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もう……無理!!
卒業ねぇ
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「あーーっ!!くっそ……」
呟いてガンッとイスを蹴ると、勇は笑いながらのんびり頬杖を付く。
「日に日に不機嫌になってね?」
ニヤニヤ笑うその顔を殴ってやりたい。
「彩織さんも進路決まったんだろ?もう緊張解けたんじゃねぇの?」
「俺の進路を心配してんだよ」
「え、お前は絶対受かるじゃん。入試サボったり事故らない限り。熱出たって大丈夫だろ?」
さすがに熱は無理だろ……と思いながら俺は大きなため息を吐いた。
「もう、無理。……限界」
「は?」
「入試に集中どころじゃねぇ」
髪をぐしゃぐしゃに乱して机に突っ伏す。
「んー?藤木、調子悪いのか?明日、卒業式どうすんの?」
石戸の声が聞こえても俺は動く気力もなかった。
「あー、大丈夫だって。恋煩いだからっ!」
勇のアホな返答には反応して足で蹴ってやる。
「いってっ!!」
「お?元気ならこれ書いて。明日顧問に渡すから。高木もな」
少しだけ顔を上げて見ると、石戸は笑いながら色紙を置いていった。
「卒業ねぇ……これから入試だってのにそんな気分じゃねぇってな」
言いながら勇は俺の筆箱を漁り始める。
俺は慌ててそれを取り返すと、中からボールペンを出して勇に渡した。
呟いてガンッとイスを蹴ると、勇は笑いながらのんびり頬杖を付く。
「日に日に不機嫌になってね?」
ニヤニヤ笑うその顔を殴ってやりたい。
「彩織さんも進路決まったんだろ?もう緊張解けたんじゃねぇの?」
「俺の進路を心配してんだよ」
「え、お前は絶対受かるじゃん。入試サボったり事故らない限り。熱出たって大丈夫だろ?」
さすがに熱は無理だろ……と思いながら俺は大きなため息を吐いた。
「もう、無理。……限界」
「は?」
「入試に集中どころじゃねぇ」
髪をぐしゃぐしゃに乱して机に突っ伏す。
「んー?藤木、調子悪いのか?明日、卒業式どうすんの?」
石戸の声が聞こえても俺は動く気力もなかった。
「あー、大丈夫だって。恋煩いだからっ!」
勇のアホな返答には反応して足で蹴ってやる。
「いってっ!!」
「お?元気ならこれ書いて。明日顧問に渡すから。高木もな」
少しだけ顔を上げて見ると、石戸は笑いながら色紙を置いていった。
「卒業ねぇ……これから入試だってのにそんな気分じゃねぇってな」
言いながら勇は俺の筆箱を漁り始める。
俺は慌ててそれを取り返すと、中からボールペンを出して勇に渡した。
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