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カッケぇ……
フザけんなよ
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「えーっと……」
キョロキョロと辺りを見回す勇の後ろ姿を見ながらため息を吐く。
何してんだ、俺……。
ちらっと下を見ると、キュッキュッと鳴るバッシュの音と共に白と青のユニフォームの2チームが滴る汗と共に1つのボールをリングに通す為に攻防を繰り広げていた。
「勝ってたら今日は俺らも準決なのに……」
呟いて手すりを握って下で行われている試合を見つめる。
中学生の俺らよりスピードもパワーも段違い。
見ているだけで俺もバスケがしたくなる。
「って、おい!ふじ!振り返ったら居ねぇし!ビビっただろうが」
肩に手を付かれて勇を見上げるけど、そんなビビったような表情には見えなかった。
「お前がもうちょいやる気あったらなぁ……」
もう一度下のコートを見てため息を吐くと、勇はハハッと軽く笑う。
「無理だな。勝つ気ねぇもん。勝っちゃったら今日見に来れなかっただろ?」
少し口の端を上げる勇を見上げてその背中をぶん殴ると、勇は俺の拳をそのまま握って「こっち」とさっさと歩き出した。
フザけんなよ。
マジで……。
キョロキョロと辺りを見回す勇の後ろ姿を見ながらため息を吐く。
何してんだ、俺……。
ちらっと下を見ると、キュッキュッと鳴るバッシュの音と共に白と青のユニフォームの2チームが滴る汗と共に1つのボールをリングに通す為に攻防を繰り広げていた。
「勝ってたら今日は俺らも準決なのに……」
呟いて手すりを握って下で行われている試合を見つめる。
中学生の俺らよりスピードもパワーも段違い。
見ているだけで俺もバスケがしたくなる。
「って、おい!ふじ!振り返ったら居ねぇし!ビビっただろうが」
肩に手を付かれて勇を見上げるけど、そんなビビったような表情には見えなかった。
「お前がもうちょいやる気あったらなぁ……」
もう一度下のコートを見てため息を吐くと、勇はハハッと軽く笑う。
「無理だな。勝つ気ねぇもん。勝っちゃったら今日見に来れなかっただろ?」
少し口の端を上げる勇を見上げてその背中をぶん殴ると、勇は俺の拳をそのまま握って「こっち」とさっさと歩き出した。
フザけんなよ。
マジで……。
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