わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

護るよ！

3

「ね、サラ……ずっと好きだったんだ」

　想いを全て伝えてこようとする強いその目から逃れられない。
　告白？
　いや、そんなはずはない!!と思いつつ、切ないほどのその目はじっと見てしまったらいけない気がした。

「な、何言って……」

　避けようとしても、リューラは両手に力を込めて目を合わせてくる。しかも、

「なのに、何飲まされた？」

　もう一度聞かれ、更に急に声が低くなってゾクッとした。
　これまでに聞いたことのない声。

「あのまま何かあったらどうしてた？」

　あのままと言われても、俺は意識がなかったしわからない。なのに、

「眠らされて……あのまま何されたかわかんないだろ？」

　窘たしなめる程度ではない言い方にちょっとイラッとした。
　
「はぁ？男だぞ!?」
「だから？」

　キレてみても、リューラは平然として表情も崩さない。

「さすがのドラモントも意識のない相手殴るほどクズじゃねぇ！」
「殴る？それ以外は思いつかないの？」

　鼻で笑うような言い方もどんどん俺の神経を逆撫でしてきた。

「あ？売り飛ばすってか？俺は国内外も販路は熟知してっからな？すぐに逃……」
「違うよ。やっぱりサラは考えもつかないんだろう？」

　少し眉が下がって悲しそうだと思ったのは一瞬。

「奪われるなんて冗談じゃない！」

　俺の顔を囲うように両脇に肘をついて、リューラはギリッと歯を鳴らした。