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会いたいっ!!
何回でも言うよ?
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「ふふ……凄い怒鳴り方だったからびっくりしたらあんなかわいい顔でしょ?ズルいなぁって」
「顔なら俺もそんな変わんないでしょ?」
ちょっとさおさんの方に近づくと、さおさんは俺のおでこを指でついた。
「基晴くんの方が更にかわいいかな~?」
「なら、俺の方がお得」
「……モノは言いようね」
さおさんは呆れたような顔をする。
「寒くない?」
「寒いよ」
ちょっとムッとしたさおさんを見て笑いながら、俺は立ち上がってさおさんを見つめた。
「そっちの袋開けて」
さおさんが首を傾げながら紙袋から包を出して開くと、俺はアイスブルーのそれを持ってさおさんの首に巻く。
「うん。やっぱ似合う」
真っ白なコートにもさおさんにも、そのマフラーは合っていた。
「あったかい……」
「俺の気持ちだからね」
笑ってまた隣に座ると、
「すぐそういうことを……」
さおさんはため息を吐いた。
「何回でも言うよ。俺の気持ちがちゃんと伝わるまで」
「だから、私は……」
「兄貴より絶対俺の方がいいって!」
にこっと笑うと、さおさんはちょっと困ったように口を少しだけ尖らせる。
「顔なら俺もそんな変わんないでしょ?」
ちょっとさおさんの方に近づくと、さおさんは俺のおでこを指でついた。
「基晴くんの方が更にかわいいかな~?」
「なら、俺の方がお得」
「……モノは言いようね」
さおさんは呆れたような顔をする。
「寒くない?」
「寒いよ」
ちょっとムッとしたさおさんを見て笑いながら、俺は立ち上がってさおさんを見つめた。
「そっちの袋開けて」
さおさんが首を傾げながら紙袋から包を出して開くと、俺はアイスブルーのそれを持ってさおさんの首に巻く。
「うん。やっぱ似合う」
真っ白なコートにもさおさんにも、そのマフラーは合っていた。
「あったかい……」
「俺の気持ちだからね」
笑ってまた隣に座ると、
「すぐそういうことを……」
さおさんはため息を吐いた。
「何回でも言うよ。俺の気持ちがちゃんと伝わるまで」
「だから、私は……」
「兄貴より絶対俺の方がいいって!」
にこっと笑うと、さおさんはちょっと困ったように口を少しだけ尖らせる。
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