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バカなのか?

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 案内されたのはめちゃくちゃ居心地の悪い王族たちも一緒の会食。
 しかも、公爵の息子である俺が王であるリューラのすぐ脇に居て、ロザーナと向き合っているのは気に食わない連中も多そうだ。
 そもそもパレードでも俺が一緒に馬車に乗ってしまってかなり恨みを持たれているだろうのに。

『このジャムもその村で?』
『えぇ』

 それでもロザーナに聞かれたら、さすがに仏頂面で居るわけにはいかない。
 微笑んで返事をすると、なぜか嬉しそうにするリューラが目に入った。
 お前にじゃない!と足で蹴ってやろうと思ったが、この広い立派なテーブルでは近く感じても結構距離はある。

『よかったらいくつかお持ちになりますか?』

 諦めてロザーナとの話に集中すると、

「長い船旅にそんな長く保たないものなど……」

 コソッと言うのが聞こえた。

「そうなんですよ。船の上では野菜や果物はすぐにダメになってしまうので、こういうものはありがたいんです」

 言葉が理解できたらしく、こっちの言葉でサラッと答えて微笑むロザーナに嫌味を言った奴とその周りの連中は顔を赤くして小さくなる。
 軽く会釈をすると、ロザーナはパチッとウインクをした。

『せっかくなのでこちらもお召し上がり下さい』

 近くに控えていたロットルに目配せをすると、ロットルはこの城に来る直前に持ち込まれて俺がここにも持ってきたパンを運んで来る。
 あの小麦を十分に活かしたパンは俺が想像した以上の出来だった。
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