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パートナーに

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「久々にうちに泊まる?」

 研修が終わって筆記用具を片付けていると、佐藤くんはまた俺の前の席に座って首を傾げる。

「何の用意もないが?」
「パンツだけコンビニで買ってよく来てたじゃん」

 その甘えるような顔。
 どうやらもう一緒に帰る気でいるらしい。

「明日もまだ仕事だから程々にな」
「うんっ!」

 こうやってかわいく甘えるのは俺には無理だ。
 Subらしいおねだりだと昔、佐藤くんは言ったけど……俺にはできる気がしない。


 そのまま電車に乗って、佐藤くんのアパートがある最寄り駅にあるコンビニで酒と少しのつまみも買った。
 佐藤くんの部屋は広くはないが比較的新しいアパートで、掃除も行き届いていて居心地はいい。
 すぐに互いにネクタイを外して、佐藤くんはTシャツと短パンになる。
 俺も着替えたかったがそこは仕方ない。
 すぐに二人で乾杯して、佐藤くんはふにゃふにゃの笑みを見せてきた。

「今度からハードル走だからさぁ……周防くん全国出てたよね?お手本見せてよ」
「いや、三年生だろ?ミニハードルで少し見本見せればいいだろ?」
「いっその事バク転とかして越えてみる?」
「危ないからやめろ」

 ケタケタと笑うだいぶ酔っている佐藤くんを止める。
 佐藤くんは男子新体操で全国三位にもなっていてかなり身軽だ。
 そうやってお互いの仕事の話をして、飲んで……。

「ねぇ、“仮”ってどこまでシてるの?」

 佐藤くんに聞かれてピタリと動きを止めた。
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