わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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バカなのか?

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 目が覚めても何となく疲れが抜けない。
 昨夜も結局遅くまでリューラが部屋に居て俺は急いで寝る準備を済ませてベッドに倒れ込んだから。

「はぁ……どうしろって?」

 リューラのことは嫌いではないが、好きかと聞かれたらそれは弟のような感情の方が近いと思う。
 だから、やっぱり恋愛の意味でなんて考えられなかった。
 起き上がってあくびをしながら靴を履く。
 カーテンを開けて窓も開くと、鳥の囀りが聞こえた。
 青い空と綺麗に整えられた庭木。
 秋の穏やかな空気を吸い込んでゆっくり吐き出した。
 目に入るのは俺が城で気に入って、リューラが「こっちの屋敷にも!」と頼んで植えたバラの木。
 その蕾が膨らんでいるのがここからでも見えた。
 あいつはいつから俺にそんな友情や兄弟のような情とは違う感情を持っていたのだろうか?
 もし、俺に縁談でも持ち上がったら……あいつはどうするのだろうか?

「サライド様、おはようございます」

 ノックと共にリックの声がしてドアが開く。

「今日は起きていらっしゃいましたか?」

 微笑みながら白いシャツを広げられて着ていた服を脱ぎ捨てるとそのシャツに袖を通した。

「つか、今日って正装するような仕事だったか?」
「シャンタス国のロザーナ様が帰国されるのでそのお見送りをと伺っておりますが?」

 ボタンを留めながら聞くと、リックは濃いグレーのパンツを渡してくる。
 見送りは予定にはなかったはずで……何かしらリューラの策略を感じた。
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