俺を見てよ

水ノ瀬 あおい

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頼む!!

同点

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「藤木!」

 石戸からボールをもらってドリブルをすると、すぐにピタリと付かれる。
 残り1分なら…そうだろうな。こっちもディフェンスはオールコートに切り替えるもんな。
 思いつつ上がってきた牧にパスをして石戸に渡ったボールをまたすぐにもらった。
 ハーフを越えたら俺のマークマンは少し距離を取ってパスを警戒するように周りを見る。
 まぁ、俺はチビだしゴール下までドリブルで切り込むとは思わないわな。今日スリーも入ってないし。
 でも、パスコース潰して警戒してくれているなら好都合。俺は勇に顎で合図をすると、勇は笑いながら頷いてピタリと自分のマークマンにくっついた。
 それを見て俺はドリブルを止めて膝を曲げつつしっかりリングを見る。

「リバンッ!!」

 打って叫ぶと、勇と牧はしっかりポジションを取ってリバウンドに備えていた。
 ガコッとボードにぶつかりつつ何とかリングを通っていくボールを見てホッと息を吐く。

「ディフェンス!時間がない!止めて入れるぞ!」

 石戸の叫び声を聞いて、俺たちも前から当たっていった。
 残り時間は少ない中で同点。

「まだ時間あるから落ち着け!」

 焦りを見せていた相手チームも7番が叫ぶと、わずかに落ち着きを取り戻す。
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