溺愛Domの優しいコマンド

水ノ瀬 あおい

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「……本当、ですか?」

 それでも声は震えてしまった。
 花宮とは違うと言い聞かせつつ、俺自身が徳間のようにもなりたくはなかったから。

「はい。ここは保健室ですしね?少し試しに、です」

 微笑んでくれる深谷先生。
 過去の経験もだが、同じ職場の人間に自らの欲を曝す不安はある。
 でも、決して無理強いをする感じでもなく、俺に決定は委ねてくれている気がして安心はできた。

「嫌だったらセーフワード(Domのプレイが行き過ぎた時に静止できる言葉)で止めてくれて良いですし。もう、辛いですよね?やってみませんか?」

 その提案に少し考えて頷くと、先生はふわりと笑う。

「何かいいのありますか?」
「……まともにしたことはなくて……わからないです」

 そっと言葉を押し出すと、深谷先生は頷いて少し考えた。

「“Hateやめて”では言い辛いですかね?」
「いえ……それで大丈夫です」

 なぜか先生の言葉には従いたくなってきてそれを受け入れる。

「いいんですか?」
「……はい」

 まだ身体は強張りつつもゆっくりと頷いた。
 プレイなんて怖いのに、先生とならしてみたいとも思える不思議。
 コマンドを聞いて気持ち悪くなったら……思いつつ、セーフワードは言いたくないとも思っていた。

「無理はしないでちゃんと辛かったらセーフワード言って下さいね」

 それでももう一度確認してくれて今度はすぐに頷く。
 いつの間にか強張りはなくなっていて、少し期待もしていた。
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