俺を見てよ

水ノ瀬 あおい

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あれ?……いけた?

ニヤけるのが止まらない

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「ねぇ、さおさん。俺、かなり浮かれてる」
「基晴くんはこれから受験本番なんだからしっかりしてよ!」
「うん。だから、今日だけ。さおさん、この後忙しい?」

 首を傾げると、さおさんはきょとんとして首を横に振る。

「なら家でこれ一緒に食べよう!さおさんともうちょっと一緒に居たいから!」

 手を取って立ち上がると、さおさんは小さく笑った。



 ケーキを抱えてさおさんと歩くなんて、夢のようだ。
 しゃべり続ける俺にさおさんも笑いながら隣を歩いてくれる。
 ヤバい。好きが溢れる。

「基晴くんは本当にうちの高校受けるの?」
「ん?もう願書も書いたよ?」
「岬に聞いたけど……かなり頭いいのに?」
「うーん……。頭のレベルじゃなくてやりたいことがあるからそれをやる。じゃないの?さおさん?」

 笑ってさおさんを見ると、さおさんは俺を見上げてフッと表情を緩めた。

「竜太くんたちみたいに近いとこで思いっきりバスケしたい……を優先した結果だよ。兄貴の制服着ればいいし」

 ずーっと会いたかったさおさん。
 一緒に居るだけでニヤけるのが止まらない。
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