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バカなのか?
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「いい加減、女性とくっつけようとするのやめてくれる?」
真剣な顔で近づいてこられてとにかく顔を背ける。
「だからって俺にこんなことするな!」
喚いたのに返事がなくてそっとそっちに目をやると、リューラはこっちを見下ろしたまま眉を寄せていた。
「サラは……俺のこと、嫌い?」
悲しげなその瞳に俺はうぐっと言葉を詰まらせる。
昔からこいつのこの顔には弱いのに、こいつはわかってやっているのだろうか?
「……嫌いだったら……部屋になんて入れるか」
言わされた感は満載だが、嬉しそうにされて調子が狂う。
「好き?」
こてんと首を倒されて、その鼻を摘まんでやった。
「そうは言ってねぇ!」
「えー!」
不満そうにしながらもチュッとキスをしてきてその頭をぶん殴ってやる。
「暴力!」
「王だってただの男なんだろ?」
笑うと、すぐにまた俺の顎を掴んでキスをしてきた。
強引すぎるそのキス。
もう俺は何度こいつとキスをしたのだろうか?
「お前なぁ……」
「俺が諦め悪いの知ってるよね?」
それは嫌というほどわかっていてため息を吐く。
剣で俺に勝てなくて何度も向かい続けてきたし、見たかった流れ星を確認できるまで空を見上げたまま部屋に戻らなくて大騒ぎにもなった。
ペロッと舌を出すその顔は昔のままなのに、何でこいつはこんなにも俺との関係を変えたがるのか?
真剣な顔で近づいてこられてとにかく顔を背ける。
「だからって俺にこんなことするな!」
喚いたのに返事がなくてそっとそっちに目をやると、リューラはこっちを見下ろしたまま眉を寄せていた。
「サラは……俺のこと、嫌い?」
悲しげなその瞳に俺はうぐっと言葉を詰まらせる。
昔からこいつのこの顔には弱いのに、こいつはわかってやっているのだろうか?
「……嫌いだったら……部屋になんて入れるか」
言わされた感は満載だが、嬉しそうにされて調子が狂う。
「好き?」
こてんと首を倒されて、その鼻を摘まんでやった。
「そうは言ってねぇ!」
「えー!」
不満そうにしながらもチュッとキスをしてきてその頭をぶん殴ってやる。
「暴力!」
「王だってただの男なんだろ?」
笑うと、すぐにまた俺の顎を掴んでキスをしてきた。
強引すぎるそのキス。
もう俺は何度こいつとキスをしたのだろうか?
「お前なぁ……」
「俺が諦め悪いの知ってるよね?」
それは嫌というほどわかっていてため息を吐く。
剣で俺に勝てなくて何度も向かい続けてきたし、見たかった流れ星を確認できるまで空を見上げたまま部屋に戻らなくて大騒ぎにもなった。
ペロッと舌を出すその顔は昔のままなのに、何でこいつはこんなにも俺との関係を変えたがるのか?
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