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不仲

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 唇が重なってまた舌が絡まってくる。
 歯列をなぞられて吐息が漏れると、リューラは俺のジャケットのボタンを外してシャツの裾を引き出した。
 スルリと入り込んでくる少し冷たい手。

「っ、ちょ……」

 その冷たさにピクッと跳ねてしまうと、リューラは俺の頬にキスをしながら手を更に上へと進めた。
 胸の突起を押し潰されて、先を抓まれる。

「バカッ……おいっ!ロットル!!」

 叫んでも反応はなくて、

「あいつはお茶を淹れに行ったよ」

 リューラにサラッと言われた。
 だが、それからパタンと音がしてちゃんとさっきまでそこに居たことを知る。

「今、出てっただろーがっ!!」
「うん、居なくなったからいいよね?」

 喚いてものんびりと微笑まれてピキッと眉間に筋が浮いた。

「いーわけあるかっ!!」

 怒鳴ってもリューラは全く力を緩めない。

「だってさ……」

 押さえつけたまま耳元に近付いてこられてゾクッとした。

「あの女に微笑まれて満更でもなかった?」

 直接流し込まれる低めの声。

「は?」
「あいつに興味持ってない?」

 嫉妬丸出しの言い方に近いその顔を押す。

「そりゃ、結婚す……」
「だから、させないって」

 俺の手を掴んでリューラは真っ直ぐ俺を見下ろしてきた。

「俺だけを見てよ」
「だから……」

 この目を見ていると流されそうで顔を背けたのに、

「サラってさ、俺のこと結構好きでしょ?」

 顎を固定されてそのままキスを受け入れてしまった。
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