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あれ?……いけた?
くっそ……
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前日、いくら待っていてもさおさんからのメッセージはない。
もしかして……ダメだった?
それで落ち込んでいるのかもしれないと頭をよぎると電話をしようかとも思ったり。次に向けて切り替えて必死に勉強しているかも……と思うと俺は何もできずにスマホを見つめることしかできなかった。
「……大丈夫……だよな?」
呟いてミサンガに触れてもスマホは鳴らないし、誰も反応する人も居ない。
開いていた問題集を閉じてベッドに転がるとボールを持って真上に放る。
クルクル回るボールを見つめてキャッチすると、また天井ギリギリまでボールを投げた。
トッ……トッ……とキャッチする時の音だけを聞いてただ回るボールを見つめる。
キャッチしたボールを胸に乗せたまま転がっていると、外で声がして起き上がった。
自転車から降りた兄貴と岬さん。
何言っているのかまではわからないけど……どうせまた何か怒らせたんだろう。
言い合いをしてやっぱり帰ろうとしたのか自転車に乗った岬さんの手を兄貴が掴んだ。
ムッとしながらも見つめ合う2人。
俺は窓からベッドの上にあるミニボールに視線を移して右手で掴むと、勢いよく壁に叩きつけた。
「くっそ……」
何で俺は中学生なんだよ。
もしかして……ダメだった?
それで落ち込んでいるのかもしれないと頭をよぎると電話をしようかとも思ったり。次に向けて切り替えて必死に勉強しているかも……と思うと俺は何もできずにスマホを見つめることしかできなかった。
「……大丈夫……だよな?」
呟いてミサンガに触れてもスマホは鳴らないし、誰も反応する人も居ない。
開いていた問題集を閉じてベッドに転がるとボールを持って真上に放る。
クルクル回るボールを見つめてキャッチすると、また天井ギリギリまでボールを投げた。
トッ……トッ……とキャッチする時の音だけを聞いてただ回るボールを見つめる。
キャッチしたボールを胸に乗せたまま転がっていると、外で声がして起き上がった。
自転車から降りた兄貴と岬さん。
何言っているのかまではわからないけど……どうせまた何か怒らせたんだろう。
言い合いをしてやっぱり帰ろうとしたのか自転車に乗った岬さんの手を兄貴が掴んだ。
ムッとしながらも見つめ合う2人。
俺は窓からベッドの上にあるミニボールに視線を移して右手で掴むと、勢いよく壁に叩きつけた。
「くっそ……」
何で俺は中学生なんだよ。
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