俺を見てよ

水ノ瀬 あおい

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頼む!!

テンション上がる

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 怒鳴っても勇は笑っていやがってムカついた。すると、

「基晴ー!何してんだよ!笑い誘ってんのか?」

 2階から声が聞こえて見上げると、竜太くんが手を振っていて、隣には呆れたような兄貴。そして、ちょっとイラついている岬さんとくすくすと笑っている彩織さんといつもと変わらない通常運転の春馬くんが居た。
 恥ずかしいどころじゃない。

「降ろせっ!!」

 勇に噛み付くように言うと、ため息を吐きつつやっと床に足がつく。

「かなり蹴りやがって……いって」

 そんなこと言うならさっさと降ろせ。
 睨んでいると、

「基晴くん!」

 さおさんの声が聞こえて頭にコツンと何かが当たる。
 拾ったそれは昨日も竜太くん経由でもらった塩分チャージの飴。
『楽しんでね』
 メッセージを読んでそっちを見ると、さおさんは小さく頷いて笑った。
 ヤバっ……テンション上がる。
 単純な自分に呆れつつ、にやける顔を何とかしようとしていると、頭には衝撃。

「ほれ、バッシュ。頼むぞ。ふじ!」

 チョップをしつつ俺の目の前にバッシュを出して勇は笑っている。
 こいつに気を遣われたのはしゃくだけど……緊張が解れたのは確かだった。
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