俺を見てよ

マジかっ!!

この高校にしてよかった

「は？」
「あー、早く部活やりてーぇ！」

　伸びをした和田を見てもう一度後ろを向くと、

「御笠みかさ岳史たけふみ。お前は？」
「あ、藤木基晴。よろしく」

　手を出して自己紹介をされて、俺もそれをゆっくり握る。

「俺ら市大会優勝、準優勝、３位な訳じゃん!?イケるよな!!」

　笑っている和田をぼんやり見ながら、俺は４位だけどな……なんて思いつつ、口の端が上がっていくのを感じていた。
　さおさん、やっぱこの高校にしてよかったっぽいよ？
　くっそ楽しみだもん！
　カーテンが風で揺れてきてそれを払いつつ窓の外を眺めた。
　穏やかな青空はどこまでも広がっていて、会いたいなんて思っていたら

「さおさん……」

　思わず口からも溢れてしまう。

「ん？彼女？」
「そ、めちゃくちゃ美人でかわいい人」

　肩に手を付かれて頷くと、和田は「リア充が」と笑った。
　だが、その視線はサッとあるところへ向けられたのを見て俺はその後を追いつつ御笠を見る。
　和田が見たのは教室の後ろの方に居たポニーテールの女。
　片眉を上げて笑っていた御笠と２人で笑い始めると、和田は１人不思議そうな顔をしながら首を傾げた。