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野外活動

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 夏休みで少しダレていたのもあったかもしれない。
 朝早くの集合がキツくてあくびを噛み殺しながら職員室に入ると、既にほとんどの先生方が集まっていた。

「すいませんっ!!」

 慌ててその場まで走ると、

「まだ時間前なんで大丈夫ですよ」

 主任の真野先生に笑われる。しかも、

「それより……髪ハネてますよ?直しましょうか?」

 隣に来た深谷先生に微笑まれて恥ずかしかった。
 俯く俺の肩からリュックを降ろされて手を引かれる。
 先生の席のイスに座らされて引き出しから出したクシで梳かされる髪。

「手の掛かる弟ねぇ」
「いやぁ、かわいくて仕方ないですよ」

 真野先生と深谷先生の会話も恥ずかし過ぎて俯くことしかできなかった。

「じゃあ、野活中、弟のことよろしくね」
「はい」

 二人は穏やかに話しているがこっちは居た堪れない。
 ワックスで整えられながら俺はずっと黙っていた。すると、

「……照れてます?」

 耳元で囁かれて跳ね上がる。
 パッと見ると、深谷先生は満足そうに微笑んでいた。

「僕はお世話できて、かわいい顔も見れて満足ですよ?」

 俺たち五年の担任が集まる机から深谷先生の机は少し距離がある。
 それでも小声でそんなことを言われてドキッとして、慌てて他の先生たちの反応を確認してしまった。
 こっちのことは一切気にもしていないようだが心臓はバクバクとうるさい。

「野活、楽しみですね」

 ちょっと心臓が保たなさそうで心配なのは俺だけらしい。
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