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勇者

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 普通に城が見えてきて

「ガイだ。王にお知らせを」

 門の所に居た男たちに金髪男がそれだけ言うとすぐに扉を開いて中に通された。
 立派すぎるその景色を俺はきょろきょろ見ることしかできない。



 よくあるような謁見の間って感じの空間。
 うわぁ、手の混んだセットだなぁ。
 なんてのんびり思っていると、ザッと音がして金髪男が片膝をついて頭を下げた。

「え?」

 何事かわからず戸惑っていると、兵士みたいな奴らと共に頭に王冠つけたあぁ、あなたが王様ね!って感じの中年男性が入ってきた。

「ガイ。お前程の剣士がそこまでかしこまるな」

 王様は玉座に座って少しだけ笑う。

「そうはいきません」

 金髪男はまだ姿勢をピクリとも動かさない。

「……で、そちらが勇者……か?」

 オロオロしてる俺を見て王様は眉をひそめた。
 そりゃそうだ。どっからどう見ても俺は勇者には見えないだろうからな。

「確かに変わった服を着ているし、異世界からの者だろうが……まぁ、試せばわかるか」

 王様は側に居た兵士に合図をするとその兵士は側にあった紐を引いた。
 分厚いカーテンが開いて厳重に守られた棒のような物がある。

「異世界からの者。こちらに来てこれを抜いてみることはできるか?」

 王様は立ち上がって俺をじっと見た。
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