俺を見てよ

水ノ瀬 あおい

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カッケぇ……

ドキドキが止まらない

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「別に相手高校生とか関係ねぇじゃん?それこそ来年は俺ら同じ高校生だし」
「さおさんは来年大学生なんだよ」

 ムスッと膨れつつ、コートに居るさおさんを見つめた。
 声をかけてチームを盛り上げながらアップをすすめるキャプテンのさおさん。

「あー。別に年上とか年下とか関係なくね?今は中学生とか高校生って括りあるから気になるだけだろ?」

 ちらっと勇を見ると、勇は穏やかな顔をして彼女を見つめている。

「好きなんだって……それでいいじゃん」

 勇にムカついてんのに……何かその言葉に凄い勇気づけられた。



 主審が笛を吹いて両チームはアップを終えてベンチに戻る。
 それぞれ顧問の周りに集まるあの光景はやっぱりわくわくした。
 後ろ姿でさおさんの顔は見えない。
 思っているとさおさんがTシャツを脱いで何かドキッとする。
 下にユニフォームを着ているのはわかっているのに……。
 手で払って邪魔な考えを吹っ飛ばすとさおさんの後ろ姿を見つめた。
 俺と変わらないくらいの小さなさおさん。
 チームでも1番小さそうだけど、背中の『4』はかなり頼もしく見える。
 円陣を済ませてオフィシャル前に並んで礼をしてからコートに入る今もまだ表情は穏やかだ。
 だが、中央のサークルで礼をして顔を上げたさおさんは一瞬でキリッとしていて、俺はその表情を見ているだけでドキドキが止まらない。
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