溺愛Domの優しいコマンド

水ノ瀬 あおい

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 三が日はそのままゆっくり響弥さんたちと過ごして、仕事始めの四日も有給を取っていた俺たちは由貴さんが勧めてくれた店に向かっていた。だが、

「ここです」

 先生が案内してくれたお店はどう見たってジュエリーショップで、俺には場違いな気がしてしまう。

「航生さん?」

 俺が身構えたことに気づいた先生が顔を覗き込んできて、俺は眉を寄せて目を合わせた。

「大丈夫ですよ?母さんが連絡を入れてくれていますし、奥にはその紹介がないと入れなくなっていますから」

 先生の言い方で、先生はここが初めてではないのを感じる。

「やっぱり恐いですか?」

 心配そうなその顔を見て首を横に振ると、先生はそっと手を差し出してくれた。

「なら、一度見てみませんか?買うかどうかは置いておいて……あ、辛かったりしたらすぐに言って下さいよ!!」

 握る手に力が入ってしまっても、先生は優しく気遣ってくれる。
 店に入って、キラキラの宝石に目が眩んだ。
 だが、先生は落ち着いて店員に声を掛けて、俺たちは奥へと案内される。
 扉の先は明るい開放的な部屋で、それまでの綺羅びやかな空間とは違って落ち着く木の温もりに溢れた部屋だった。

「こちらでお待ち下さい」

 ソファーに案内されて先生と並んで腰掛ける。
 繋いでいた手にもう片方も乗せられて先生の方を向くと、先生は柔らかく微笑んだ。
 いつものその笑みを見てホッとする。

「……緊張しますね」
「え?余裕に見えるけど?」
「バクバクですから繋いでいて下さいね?」

 キュンとして俺は先生に擦り寄ってみた。
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