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バカなのか?

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「あの村に食べられない、そんな価値のあるパンにするつもりです」

 まだ未墾の土地も多いあの村。
 働き手はそれなりに居るのに仕事もそこそこのものをみんなでやって平和に暮らしている。
 領主がほとんどせしめているとも知らずに。

「そんなの……」
『いいですね!おいしく食べられる時間が短いのなら人をそこに呼べばいいですからね。あのパンにはその価値もあるでしょう』

 文句をつけようとした連中の言葉を遮ってロザーナはキラキラと目を輝かせる。

『しかも、あそこはパンの技術だけではなく、果物が豊富でジャムやジュースも絶品です。その価値はあるでしょうね?』

 言葉をどこまで理解しているかはわからないが、リューラまで微笑んで俺の味方につくと連中はグッと押し黙った。

『あの村は自然豊かなで絶景も多いので、宿をいくつか準備して村で過ごせる場所を作れば十分村も潤うはずです』
「そんなうまくいくものか」

 ポソッとそんな声も聞こえてきたが、俺は一切引く気はない。

「成功させて素晴らしい村の様子をご覧に入れますよ?」

 笑顔で答えると、リューラがロットルに言ってあの山葡萄のジュースが配られた。

「詳しい話はこれから詰めるとして……とりあえず今は……」

 言いながらグラスを持つリューラを見て、俺たちもグラスを手にする。

『食事を楽しみましょう!』

 掲げられたそれぞれのグラスの中で山葡萄のジュースがキラキラ光っていた。
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