46 / 311
もっと
2
しおりを挟む
「……マジかよ」
店のドアに貼られた“本日臨時休業”の文字にガックリ肩を落とす。
この暑い中をわざわざ歩いてきた空腹の俺にはかなり堪えた。
もうコンビニでいい、と思いつつ、ここまで歩いてきたのに……とやはりまだ諦めきれないでいると、
「こんにちは」
軽く肩を叩かれて振り返る。
そこには笑顔の深谷先生が居た。
「あ、こんにちは」
学校外で“先生”と呼ぶのは躊躇って頭を下げるだけにしておく。
「……お茶休憩の予定でした?」
「いえ……お恥ずかしながら食事に」
「え?もう十四時過ぎですよ?」
その文字を見て少し困ったように頬を掻いていた先生がピタリと動きを止めた。
「はい……寝過ごしまして」
恥ずかしくて声が小さくなると、先生は少しだけ笑う。
「もしかして……朝食さえまだ、ということですか?」
もうその顔さえ見れなくてただ頷くと、「じゃあ!」先生に手を引かれて結局目を合わせてしまった。
「この先に定食屋あるので行きませんか?」
自宅アパートから徒歩数分の距離なのにそんなお店は覚えがなくて戸惑っていると、
「安いのにおいしいですよ!」
にっこりと笑みを向けられて了承する。
すぐ裏通りに入って日陰なのもありがたい、と思っていると先生は「あそこです」と指を差した。
そこには看板も見当たらなくて、近づいても店らしさはない。
古民家にしか見えなくて首を傾げると、先生は微笑みながらその玄関ドアをカラカラと引いて開けた。
店のドアに貼られた“本日臨時休業”の文字にガックリ肩を落とす。
この暑い中をわざわざ歩いてきた空腹の俺にはかなり堪えた。
もうコンビニでいい、と思いつつ、ここまで歩いてきたのに……とやはりまだ諦めきれないでいると、
「こんにちは」
軽く肩を叩かれて振り返る。
そこには笑顔の深谷先生が居た。
「あ、こんにちは」
学校外で“先生”と呼ぶのは躊躇って頭を下げるだけにしておく。
「……お茶休憩の予定でした?」
「いえ……お恥ずかしながら食事に」
「え?もう十四時過ぎですよ?」
その文字を見て少し困ったように頬を掻いていた先生がピタリと動きを止めた。
「はい……寝過ごしまして」
恥ずかしくて声が小さくなると、先生は少しだけ笑う。
「もしかして……朝食さえまだ、ということですか?」
もうその顔さえ見れなくてただ頷くと、「じゃあ!」先生に手を引かれて結局目を合わせてしまった。
「この先に定食屋あるので行きませんか?」
自宅アパートから徒歩数分の距離なのにそんなお店は覚えがなくて戸惑っていると、
「安いのにおいしいですよ!」
にっこりと笑みを向けられて了承する。
すぐ裏通りに入って日陰なのもありがたい、と思っていると先生は「あそこです」と指を差した。
そこには看板も見当たらなくて、近づいても店らしさはない。
古民家にしか見えなくて首を傾げると、先生は微笑みながらその玄関ドアをカラカラと引いて開けた。
36
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる