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過去
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声が聞こえた気がして目を覚ます。
俺はいつの間にか寝ていたらしく、リビング側にあるテーブルに突っ伏して肩にはブランケットが掛けられていた。
パッと見、徳間と悠さんの姿は見えない。
グッと伸びをして立ち上がる。
フカフカのラグもすぐ後ろにあるソファーも気持ちよくて倒れ込んだ。
ここは徳間の家だとわかっているのにまたすぐ眠りそうだった。
だが、やはりまた声がして起き上がる。
「ん"っ……あ"ァっ!!……ぐぅっ……」
呻くような、苦しそうな声。
どこも薄明かりになっているから何かは見えないが、声と音はどんどんリアルになって俺の耳に届いた。
声の合間に聞こえるヒュンと風をきるような音とやけに乾いた破裂音。
ドクンと俺の心臓が大きく跳ねた。
「龍?気持ちいい?」
「あ"……ん。気持ち、い……悠ちゃ……もっ、と……っン"ぁ"ぁっ!!」
いつもの声からは想像できないほど妖しく聞こえる悠さんの声と切羽詰まったような徳間の声。
「そんな大きな声だと周防くんに聞こえない?それとも……見て欲しいの?」
ゾクッとするほどのDomらしい響きを持ったその声に息苦しくなった。
「ん……ほし……」
「困った子」
ダメだと思うのに。怖くて震えが止まらないのに進めてしまう足。
少しずつそろりそろりと廊下を歩いて、音が聞こえる奥の扉の前で立ち止まった。
俺はいつの間にか寝ていたらしく、リビング側にあるテーブルに突っ伏して肩にはブランケットが掛けられていた。
パッと見、徳間と悠さんの姿は見えない。
グッと伸びをして立ち上がる。
フカフカのラグもすぐ後ろにあるソファーも気持ちよくて倒れ込んだ。
ここは徳間の家だとわかっているのにまたすぐ眠りそうだった。
だが、やはりまた声がして起き上がる。
「ん"っ……あ"ァっ!!……ぐぅっ……」
呻くような、苦しそうな声。
どこも薄明かりになっているから何かは見えないが、声と音はどんどんリアルになって俺の耳に届いた。
声の合間に聞こえるヒュンと風をきるような音とやけに乾いた破裂音。
ドクンと俺の心臓が大きく跳ねた。
「龍?気持ちいい?」
「あ"……ん。気持ち、い……悠ちゃ……もっ、と……っン"ぁ"ぁっ!!」
いつもの声からは想像できないほど妖しく聞こえる悠さんの声と切羽詰まったような徳間の声。
「そんな大きな声だと周防くんに聞こえない?それとも……見て欲しいの?」
ゾクッとするほどのDomらしい響きを持ったその声に息苦しくなった。
「ん……ほし……」
「困った子」
ダメだと思うのに。怖くて震えが止まらないのに進めてしまう足。
少しずつそろりそろりと廊下を歩いて、音が聞こえる奥の扉の前で立ち止まった。
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