溺愛Domの優しいコマンド

水ノ瀬 あおい

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ダイナミクス診断

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 チャイムが鳴って挨拶をした後、教卓の前で全体を見回す。

「見て分かる通り、深谷先生が来て下さった。理由がわかる人?」

 問い掛けると、数人が手を挙げた。だが、

「ダイナミクスの説明のためです」

 真面目に答えた子のすぐ後で「ダイナミクス?」とよく理解できていない子たちが声を出す。すると、

「SM好きかわかっちゃうんだって~ぇ!」

 洋平がニヤニヤ笑ってクラスがどよめいた。

「洋平!適当なこと言うな!」
「いや、そうじゃん?Domは痛めつけるクソサドで、Subは痛いことされて喜ぶドマゾだろ?」

 注意しても洋平はケラケラと笑う。
 DomとSubの言葉は知っているクセにこういう勘違いが多くて本当に嫌になるし、軽く頭痛がした。

「エッロ~っ!」

 すぐに宏太も笑い出して、俺はじっと黙ったまま鋭い視線を二人を中心にゆっくりクラス全体に送る。
 これは真面目な授業だ。
 笑いながらおちゃらけて受けていい内容ではない。
 俺の真剣な様子に気付いたらしく、笑っていたクラスはすぐにシンと静まり返った。

「そういう勘違いをしているのを正すための授業だ。いいか、真面目に聞けよ。……深谷先生、よろしくお願いします」

 フザけた空気を張り詰めさせて聞く体勢を整えてから先生にパスする。
 先生はペコリと軽く会釈をしてから教卓の前に立った。 
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