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おかしくね?
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「あ"ーーー」
公賓でもあるロザーナを城に送って車に乗り込んだ俺はぐったりと倒れ込む。
「お疲れ様です。ただ、まだ屋敷の外なのでしっかりして頂けますか?」
「ムリ」
運転席から振り返ったリックに言われても俺は動けない。
あんなに頭と気を遣って愛想笑いを続けたんだ。
もう顔の筋肉まで引き攣れて話したくもなかった。だが、
「今夜は旦那様もお帰りですし、今日のご報告もありますよ」
俺の心の中を読んだかのようにリックは追い討ちをかけてくる。
「おま……」
喚いてやろうとしたのにリックが素早くドアを開けて外に出て行った。
一体何だと言うのが?
気にはなるがもう疲れ果ててしまった俺はへにょんとシートに倒れ込んだまま目を閉じる。
このままここで少し寝るか?
さすがに体が痛くなる気がするが……リックが戻るまでなら……。
思っていると、後部座席のドアが開いて俺はパチッと目を開けた。
「サラっ♡」
凄い勢いで飛び込んできたのはリューラで、そりゃ城に来たんだから居るか、と冷静になる。
それでももう疲れていた俺はそのままギュウギュウと抱き着かれていた。
「そんな場所、狭くないですか?」
リックに言われると、
「じゃあ!俺の部屋でお茶でも飲もう!」
なぜかリューラは目を輝かせる。
「は?もー疲れたんだよ。帰って寝る」
「それから尚更休んで行けばいい!」
パッパッと手で払ったのに無理矢理引き摺られて、俺はあっという間にリューラの部屋まで連れていかれてしまった。
公賓でもあるロザーナを城に送って車に乗り込んだ俺はぐったりと倒れ込む。
「お疲れ様です。ただ、まだ屋敷の外なのでしっかりして頂けますか?」
「ムリ」
運転席から振り返ったリックに言われても俺は動けない。
あんなに頭と気を遣って愛想笑いを続けたんだ。
もう顔の筋肉まで引き攣れて話したくもなかった。だが、
「今夜は旦那様もお帰りですし、今日のご報告もありますよ」
俺の心の中を読んだかのようにリックは追い討ちをかけてくる。
「おま……」
喚いてやろうとしたのにリックが素早くドアを開けて外に出て行った。
一体何だと言うのが?
気にはなるがもう疲れ果ててしまった俺はへにょんとシートに倒れ込んだまま目を閉じる。
このままここで少し寝るか?
さすがに体が痛くなる気がするが……リックが戻るまでなら……。
思っていると、後部座席のドアが開いて俺はパチッと目を開けた。
「サラっ♡」
凄い勢いで飛び込んできたのはリューラで、そりゃ城に来たんだから居るか、と冷静になる。
それでももう疲れていた俺はそのままギュウギュウと抱き着かれていた。
「そんな場所、狭くないですか?」
リックに言われると、
「じゃあ!俺の部屋でお茶でも飲もう!」
なぜかリューラは目を輝かせる。
「は?もー疲れたんだよ。帰って寝る」
「それから尚更休んで行けばいい!」
パッパッと手で払ったのに無理矢理引き摺られて、俺はあっという間にリューラの部屋まで連れていかれてしまった。
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