42 / 181
バカなのか?
4
しおりを挟む
目が覚めても何となく疲れが抜けない。
昨夜も結局遅くまでリューラが部屋に居て俺は急いで寝る準備を済ませてベッドに倒れ込んだから。
「はぁ……どうしろって?」
リューラのことは嫌いではないが、好きかと聞かれたらそれは弟のような感情の方が近いと思う。
だから、やっぱり恋愛の意味でなんて考えられなかった。
起き上がってあくびをしながら靴を履く。
カーテンを開けて窓も開くと、鳥の囀りが聞こえた。
青い空と綺麗に整えられた庭木。
秋の穏やかな空気を吸い込んでゆっくり吐き出した。
目に入るのは俺が城で気に入って、リューラが「こっちの屋敷にも!」と頼んで植えたバラの木。
その蕾が膨らんでいるのがここからでも見えた。
あいつはいつから俺にそんな友情や兄弟のような情とは違う感情を持っていたのだろうか?
もし、俺に縁談でも持ち上がったら……あいつはどうするのだろうか?
「サライド様、おはようございます」
ノックと共にリックの声がしてドアが開く。
「今日は起きていらっしゃいましたか?」
微笑みながら白いシャツを広げられて着ていた服を脱ぎ捨てるとそのシャツに袖を通した。
「つか、今日って正装するような仕事だったか?」
「シャンタス国のロザーナ様が帰国されるのでそのお見送りをと伺っておりますが?」
ボタンを留めながら聞くと、リックは濃いグレーのパンツを渡してくる。
見送りは予定にはなかったはずで……何かしらリューラの策略を感じた。
昨夜も結局遅くまでリューラが部屋に居て俺は急いで寝る準備を済ませてベッドに倒れ込んだから。
「はぁ……どうしろって?」
リューラのことは嫌いではないが、好きかと聞かれたらそれは弟のような感情の方が近いと思う。
だから、やっぱり恋愛の意味でなんて考えられなかった。
起き上がってあくびをしながら靴を履く。
カーテンを開けて窓も開くと、鳥の囀りが聞こえた。
青い空と綺麗に整えられた庭木。
秋の穏やかな空気を吸い込んでゆっくり吐き出した。
目に入るのは俺が城で気に入って、リューラが「こっちの屋敷にも!」と頼んで植えたバラの木。
その蕾が膨らんでいるのがここからでも見えた。
あいつはいつから俺にそんな友情や兄弟のような情とは違う感情を持っていたのだろうか?
もし、俺に縁談でも持ち上がったら……あいつはどうするのだろうか?
「サライド様、おはようございます」
ノックと共にリックの声がしてドアが開く。
「今日は起きていらっしゃいましたか?」
微笑みながら白いシャツを広げられて着ていた服を脱ぎ捨てるとそのシャツに袖を通した。
「つか、今日って正装するような仕事だったか?」
「シャンタス国のロザーナ様が帰国されるのでそのお見送りをと伺っておりますが?」
ボタンを留めながら聞くと、リックは濃いグレーのパンツを渡してくる。
見送りは予定にはなかったはずで……何かしらリューラの策略を感じた。
22
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説

朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

悪役令息になる前に自由に生きることにしました
asagi
BL
【本編完結。番外編更新予定】
目覚めた時、アリエルは七歳から十五歳までの記憶を失っていた。
父親から冷遇され、一人領地に追いやられた悲しみに、人格が眠りについていたようだ。
失った記憶を探る中で、将来自分が【悪役令息】と呼ばれる可能性があることを知る。
父親への愛情も、家族への未練もなくなったアリエルは、自由に生きることを求めて行動を始めた。
そんなアリエルを支えてくれるのは、父親から家庭教師として送られてきたブラッド。
一心に愛を告げるブラッドに、アリエルの心が動かされていく。
※家庭教師×貴族令息。
※短編なのでサクサク進んでいきます。

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼毎週、月・水・金に投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る
竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。
子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。
ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。
神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。
公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。
それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。
だが、王子は知らない。
アレンにも王位継承権があることを。
従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!?
*誤字報告ありがとうございます!
*カエサル=プレート 修正しました。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる