俺を見てよ

水ノ瀬 あおい

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やっぱ……いい!!

隣へ

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「どっちも女顔だ」

 春馬くんが呟いてグラスに口をつけると、

「うるせぇ!って、もう飲んでんのかよ!」

 兄貴は叫んでグラスを持つ。

「基晴くんもおいで!オレンジでいい?」

 さおさんが手招きをしながら岬さんにくっついてソファーの端を空けてくれた。
 せっかくだからそこに座ると、にやりと笑う竜太くんと目が合う。
 気にしないようにさおさんが注いでくれたグラスを受け取ってお礼を言った。

「本当、こんなかわいい弟欲しかったよね」

 岬さんが言いながらちらっと兄貴を見ると、兄貴は舌打ちをしてジュースを飲む。

「あーもー!メリークリスマス!なっ!」

 竜太くんがグラスを掲げると、みんなで軽く乾杯した。

「本当!女の子居るっていいわねぇ」

 母さんはにこにこで大皿のグラタンを運んでくる。

「このピンチョス、めちゃくちゃかわいいですね!」
「ありがとう!もう息子たちはそんなこと言ってくれないもの!嬉しい!」

 さおさんに褒められて母さんがかなりご機嫌だ。
 チキンにはムダにリボンが付いていたり、サラダのハムはハート型にくり抜かれている。
 さおさんがかわいいと言ったピンチョスもミニトマトを半分に切ってモッツアレラチーズを挟んでサンタみたいに顔が付いていたり、フランスパンに生ハムときゅうりをフリルみたいに乗せてあったり……ムダに手が込んでいた。
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