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言わずにいられない

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 シャッとカーテンが開いて眩しさに眉を顰める。

「サライド様、いい加減起きて頂けますか?」

 容赦ないリックは俺の布団も剥いできて、朝日から逃れられない。

「~~~っ!今日はいいだろっ!」

 ベッドに蹲っても、

「今日は旦那様の代わりに視察がございますよ?」

 リックは全くトーンを変えることなく淡々と続けてくる。

「昨日あんな疲れたのに、寝るのもめっちゃ遅かったんだよっ!!」

 起き上がってベッドを殴るのにリックは眉一つ動かさない。

「リューラ様と随分話し込んでいらっしゃいましたからね」

 これがお互いイスに座って紅茶を飲みながら政治や経済の話をしていたわけではないと言ったらこいつはどんな反応をするのだろう。
 ベッドに押し倒されてキスされながらずーっと告られていたなんて……こいつは想像もしていないはずだ。

「くそっ……」

 途中からそのキスを受け入れてしまった事実。
 腕を解かれても、顎を離されても俺は逃げなかった。
 むしろ、最後は絡められる舌に応えてしまったのが自分でも信じられない。

「どうかされましたか?」
「あ?」

 リックに聞かれて髪を掻き上げながら睨む。

「顔赤いですが熱でもありますか?」

 靴を揃えていたリックが立ち上がって顔を覗き込んできた。

「ね、ねぇよっ!何ともねぇわ!」

 伸びてきた手を慌てて払って怒鳴ると、リックは何でもないようにスッといつもの顔で姿勢を正す。
 その俺だけ喚いているみたいなのが本当にイラッとした。
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