?」

 先生は笑って俺の頭を撫でてくれた。
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