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バカなのか?
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「いい香りだ」
まずは微笑んだリューラと公賓であるロザーナの前にパンが置かれる。
いつもの俺の前とは違う王らしく余裕のある話し方はさすがだ。
「温かいうちにお召し上がり下さい」
俺も運ぶのを手伝う手を止めて頭を下げると、二人はパンを手にして目を見開く。
『柔らかいっ!!』
ほぼ素のその反応はかなり嬉しかった。
『えぇ。生地でこちらにお持ちしたので、これは今焼き上げたんです』
他の王族たちにも運ぶと、連中もすぐに驚きの声をあげる。
『ですが、これも焼き立てでなければその柔らかさとしっとりとした食感は損なわれてしまいます』
俺はあの男、スイームが村で焼いて持ってきたパンを切り分けてまたそれもそれぞれの皿に乗せた。
「確かに……味も違う気がするな」
パンを少し口にしてじっと見つめているリューラに頷く。
『これはどちらも今回取り引きを成立させて頂いた小麦で作りまして、この数日でも素晴らしい出来になっていると思います』
『確かに!こんな素晴らしく素材を活かして頂けるなら、喜んでこれからも取り引きさせて頂きたいです』
すぐにロザーナが反応して、その反応にホッとした。だが、
「凄くても流通させるとこの硬くなったパンだろう?」
すぐにさっきも水を差してきた連中が鼻で笑う。
「えぇ!だから、私はこれは流通させるつもりはございません」
「何っ!?」
だから思いっきり微笑んでやって、その反応に内心ほくそ笑んでいた。
まずは微笑んだリューラと公賓であるロザーナの前にパンが置かれる。
いつもの俺の前とは違う王らしく余裕のある話し方はさすがだ。
「温かいうちにお召し上がり下さい」
俺も運ぶのを手伝う手を止めて頭を下げると、二人はパンを手にして目を見開く。
『柔らかいっ!!』
ほぼ素のその反応はかなり嬉しかった。
『えぇ。生地でこちらにお持ちしたので、これは今焼き上げたんです』
他の王族たちにも運ぶと、連中もすぐに驚きの声をあげる。
『ですが、これも焼き立てでなければその柔らかさとしっとりとした食感は損なわれてしまいます』
俺はあの男、スイームが村で焼いて持ってきたパンを切り分けてまたそれもそれぞれの皿に乗せた。
「確かに……味も違う気がするな」
パンを少し口にしてじっと見つめているリューラに頷く。
『これはどちらも今回取り引きを成立させて頂いた小麦で作りまして、この数日でも素晴らしい出来になっていると思います』
『確かに!こんな素晴らしく素材を活かして頂けるなら、喜んでこれからも取り引きさせて頂きたいです』
すぐにロザーナが反応して、その反応にホッとした。だが、
「凄くても流通させるとこの硬くなったパンだろう?」
すぐにさっきも水を差してきた連中が鼻で笑う。
「えぇ!だから、私はこれは流通させるつもりはございません」
「何っ!?」
だから思いっきり微笑んでやって、その反応に内心ほくそ笑んでいた。
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